現在、介護の現場では慢性的な人手不足に陥っています。2025年に65歳以上の高齢者割合は約30%になり、介護職員が約30万人不足、2040年の高齢者割合は35％を超えて介護職員が約70万人不足すると予測されています[*1]。しかし、介護職員の不足が解消される見込みは薄く、2023年6月の介護サービス業の有効求人倍率は3,73倍[*2]と、全職業の有効求人倍率の1,12倍[*2]を大きく上回り、他産業からの労働移転が期待できない状況です。そこで注目されているのが、介護現場での有償ボランティア活用です。
介護現場では専門技術が不要な間接介助・間接業務が30％[*3]以上を占めているため、利用者家族や地域の人も介護現場の仕事に関わることができます。しかし、ボランティア人材の掘り起こしと定着は多くの現場で実現されていません。その理由には、働き手がコミュニティへの貢献意識から生じる、やり甲斐や達成感などを十分に感じられないことが挙げられます。介護事業者向けコミュニティアプリ『CAREVERSE』は介護事業者と利用者家族や地域住民との間に気軽に参加できるコミュニティを生み出し、利用者家族や地域住民にボランティアを依頼できるサービスとして開発しています。
*1：厚生労働省「第８期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」
*2：厚生労働省「一般職業紹介状況」
*3：社会福祉法人善光会「日本学術会議社会福祉分科会資料」
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『CAREVERSE（α版）』を活用しシニアマーケティング検証の実施
1928年から明治が展開する乳製品等の宅配サービスは近年、顧客の高齢化を受け、宅配センターを地域の高齢者の健康課題を解決する拠点としてウェルネスセンターへ進化させる取り組みを強化しています。定期的に高齢者の自宅を訪問できる利点を活用し、配達と同時に健康状態を見守るサービスを提供するほか、低栄養やフレイル対策商品を展開しています。しかし、宅配顧客である高齢者の多くは在宅のため、介護施設に通所・入所している高齢者など、ターゲットの拡大強化に当社アセットを活用したシニアマーケティングの検証を実施しました。
本プログラム期間中、社会福祉法人善光会の協力のもと『CAREVERSE（α版）』のユーザーテストをデイサービス施設にて実施しました。アプリの機能性検証のほか、施設に通所している利用者を対象としたマーケティング検証として『CAREVERSE』空間内で明治の宅配専用商品として初の機能性表示食品「明治5つ星習慣」のオンライン試飲セミナーを開催しました。
アプリの機能性検証において、高齢者は自力ですべての操作をすることが困難ではありましたが、介護職員のサポートを受けながらアバターを介したオンラインコミュニケーションに関心高く取り組まれました。オンライン試食セミナーでは、明治社員から開発経緯や商品の説明を聞きながら、「明治5つ星習慣」を試飲してもらいました。その結果、セミナーに参加した利用者の26.6％が新規契約を希望し、新たなマーケティングチャネルとしての可能性を見出すことができました。
シニアマーケティングにおける需要はあらゆる産業において高い一方、高齢者にデジタル活用を促すことは大きな課題となっています。本検証を通して、『CAREVERSE』は介護施設の人材不足を解決すると同時に、施設を介した企業のシニアマーケティングに活用できるよう開発に取り組んで参ります。
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介護事業者向けコミュティアプリ『CAREVERSE』とは
介護事業者が利用者家族や地域住民とコミュニティを築きながら、登録者に有償ボランティアの依頼ができるサービスです。コミュニティを活性化するコミュニケーション、ゲーム、オンラインイベントなどの機能を実装し、今秋β版をリリース予定です。
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「明治アクセラレーター」とは
明治アクセラレーターは、人と地球の健やかな未来を目指し、「食」「体とこころの健康」「サステナブル」「デジタル・テクノロジー」の領域で共創するパートナーを募集するオープンイノベーションプログラムです。創業100年の明治グループが培った技術とスタートアップ企業様の技術を掛け合わせ、共に一歩先を行く価値を創造していきます。
明治アクセラレーターホームページ：https://01booster.com/program/meiji/
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会社概要
社 名：けあばーす株式会社 ｜ CAREVERSE Co., Ltd.
代 表：山中 裕太
設 立：2022年6月2日
本 社：東京都板橋区成増 1-35-3
事 業：介護事業者向けコミュニティアプリ「CAREVERSE」の開発
