富良野市役所
2021年度(令和3年度)から、市民との共創によって富良野市オリジナルの幸福度調査の作成・実施をおこないました。
⇒背景や狙いなどは、こちらをご参照ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000078835.html
■幸福度調査の概要と調査票の構成
調査は2021年12月~1月にかけて一般市民向け/高校生向けと分けて実施され、合計889人(一般:561人/高校生:328人)の回答をいただきました。
<調査票の質問構成>
・あなたの基本属性
・地域しあわせ風土指標の質問
・主観的幸福度の質問
・あなたが幸せを感じるとき・こと
・あなたの幸せに対して重要な要素
・幸せのタネを教えてください
■【一般市民編】ふらのの幸福度~地域しあわせ風土指標と主観的幸福度
「地域しあわせ風土指標」は、issue+design社が慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科前野隆司教授と共同で開発したもので、風の質問と土の質問に分かれて調査を行います。
風の質問からは、そこで暮らす個人が、やってみよう、ありがとう、なんとかなる、あなたらしく、ほっとする、5つの気持ちを現在どの程度感じているかについて、「風スコア」として表されます。
土の質問からは、その地域に5つの気持ちを後押しする価値観や土壌がどの程度根ざしているかについて、「土スコア」として表されます。
「風スコア」と「土スコア」の合計が「地域しあわせ風土スコア」となり、他地域との比較(※全国、北海道はissue+Designによる調査結果)が可能となります。
ふらの(一般市民)は、風スコア(主に自分に関するスコア)の「やってみよう」を除いて、いずれも全国平均、北海道平均を上回るスコアでした。また、風スコアは、「ほっとする」が突出して高い結果でした。
土スコア(主に地域に関するスコア)は、全般的に高い結果でした。
ふらのの地域しあわせ風土スコアも、全国・北海道平均に比べ、全般的に高い結果でした。
また、地域しあわせ風土指標と同時に、リュボミアスキー主観的幸福度(簡易版)をたずねています。
質問:「全般的にみて、わたしは自分のことを( )を考えている。」
⇒回答:非常に不幸な人間 ←1-2-3-4-5-6-7→ 非常に幸福な人間
ふらの(一般市民)では、幸福度7を回答した方が13%、幸福度5・6・7を回答した方の合計が約70%、幸福度1・2・3を回答した方は7%で、全体の主体的幸福度の平均値は4.97でした。
■【一般市民編】より幸福を感じている人の特徴
ふらのにおいて、どのような人たちが「より幸福を感じている」のか、特徴を分析いたしました。
注意点としては、ここに特徴として挙げられるものは、あくまでも統計的有意差(統計的に意味のある差があること=傾向がみられること)がある項目のみであり、有意差があったとしても、しあわせの感じ方には個人差があり多様であることです。
これらの特徴を見るときに、「●●だからしあわせ」なんだ、「▲▲だからしあわせでないんだ」と決めつけてしまうことがないようにしてください。
上記の通り、幸福の感じ方はさまざまで一概には言えませんが、今回の調査から特徴的だったのは、「富良野圏域以外での居住経験あり」、「職業以外の地域活動をしている」、「いろいろなことから「幸せ」をみつけられる「幸せの感度の高い」人」などに、幸福度が高い傾向が見られました。
その他にも、年齢や親との同居、性別、雇用形態などにも特徴が見られました。
また、幸福度の高い人たち(主観的幸福度5以上)は、幸せを感じる要因数が多い傾向が見られました。
「幸せを感じる要因」に関する質問については、「おいしいものを飲み食いしているとき」、「人に感謝されたり、喜んでもらえたりしたとき」、「何かをやり遂げたとき」、「家族や恋人と一緒に何かをしているとき」、「自然の美しさや心地よさに触れたとき」、「趣味に没頭しているとき」、「家族が健康である」、「ひとりで何をするでもなくのんびり過ごしているとき」、「自分が健康である」、「家族や恋人と何をするでもなくのんびり過ごしているとき」などが上位10位までの要因として挙げられていました。
■【高校生編】ふらのの幸福度~地域しあわせ風土指標と主観的幸福度
続けて、高校生について同様に結果を見ていきたいと思います。
まず、地域しあわせ風土指標からみていきます。
ふらの(高校生)は、風スコアの「あなたらしく」を除いて、いずれの項目も全国平均(一般市民)、北海道平均(一般市民)より高いスコアでした。
リュボミアスキー主観的幸福度(簡易版)について、ふらの(高校生)では、幸福度7を回答した方が18%(一般市民:13%)、幸福度5・6・7を回答した方の合計が約73%(一般市民:70%)、幸福度1・2・3を回答した方は9.3%(一般市民:7%)、全体の主体的幸福度の平均値は5.0(一般市民:4.97)でした。
■【高校生編】より幸福を感じている人の特徴
ふらのの高校生のどのような人たちが「より幸福を感じている」のかについては、学年の違いや気軽に頼れる相手として恋人の有無のみで、一般市民と比べると特徴は限定的でしたが、幸福度の高い人たち(5 以上)は、幸せを感じる要因数が多い傾向が見られました(統計的有意差)。
いろいろなことから「幸せ」をみつけられる「幸せの感度の高い」人に、幸福度が高いという傾向は、
一般市民と共通していました。
高校生にとって「幸せを感じる要因」に関する質問について最上位10項目は、「おいしいものを飲み食いしているとき」、「自分が健康である」、「家族が健康である」の項目は一般市民の最上位10項目と共通していました。
一方で、「自分のことを理解してくれている人がいる」、「自分の心にゆとりがある」、「人とのつながりがある」、「おいしい食べ物が手に入る」、「家族や恋人がいる」、「自分の周りに心にゆとりをもったひとがいる」、「仲間と一緒に何かを取り組んでいるとき」が、一般市民の最上項目との違いとして挙げられていました。
高校生については別途、自分の高校の自慢できるところをたずねており、行事や部活動の充実、関係性や挨拶などを挙げる声が多く見られました。
■たくさん集まった「ふらののしあわせのタネ」
そして、ふらのに住む人たちがどのようなことにしあわせを感じているのか自由記載でたずね、延べ822個(一般市民/高校生から延べ 551個/271 個)の「幸せのタネ」が寄せられました。
ひとつひとつのタネはどれも素敵な大切なものばかりでした。それらのタネはひとつひとつリストに挙げて大切に扱いますが、テキストマイニングによる分析の傾向として、図*から見えてくる特徴もありそうで、ここではワードクラウドの図を共有いたします。
■しあわせのタネを皆で育て、ふらのの未来を共創する
「一人ひとりにとって、”幸せを感じる瞬間”を再確認し、”幸せ感度”を守ることにつながる時間であること」というテーマに調査を行った結果、市民の多様な「幸せのタネ」を知ることとなりました。
この「幸せのタネ」を丁寧に扱い、活用し、育てていくことが”「美しい」のその先へ。WA! がまちふらの”という旗印の追い風となっていくと考えています。
まずは、持続的・自発的に「共創」の動きが生まれる対話ツールとして、「しあWA! せカード(仮)」を制作し、家庭や学校、ビジネス、まちづくりなどの様々な場面で活用できるようにしていく予定です。
また、集まったしあわせのタネは、今後継続的に集まってくるタネも含めて掲示板やWEB上などでオープンに共有していこうと考えています。
まちに訪れた人、引っ越してきたばかりの人、富良野に興味をもってくださった人にはもちろん、富良野に住んでいる人にとっても、様々な場面で目にできるようになることで、素敵な未来につながっていく好循環のきっかけとなることを願っています。
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■第6次富良野市総合計画:基本構想部分
‐‐まちづくりスローガン‐‐
「美しい」のその先へ。WA!がまち、ふらの
‐‐まちづくりメッセージ‐‐
富良野には、「美しい」がいっぱいある。
美しい「自然」、美しい「こころ」、美しい「くらし」・・・。
100年後にも残したい富良野にしかない「美しさ」。
もっとみがける。もっともっと創造できる。
まだ見ぬ「美しさ」。
ひとりが輝く。
つながることでさらに輝く。
輪になることで輝きつづける。
輪がひろがっていくことで、
予想もできない『わっ!』が起こるかも。
そんなふらのに住みつづけたい。そんなフラノとつながってみたい。そんなFuranoを感じたい。
「美しい」のその先をみんなで見にいこう。