冒頭、マルコ・プレンチペ 在大阪イタリア総領事が、来賓と100名を超える来場者へ謝辞を述べ、イタリアパビリオンの発表会がスタートしました。
マリオ・ヴァッターイタリア政府代表により発表されたテーマは、「アートは命を再生する」。
イタリア・ルネサンスの理想都市-Citta Ideale-の現代版をイタリアの建築家マリオ・クチネッラが、
イタリアパビリオンとして表現しました。
会場は、三つの展示エリアで構成。真ん中には、イタリアと日本の協力が大きく進んでいる宇宙、aerospaceの分野を展示。二つ目は、街と社会。Infrastructure、ネットワーク、モビリティ、都市計画などを展示。そして、三つ目は、人間。医学とライフサイエンス、ホーム、オートメーション、ロボット工学に加え、食育に関する展示です。デザインは、イタリアパビリオンにおいて重要な役割を果たすものです。デザインには、アート、テクノロジー、エンジニアリング、ライフスタイルや哲学までも内包されます。現在のイタリア技術革新の基礎となるデザインと職人文化の強い繫がりも表現されます。
そして、ローマ教皇庁とタイアップし、歴史上はじめてイタリアパビリオンの中にバチカンが出展されます。
パビリオンは、様々な時代と文化が影響しあって知識や革新を生み出す有機体と考えるクチネッラは、
ピアッツァ(広場)テアトロ(劇場)ジャルディーノ(庭園)という社会空間にスポットライトを当て、イタリアの理想都市を三つの幕で構成しました。屋上部分に設けられるイタリアの庭園は、古典的な迷宮のアイデアを現代的にアレンジしたもので、博覧会会場の大屋根からも見ることが出来るものです。
イタリアパビリオンの建築チームを率いるのは、マリオ・クチネッラ・アーキテクト(MCA)で、チームには、日本企業の西尾レントオール株式会社などが参加します。
博覧会終了後、イタリアパビリオンは、イタリアワークショップとして再利用されることが計画されています。
イタリアパビリオンでは、開催期間中にイタリアの芸術や美術、食文化などの紹介を予定しているほか、
オペラなどコンサートや多くのイベントを企画しています。 また、ローマ教皇庁の重要なアート作品と文化イベントにも期待を寄せています。
当日出席された吉村大阪府知事は、「万博に参加される150の国は、それぞれ違った価値観、違った文化歴史があるので、どのように社会課題を解決するのか、それを持ち寄り、6カ月間かけて皆で共有していく。経済効果以上のすばらしい未来社会を作っていくことが目標。またイタリアが持つ深い歴史や文化、そしてアート、最新技術などを発信していただければ」とスピーチされました。
石毛博行 日本国際博覧会協会事務総長は、2015年ミラノ国際博覧会で日本パビリオンで“だし文化“を発信した事に触れ、「今度は天下の台所と知られる大阪・関西という舞台が、イタリアの食文化で日本の食通たちを唸らせる場になることを期待している」、と語られました。
そのほか、イタリアとゆかりの深い日本のデザイン・建築界などの文化人をアンバサダーとして選出されたことが発表され、彫刻家 新宮晋 氏、八木通商株式会社 八木雄三 氏、プロダクトデザイナー 喜多俊之 氏、インダストリアルデザイナー奥山清行 氏、ファッションデザイナー コシノジュンコ氏、の5名が紹介されました。