※ジェネレーションZ世代(1995年以降生まれの若年層)
『マイナビ転職』を運営するマイナビのZ世代社員と、Z総研に所属するリアルZ世代メンバーたちが主体となり、Z世代の働き方や生き方を調査データから導き出すプロジェクトです。毎月テーマを決めてアンケートを実施し定量的な調査をするとともに、座談会でZ世代の生の声を聞くことで、Z世代を取り巻く状況、理想の働き方や生き方を紐解いていきます。
■第5回調査「住まいについて」
第5回目の調査は、Z世代の「住まいに対する意識」を深堀りするため、Z総研が運営するリアルZ世代コミュニティ所属のメンバーへのアンケートを実施。その結果をもとに『マイナビ転職』の若手社員とZ総研メンバーが座談会を行いました。
<調査概要>
調査時期:2022年6月17日~6月22日
調査機関:Z総研
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国男女18~25歳 184名
<『はたらきかたラボ』オンライン座談会>
実施:2022年7月4日
参加者:マイナビ転職メンバー3名、Z総研コミュニティ所属メンバー3名、はたらきかたラボ所長 道満綾香(Z総研) 計7名
~ Z世代の「住まい×働き方」調査結果 ~
TOPICS①:住まいの満足度には、職場や学校へのアクセスのよさが大きく影響
アンケートで「現在の居住場所に満足していますか?」と尋ねたところ38.6%が「満足している」、42.9%が「どちらかといえば満足している」と回答し、約8割のZ世代が現在の居住場所に満足していることがわかりました。その理由を自由回答で聞いてみると、「駅や職場から近くて便利」といった周りの環境の利便性や、「実家に住んでいて過ごしやすい」など家族と住んでいたり地元に近いという精神的な安心感から満足度が高いと回答した人が多くいました。
また、同じ質問で「どちらとも言えない」「満足していない」と回答した人たちの意見は共通して、「部屋は広くて気に入っているけど駅から遠い」「大学まで2時間かかる」「繁華街に行きづらい」など交通の不便さや中心地までのアクセスがよくないことを挙げている人が大多数を占めていました。
座談会で『はたらきかたラボ』メンバーに同様の質問をしたところ、6人中4人が「満足している」「どちらかといえば満足している」と回答。理由については「乗り換えで使う駅が大きい駅で、電車に乗りやすいところが一番満足している」(20歳・社会人3年目・女性)、「職場まで20分くらいの距離でさらに普段遊ぶ場所からも近いところに住めているから」(24歳・社会人3年目・女性)といったアンケート結果と同じく、交通の利便性や毎日通う職場へのアクセスのよさを挙げていました。
また「満足していない」と回答をしたメンバーについては、「広さや綺麗さに不満はないけれど沿線で騒音が気になる。また駅や職場までも遠く、次に引っ越すなら職場に近い場所に住みたい」(25歳・社会人3年目・男性)といった意見があり、職場または学校へのアクセスの良さ・悪さに加えて、周囲の生活環境も住まいの満足度を左右する要因のひとつであることがわかりました。
TOPICS②:住む場所を合理的に判断して決めたいZ世代
次に「働く場所(学ぶ場所)を自由に選べるとしたら、どこに住みたいですか?」という質問では、「職場・学校の近く」が47.8%と最も多く、次いで23.4%「地元」、22.3%「海外」といった結果になりました。
座談会メンバーも6人中4人が「職場・学校の近く」と回答。その理由は「職場が遠いと残業したときに帰るのが面倒。家と職場が近ければ少し残業しても気にならないので、職場から近いに越したことはないと考えている」(24歳・社会人3年目・女性)といったもので、通勤に費やす時間のことを合理的に考えた結果、職場の近くに住みたいと思っている人がほとんどでした。
また「地元」を回答したメンバーからは、「地元(福岡県)がとにかく好きなので帰りたい。関東と比べると家賃も安いため、そういう部分でも地元がいいなと感じる」(25歳・社会人3年目・男性)など、完全在宅勤務OKの会社で住む場所が自由に選べるのであれば、地元に住み続けたいという意見もありました。
さらに「コロナ前後で住む場所や物件の条件に変化があったかどうか」について座談会メンバーに聞いてみると、「コロナ前は作業用のデスクを自宅に置くことは考えてなかった。デスクが置ける広さの部屋を借りようと思ったのは確実にコロナの影響だと思う」(23歳・社会人2年目・女性)と、コロナで在宅勤務が導入されたことで自宅に作業用スペースを確保するようになった人もおり、住まい探しの条件の一つに「在宅で働く時に」といった意識も芽生えているようでした。
TOPICS③:対面コミュニケーションの大切さに気づいたという声も
「在宅/出勤が自由に選択できる環境(職種)にいるとしたら、あなたは週何日在宅勤務がしたいですか?」という質問では、最も多かった回答が「週3日」で32.6%、次いで「週2日」が26.1%と、週の半分程度は出勤したいと考えているZ世代が約6割いることがわかりました。座談会メンバーに、「この結果を踏まえて在宅勤務に賛成か反対か、またその理由は?」と尋ねてみたところ、6人中4人が「賛成」、2人が「どちらとも言えない」と答えました。
まず賛成派の理由としては「人がたくさんいるオフィスだと集中できない時もあるので、1人で集中して作業する業務がある日は在宅で勤務したい」(23歳・社会人2年目・女性)や「コロナになったばかりのときは時間を効率よく使えるので完全在宅勤務も良いなと思っていたけれど、オフィスでメンバーと話す時間も好きだったということに気づいた。現在は、週2日は在宅で残りは出社するのがベストだと思っている」(26歳・社会人5年目・女性)など、自身の業務パフォーマンスを上げるために、業務内容に合わせて在宅/出勤を選択しながら効率的に働きたいということで意見が一致していました。
また、どちらとも言えないと回答した人からは「雑談の中からアイデアが発展したり、人に話すことで頭の中が整理できることが多いのでなるべく出勤したい。あとは自宅のデスク環境がよくないので会社の方が仕事をしやすい」(20歳・社会人3年目・女性)や「営業職なのでテレアポが多く、1人で電話かけたりしていると気が滅入ってしまうことがあった。誰かと一緒の方が気が紛れるので基本的には出勤したい」(24歳・社会人3年目・女性)という意見があり、職種によって出勤や在宅に対して考え方の違いがあることも分かりました。
TOPICS④:在宅勤務を経験し、企業選びの軸に変化が生まれた人も
さらに「在宅勤務があるかないかが今後会社(転職先)を選ぶ条件になりますか?」という質問を座談会メンバーにしてみました。
「重要視するかもしれない」と回答したのは6人中2人で理由については、「将来は地元に帰りたいと思っているので、在宅勤務が可能であれば場所の制約を受けずに働けるのでありがたい。また、今後家族ができたときに育児・子育てなどにも関わってくるので重視するポイントにはなると思う」(25歳・社会人3年目・男性)や、「完全在宅勤務OKだったら都心から離れて、好きなときに好きなところで仕事がしたい。また年次が上がり自分が指示を出すポジションになったら完全在宅勤務の会社も視野に入れるかもしれない」(23歳・社会人2年目・女性)とライフステージの変化やキャリアアップなどのタイミングで、働き方について考え直す可能性があると話してくれました。
それ以外の「基準には入らない」と答えた人の意見としては「在宅勤務があった方がいいとは思うけれど、その可否で仕事や会社を選ぶということはない」(24歳・社会人3年目・女性)や、「やりたい職種であれば在宅勤務ができなかったとしてもその会社に行くと思う」(26歳・社会人4年目・女性)など、やりたい業務ができるかを最重要視しつつ、それに加えてあくまで第二の条件として在宅勤務が可能かどうかも判断基準の要素になるといった考え方を持っていました。
コロナによって様々な働き方を経験したZ世代が、今後の会社選びの条件として「やりがい」と「働きやすさ」のどちらを重要視するかは、自身のライフステージや環境、業務内容によって人それぞれ異なるようでした。
総括:Z世代の「住まいに対する意識」とは
今回の調査から、自分の職種や働く環境などを合理的に判断して住まいを選ぶといったZ世代の堅実な一面が見られました。また、仕事(勉強)に対しての意欲も高く、そのために勤務しやすい・通勤しやすい(通学しやすい)という観点が、住まいに対する満足度にも影響を与えていることが分かりました。
さらに、コロナ禍による住環境や働き方の変化にもZ世代は素早く対応しており、在宅勤務に関する質問では「自身の業務効率を上げるために在宅/出勤を効果的に選択したい」という意見もみられるなど、変化に対する順応力が非常に高い世代であることを改めて感じました。
今後もはたらきかたラボでは、Z世代の志向や意識を様々な角度から調査し、理想の働き方や生き方を紐解くべく、活動を続けてまいります。
■「はたらきかたラボ」メンバー
「Z総研」は、株式会社N.D.Promotion(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:金丸雄一 以下「N.D.Promotion」)ならびに株式会社オールブルー(本社:東京都港区 代表取締役CEO:助野太祐 以下「オールブルー」)が運営を行う、国内初のZ世代を対象としたシンクタンク組織です。”ジェネレーションZ”をターゲットとしたすべての企業、商品にとって最良のマーケティングパートナーとなり、ナレッジ・コンサルティングの提供をすることはもちろん、企画・コンテンツのプロデュース、クリエイティブを通じたソリューションの実施までワンストップで提供させていただきます。
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