■ 語義の曖昧性をトポロジーとして扱うアイデアを具現化
昨今大規模言語モデルや生成系AIなどが、自然言語処理技術として注目されております。
しかしこれらのアプローチの課題として、AIが推論した結果の妥当性をAIが説明できないという課題があります。「説明可能性問題」もしくは「AIのブラックボックス問題」と呼ばれる課題です。今回、弊社は語義の曖昧性を扱える生成系AIの帰納的な推論技術と、厳密な解を得る演繹的な推論技術をバランス良く取り入れるアプローチとして語義の曖昧性をパーシステントホモロジーとして扱い、論理的なつながりの有無を量子コンピューターに計算させる技術を開発しました。そしてこの論理的なつながりの有無が「説明可能性」をサポートします。
■ パーシステントホモロジー
パーシステントホモロジーとは形の情報を定量化する画期的な分析手法です。トポロジー(位相幾何学)という分野では、コーヒーカップとドーナツを穴が一つあいている図形として同一視する柔らかい視点を持ちます。ホモロジーというのはトポロジー分野の一つであり、パーシステントホモロジーはさらにその中の一つの研究分野です。パーシステントホモロジーは、タンパク質の構造解析や、ネットワークの最適化など工学的にも様々に応用されており、注目されている技術です。
■ 量子コンピュータへの期待
IBM社は2022年11月9日、433量子ビットを有する量子プロセッサ「IBM Osprey」を発表しました。
2023年8月現在で同社の量子プロセッサの中で最大の量子ビット数となっており、より複雑な量子計算を実行できるとされています。量子コンピュータは確実に性能を伸ばしてきており、今後の社会実装が期待されています。今回の特許出願内容には、量子コンピュータの特定の計算を最適化するアイデアも含まれております。
■ 「Toposoid」の紹介とこれから
Linked Ideal合同会社では、ナレッジベース構築プラットフォーム「Toposoid」をOSSとして公開しております。
「Toposoid」は文章入力するだけで、ナレッジベースを探索し説明可能な結果を返します。今後は文章だけでなく画像などの非構造化データもナレッジとして蓄積、検索できるようバージョンアップしていく予定です。また、今回開発した最先端技術の実装も視野に、今後もバージョンアップを重ねて実用に耐えうるプラットフォーム提供を目指します。
URL: https://toposoid.com
GitHub: https://github.com/toposoid/toposoid
■ 【会社概要】
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会社名:Linked Ideal合同会社
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所在地:東京都立川市錦町1-4-4 サニービル2F CS-109
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代表社員:久保寺誠
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設立:2021年4月
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事業内容:人工知能を活用したデータ分析
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Toposoidに関するお問合せ::https://toposoid.com/contact
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Linked Idealに関するお問合せ: https://linked-ideal.com/contact