DeepL、ヨーロッパで最大規模のNVIDIA DGX H100 SuperPODを導入

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最先端のAI技術でコミュニケーションに革新をもたらすDeepL(本社:ドイツ連邦共和国ケルン市、CEO:ヤロスワフ・クテロフスキー、以下DeepL)は、NVIDIA DGX SuperPODを導入すると発表しました。これによりAI翻訳技術およびコミュニケーションツールとしてのさらなるサービス強化を図ります。

DeepLが導入したDGX SuperPODは、68台のNVIDIA DGX H100システムから構成され、供給元はDELTA Computer Productsです。今回の設備拡充はDeepLにとって重要な一歩であり、ヨーロッパにおいてこの規模の商業展開が行われるのは初となります。DGX SuperPODは、DeepLの他のサーバーと共に、スウェーデンにある再生可能エネルギーで駆動するグリーンデータセンターに設置します。 

DeepLとNVIDIAは、クラスター速度を評価するベくLINPACKベンチマークを用いて評価を実施しました。今回の評価結果は、2023年11月分の、世界で最も高速な商業用コンピュータシステム・トップ500リストに提出されます。評価結果は21.85 PFlop/sであり、現在のトップ500リスト(2023年6月分)において世界第26位、ヨーロッパ第8位に相当します。

今回のNVIDIA DGX SuperPODの導入は、DeepLが大規模言語モデル(LLM)のトレーニングを通じて技術を発展させ、世界最先端のAI技術を搭載したコミュニケーションツールの開発を目指すことへの意思表示でもあります。個々のサーバーが互いに連携してスーパーコンピューターを形成しているため、DeepLのプロダクトの根幹である高度なニューラルネットワークトレーニングの最適化が可能になります。

各DGXシステムには、NVIDIA H100 Tensor Core GPUが8基搭載され、サーバー内のGPU間通信はNVIDIA NVLinkを介して超高速で行われます。各サーバー間は、in-network computing技術に基づくNVIDIA Quantum-2 InfiniBandで接続されているため、クラスター内においてGPUは最大速度で通信することができます。これにより、柔軟に性能を拡張させることが可能となり、あらゆる構成においてコンピュータクラスターを効率的に使用できるようになります。具体的には大規模モデルのトレーニングや、複数の並行トレーニングなどが挙げられます。 

DeepLの創業者で最高経営責任者(CEO)のヤロスワフ・クテロフスキーは次のように述べています。「DeepLは、設立当初から研究が中心でした。度重なる研究のもと最先端のニューラルネットワークを開発してきたことで、このような高品質の翻訳を提供できるようになりました。優れたプロダクトの開発に専門知識と創意工夫が必要であるように、モデルのトレーニングには強力なコンピュータが必要です。したがって、アイスランドにある最初のクラスターのようなコンピュータクラスターは我々にとって必要不可欠なのです。その点において、今回導入したNVIDIA DGX SuperPODクラスターは革新的です。なぜなら、そのスピードによって大規模な翻訳モデルを開発することが可能になるからです。既存のトレーニング機能を新しいクラスターと組み合わせることで、更なる改善や新たな機能の開発につながることを期待しています。」

2017年以降、高度なニューラルネットワーク技術に基づくDeepLのAIコミュニケーションツールは、世界中の企業のコミュニケーション方法に変化をもたらしています。DeepLの翻訳ツールは、言語的なニュアンスや文脈を捉え、業界特有の用語も読み取れるようにトレーニングされています。その結果、何千もの企業が自社の製品やサービスを世界中の人々に提供できるようになりました。

NVIDIA DGX SuperPODにより、DeepLとその研究チームは、大規模言語モデルの市場投入までの時間を大幅に短縮することができます。NVIDIA DGXシステム分野のバイスプレジデントであるCharlie Boyle(チャーリー・ボイル)氏は次のように述べています。「企業は、LLMや生成系AIのワークロードを効率的かつ大規模に推進するために、最適化された強力なインフラを必要としています。NVIDIA DGX SuperPODは、すぐに使えるデータセンターソリューションとして、DeepLが最新のAIアプリケーションの構築やトレーニングの実行において必要とするコンピューティング性能やネットワーク技術、そしてソフトウェアを提供します。」

DeepLについて

DeepLは人工知能を活用し、言葉の壁を取り払うことを目指すドイツのAIコミュニケーション企業です。2017年に創業し、ブラインドテストで世界最高レベルであることが示された機械翻訳システムのDeepL翻訳を提供しています。2020年より、日本語の翻訳にも対応しています。また、DeepLは、企業や団体、そして翻訳者といったプロフェッショナル向けの製品も提供しています。卓越した品質を誇るDeepLの機械翻訳サービスは、ニューラルネットワークに独自の数学的・方法論的改良を加えることで実現しました。企業を率いるのは、CEOで創業者のJaroslaw Kutylowski(ヤロスワフ・クテロフスキー)です。DeepLは世界的に著名なIVPやBenchmark、b2ventureなどの投資を受けています。

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