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実施の背景
迫る物流の「2024年問題」を背景に、企業の枠を超えた物流の効率化の取組みが一層求められています。Hacobuは、データドリブンな物流課題の解決を目指しており、今回MOVO Berthに蓄積された物流ビッグデータを活用し、企業の枠を越えた物流効率化実現のための分析を実施しました。
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物流ビッグデータの分析結果
今回取り組んだ分析によって、物流の効率化に資する2つの結果を得ることができました。
1. 長距離輸送を対象とした分析:
ある1日のMOVO Berthで取得できる全運行のうち、41.3%で共同配送の実現可能性があることが明らかになった
2. 近隣からの共同納品を対象とした分析:
同一方面からの少量・類似品目の納品が見られ、共同配送の検討余地のあることが明らかになった
1.長距離輸送を対象とした分析
1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)から関西(大阪府)への長距離輸送を対象に、共同配送の実現可能性を検証しました。
同一日のMOVO Berthの運行データから、出発地および到着地が共に同一市区町村であり、かつ到着地についた時間が同じ時間帯※であるデータを抽出し、これらの条件に当てはまるものを「共同配送の可能性がある運行データ」と定義しました。
分析の結果、8月のある1日において、MOVO Berthで取得できる全運行のうち、41.3%で共同配送の可能性がある(発着地および到着時間帯が同一)ことが明らかになりました。
図:1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)から関西への運行実績データ
今後の分析では、荷物種別や積載量、車両サイズなどの情報も加味した上で、より実現可能性の高い共同配送の可能性を検討してまいります。
※同じ時間帯:1日を24区分し、時間(H)が同一であるものを”同じ時間帯”と定義
2.近隣からの共同納品を対象とした分析
1都3県において、特にMOVOBerthの利用実績の多いエリアを対象に、共同納品の実現可能性を検証しました。
千葉県船橋市内にある物流団地Aを対象に、物流団地Aに納品している車両の出発地・納品時間帯・車両サイズ・荷物種別・数量のデータを抽出し、共同配送の可能性に関する分析を実施しました。
抽出したデータを分析した結果、ある1日において、国道16号沿いを出発地として、小型トラックで類似品目を同時刻に納品している実績があることが分かりました。このことから、事業者を超えた共同納品を実現できる可能性があることが明らかになりました。
図:物流団地Aに納品しているデータの出発地分析
表:国道16号沿いを出発地とした納品実績データ
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今後の展開
今回、業種業界を超えた多様な事業者が利用する共通サービスとしてMOVOを提供し、多くの事業者・ドライバーの方に活用いただいているからこそ、企業の垣根を超えた分析を実現することができました。サービス利用により蓄積される物流ビッグデータを活用し、MOVOをご利用の事業者の皆さまとともに、データに基づいた物流効率化の取り組みを促進してまいります。
今回の分析は、物流情報のビッグデータ活用を推進する目的で新設したデータエンジニアリング部が中心となり実施しました。データで事実を直視し、建設的な解決策を考え、新しい物流の在り方を創る。当社は、このようなロジスティクスの世界を「データドリブン・ロジスティクス®」と呼び、その実現に邁進し、社会課題の解決に挑んでいます。今後も物流ビッグデータを活用した分析事例を定期的に発信してまいります。
なお、物流ビッグデータ活用については、主に2つの懸念が存在すると認識しています。
①物流ビッグデータ活用によって自社データの秘匿性が損なわれるのではないか
②物流ビッグデータをシステムに蓄積する会社が不当に利益を得るのではないか
Hacobuは、2つの懸念を払拭しつつ「データドリブン・ロジスティクス®」を実現するため、2021年4月に外部専門家を含めた物流ビッグデータ・ガバナンス委員会を組成し、第三者の視点や意見を取り入れ、物流ビッグデータ活用に関するガイドラインを策定し、運用体制の整備に取り組んでまいりました。
現在は委員会での議論を踏襲し、経営メンバーで構成する経営会議や情報セキュリティ委員会といった会議において、施策の立案、モニタリングおよび検証を進めるとともに、これらの取り組みについては、外部の視点を持った社外取締役および社外監査役の監督、監査を受ける体制を構築しております。
Hacobuは、今後も公正性・客観性を確保した物流ビッグデータの活用を推進してまいります。
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Hacobuについて
商号 :株式会社Hacobu
URL :https://hacobu.jp/
設立 :2015年6月30日
所在地 :〒108-0073 東京都港区三田3丁目14番10号 三田3丁目MTビル9階
代表 :代表取締役社長CEO 佐々木太郎
事業内容:クラウド物流管理ソリューション「MOVO(ムーボ)」シリーズと、物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy(ハコブ・ストラテジー)」を展開。シェアNo.1のトラック予約受付サービス「MOVO Berth」、動態管理サービス「MOVO Fleet」、配送案件管理サービス「MOVO Vista」などのクラウドサービスの提供に加え、物流DXパートナーとして企業間物流の最適化を支援しています。