2月の2022年北京オリンピック・パラリンピック大会では、日本人選手の活躍に大いに沸きました。そんな中、冬季オリンピック・フィギュアスケートで、2大会連続金メダルを獲得した羽生結弦がプロ転向を表明し、多くの方々の印象に残ったようです。そして、昨年に続き投打の二刀流で大活躍をみせたメジャーリーグ・エンゼルスの大谷翔平。2022年の活躍したアスリートで堂々の1位となりました。
▼公式サイト
https://www.ssf.or.jp/ssf_eyes/sport_topics/20221213.html
- 【あなたが選ぶ 2022年 スポーツ重大ニュース】 アンケート結果
1位は、冬季オリンピック・フィギュアスケートで、2大会連続金メダルを獲得した羽生結弦のプロ転向表明(7月)
▲2022年7月、決意表明記者会見での羽生結弦(photo:三船貴光/フォート・キシモト)
- 【あなたが選ぶ 2022年 活躍したアスリート】 アンケート結果
1位は、2021年に続き投打の二刀流で、さまざまな記録を打ち立てた、メジャーリーグのエンゼルス・大谷翔平
- 【調査概要】
調査方法:インターネット調査(SSFウェブサイト、Twitter、Facebook)
調査時期:2022年11月28日~12月7日
有効回答数:5,216票
- 2022年のスポーツ界の状況とSSFの取り組み
1. 昨年に続き、コロナ禍で不安な幕開け
2022年、依然として新型コロナウイルス感染症「オミクロン株」の猛威が続く。感染者数が増え、1月21日、東京や愛知など13都県にまん延防止等重点措置が適用された。箱根駅伝やニューイヤー駅伝、全国高校サッカー選手権などが開催される一方、全国都道府県駅伝(男子)や柔道の講道館杯、日本車いすバスケットボール選手権大会などは中止・延期となり、まだまだ不安が残る2022年のスタートとなった。
【SSFの取り組み】
「子ども・青少年のスポーツライフ・データ2021」の調査結果を発表。コロナ禍での子どもの運動・スポーツ実施状況とともに、新調査項目「心の健康」において、高頻度・高強度で運動・スポーツを行う者ほど、抑うつ症状が少ない傾向であることなどを示した。
▲子ども・青少年のスポーツライフ・データ 2021
【調査・研究】子ども・青少年のスポーツライフ・データ 2021
https://www.ssf.or.jp/thinktank/sports_life/datalist/2021/
2. 北京2022大会とロシアによるウクライナ侵攻
2月4日、2022年北京オリンピック、3月4日に2022年北京パラリンピックが開幕。東京2020大会同様、日本選手の連日の活躍は私たちに大きな力を与えてくれた。しかし、この時期にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、世界に大きな衝撃が走る。スポーツ界では、北京パラリンピックなど国際大会中心にロシアを参加させない措置をとり平和を訴えた。
【SSFの取り組み】
冬季オリンピック・パラリンピックをより楽しんでもらえるように、日本の冬季オリンピック参加の歴史や過去の名選手を紹介するなど、特集を組んだ。
▲北京2022大会、スノーボード 男子 ハーフパイプで金メダルを獲得した平野歩夢(photo:藤田孝夫/フォート・キシモト)
【特集】冬季オリンピック・パラリンピック大会
https://www.ssf.or.jp/ssf_eyes/winterolympic/index.html
3. 日本スポーツ界の新たなスタート
3月、声出し応援などの制約があるものの、プロ野球が観客上限を撤廃し開幕するなど、スポーツ界が徐々にコロナ禍以前の姿を取り戻すべく歩を進めていく。そして4月に第3期スポーツ基本計画がスタート。東京2020大会のレガシーの継承やスポーツの価値を高めるための施策などが掲げられた。スポーツ庁は、部活動の地域移行において、公立中学校の部活動における休日の運営主体を学校から地域の外部団体に移行する提言を発表。スポーツ界は新たな局面、大きな転換期を迎えた。
【SSFの取り組み】
部活動の地域移行や子どもたちのスポーツ活動における勝利至上主義など、スポーツ界の問題に切り込んだエッセイ等を、SSFウェブサイトで展開した。
【エッセイ】勝利至上主義を考える:社会病理学的アプローチの適用(北村 薫/順天堂大学名誉教授、SSF特別研究員)
https://www.ssf.or.jp/ssf_eyes/spi/20.html
4. 東京2020大会から1年。共生社会の実現を目指す
東京2020大会から1年、東京2020大会組織委員会が約8年の活動を終了。東京2020大会のレガシー創出を加速させようとした矢先、組織委員会元理事の汚職事件が発覚し、複数の関係者が逮捕される事態となった。
【SSFの取り組み】
スポーツ界に暗い影が落とされる中、SSFは共生社会の実現に向け、障害者スポーツ環境の実態を調査。2010年の調査開始以来、障害者専用・優先スポーツ施設が最多となる150あることを明らかにするとともに、障害児・者の運動・スポーツの日常化に向けて、障害者専用・優先スポーツ施設を中心に地域の社会資源とのネットワーク化の重要性について言及した。
▲障害者専用・優先スポーツ施設に関する研究2021
【調査・研究】障害者専用・優先スポーツ施設に関する研究2021
https://www.ssf.or.jp/thinktank/disabled/2021_dsb.html
5. 国内外でのアスリートの活躍で再確認した、スポーツの力
昨年に続き、メジャーリーグ・エンゼルスの大谷翔平が投打の二刀流で大活躍した。1918年のベーブ・ルース以来となる、2桁勝利と2桁本塁打を104年ぶりに達成。ボクシングでは、バンタム級の井上尚弥が日本人初の3団体統一王者に輝いた。また、世界陸上オレゴン大会や、4年に一度開催されるワールドゲームズ2022でも日本人アスリートが活躍。さらに、サッカーのワールドカップカタール大会で日本代表が2大会連続のベスト16進出を果たすなど、日本国内は熱狂に包まれた。感動し勇気をもらった人も多かったはずだ。
【SSFの取り組み】
10月に、最新の「好きなスポーツ選手2022」を発表。大谷翔平が圧倒的1位に輝き、井上尚弥が4位と初の上位にランクインした。また、ワールドゲームズ2022では、SSFは日本事務局として運営に携わり、理事長の渡邉がJWGA副会長として、日本選手団団長を務めた。
▲渡邉団長を先頭に代表ウエアを身に纏い、 ひと際大きな歓声に包まれる日本選手団
【ニュース】ワールドゲームズ2022バーミングハム大会
https://www.ssf.or.jp/news/fy2022/012937.html
6. より良いスポーツ政策形成、地域スポーツ推進のために
2011年に、それまでのスポーツ振興法が改正されスポーツ基本法が施行され、約10年が経過した。4月には第3期スポーツ基本法がスタートし、2023年度から、休日の運動部活動については、段階的に地域のスポーツクラブなどに移行する。
スポーツ政策は、移り行く時代の中で、さまざまな課題を解決するために大きな貢献をしてきた。その一方で、スポーツの価値と真価が問われているのも事実である。スポーツが人々の心身の健康や社会的幸福の実現のために果たすべき役割「ウェルビーイング」、少子高齢化社会など山積する社会課題をスポーツで解決していくことなどが、より求められている。
【SSFの取り組み】
より良いスポーツ政策形成、地域スポーツ推進のために積極的な政策提言、自治体との共同研究などを加速させる。そして健康寿命の延伸、共生社会など「スポーツによって長くアクティブに生きられる社会」の実現に向け、日々の研究活動を行っている。
【エッセイ】部活動の地域移行、教育的意義はどうなるのか(中小路 徹/朝日新聞 編集委員)
https://www.ssf.or.jp/ssf_eyes/spi/17.html
- 笹川スポーツ財団「行動するスポーツシンクタンク」
公益財団法人 笹川スポーツ財団は、「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進するスポーツ分野専門のシンクタンクです。国、自治体のスポーツ政策に対する提言策定や、スポーツ振興に関する研究調査、データの収集・分析・発信、自治体との共同実践研究などを通し、スポーツで社会課題を解決します。
代表者 : 理事長 渡邉 一利
所在地 : 〒107-0052 東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル3階
設立 : 1991年3月
目的 : スポーツ・フォー・エブリワンの推進
事業内容:
・生涯スポーツ振興のための研究調査
・生涯スポーツ振興機関との連携事業
・生涯スポーツ振興のための広報活動
URL : https://www.ssf.or.jp/