- 共同研究の概要
今回の共同研究では、ctcの設計から運用までをワンストップで提供するクラウド基盤を活かし、AcompanyのSMPCエンジン『QuickMPC』 *の商用利用を検証していきます。本研究では2台のクラウドサーバーを用意します。1台をctc、もう1台をAcompanyが管理することで、サーバー管理者を分散させる基本設計を行います。
この設計上で、SMPCの計算の速度や正確性、運用ルール、そしてトラブル対応などの実用性を双方で検証することで、商用利用を目的としたSMPCによるセキュアなクラウドサーバーサービスを模索します。
* SMPCエンジン『QuickMPC』について:
Acompanyが開発するQuickMPCは、秘密分散とMPC(Multi Part Computation)を組み合わせたSMPCによる秘密計算エンジンです。複数が保有するデータを秘匿化したまま計算・分析することができるため、プライバシー保護や漏洩リスクを低減させることが可能です。
- 今後の展開
本共同研究を通じてctcとAcompanyは、分散型データ管理システムの構築と安全なサーバー管理方法、そして商用化に向けた体制の確立を目指します。
本共同研究期間は2か月間とし、ctc内のデータセンターにて共同研究を予定しております。今後、10月に共同研究の成果発表を予定しております。
- 分散型(非中央集権型)データ管理を実現するSMPCの仕組み
秘密計算とは、データを外部に開示することなく、秘匿したまま計算・分析する技術です。秘密計算の一手法であるSMPCは、複数社間のデータ活用に適しています。
SMPCの仕組みは、生データをシェアという無意味なものに分割し、複数台のサーバーへ送信。シェアのままサーバー上で計算・分析を行い、生成された結果を合わせて結果として生成します。
この全ての工程において、生データは秘匿化されたままであり、もし一部のシェアが流出したとしても、生データを推測することができないことから、データを安全に計算・分析することができます。
またこの時、サーバーの管理は1社だけではなく複数社で行うことで、より安全性が向上します。
- プライバシーテックとは
個人のプライバシーを保護するためのテクノロジー(技術)です。個人のデータを企業等が大量に保有する中、いかに個人に対して安心・安全なデータ保全・利活用を実現できるのか課題となっています。この課題を解決する技術がプライバシーテックです。例えば、データを暗号化しつつ企業・組織間でデータ分析ができる次世代暗号技術「秘密計算」や、仮想のデータを生成する「合成データ」、個人識別性を排除する「匿名加工」などが挙げられます。
プライバシーテック研究所:https://acompany.tech/privacytechlab/
- ctc
社名:中部テレコミュニケーション株式会社
代表者:代表取締役社長 宮倉康彰
所在地:愛知県名古屋市中区錦一丁目10番1号 MIテラス名古屋伏見
設立:1986年6月
URL:https://www.ctc.co.jp/
事業内容:個人向けに高速・高品質な光インターネットサービス「コミュファ光」の提供、法人向けにDXやセキュリティ、ヘルスケア等におけるICTソリューションの提供
- 株式会社Acompany
社名:株式会社Acompany
代表者:代表取締役CEO 高橋亮祐
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1-3JRゲートタワー27F OICX
設立:2018年6月
URL:https://acompany.tech/
ミッション:プライバシー保護とデータ活用を両立させる
事業内容:プライバシーテックサービス「AutoPrivacy」の開発・提供、コンサルティング