株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘、以下リクルート)は、本日、待ちの不満を解決する受付管理アプリ『Airウェイト』と、PHC株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:森本 恭史、以下PHC)の提供する診療所用医事一体型電子カルテシステム「Medicom-HRf」との機能連携を開始いたします。
連携により『Airウェイト』で登録された患者の受付情報を電子カルテに自動で共有できるようになります。通常は患者の来院時および会計時に、医療機関の受付スタッフが『Airウェイト』と電子カルテの2つをそれぞれ操作する必要がありますが、患者情報の転記作業や消込作業が一方の操作で完了できるようになり、受付作業の業務効率化やミス防止に役立ちます。
1.連携の概要
PHC初のAPI連携、受付情報の電子カルテ転記が不要に
従来は患者が来院した場合、患者の名前を紙台帳に記入し、番号札を渡して順番に呼び出す受付管理が一般的でした。『Airウェイト』で受付をすると電子カルテ上に来院情報が自動で登録され、患者のスマートフォンに順番を知らせる通知が届きます。患者にとっては、待合室でいつ呼ばれるかわからない状態で待つ必要がなくなり、呼ばれるまでのおよその時間を把握できるため待ち時間を有効活用することも可能です。
受付情報は自動で電子カルテにも連携されるため、受付スタッフは情報を電子カルテに転記する手間を減らすことができます。患者のスマートフォンに順番を知らせる通知が届くため、順番を知らせる声かけや待っている患者のケアなどにかける労力の削減にもつながります。
本来、情報システムをクリニック内で保有するオンプレミス型の電子カルテと『Airウェイト』のようなクラウド型のサービスを連携させるためには大規模な個別開発が必要でしたが、PHCが構築した新たなAPI基盤を使って『Airウェイト』の提供するAPIを相互にやり取りさせることで連携が可能になりました。なお、『Airウェイト』はPHCの新たなAPI基盤における最初の連携先となります。診療所向け電子カルテ国内市場シェア首位(出典:株式会社富士経済『2022年 医療連携・医療プラットフォーム関連市場の現状と将来展望』)のPHCと組み、医療機関における受付管理サービスのさらなる認知拡大を目指します。
■利用開始日:7月15日
■取り扱い代理店:PHCメディコム株式会社含む全国メディコム販売代理店
2.連携の背景
後れを取る医療機関のデジタル化、待ち時間解消ツールには高いニーズ
総務省の『令和3年度版 情報通信白書』によると、医療・福祉業界でデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいるのは9.3%にとどまり、他業種に比べてDXが遅れている傾向にあります。
その傾向は予約システムの導入に限っても同様のようです。PHCが2022年2月、病院や診療所の医師および事務員210人を対象に行ったアンケート調査によると、全体の53.3%と半数以上が何らかの方法で患者の予約を受けていると回答しましたが、その中で、時間予約でWeb予約システムを利用しているのは12.4% 、順番予約でWeb予約システムを利用しているのは8.6%でした。
一方で、患者側は待つことに不満を感じているようです。PHCが同年3月に患者5669人に実施したアンケートで、過去に病院や診療所を探す上で困ったことを尋ねたところ「今混雑しているかどうかがわからない」と回答した人が全体の約40%に上り、「病院の評判」や「医師の得意分野」がわからないという回答を上回りました。
このように、患者は待ち時間の解消を望んでおり、対応策の一つとして医療機関が順番予約システムを導入する意識はより高まると予想されます。
待ち時間へのストレス軽減 「三密」回避効果も
『Airウェイト』はこれまでも、医療現場で待ち時間の削減を実現してきました。特に、新型コロナ禍では患者とスタッフの「三密」を回避することで、感染拡大防止にも寄与してきました。
今回、PHCの電子カルテとの連携を通じて受付業務と患者情報の管理を同時に効率化させることができ、受付スタッフは本来すべき、医師のサポートや重症患者の対応、会計業務などに時間と労力を使うことが可能になります。患者側も、待ち時間を把握できるようになることで診療までにどれだけ時間がかかるか見通せないストレスを緩和し、院外で待つなど時間の有効活用にもつながると期待されます。
3.サービス担当者コメント
上原 渉(うえはら わたる)
※ご取材可能
株式会社リクルート プロダクト統括本部 所属
『Airウェイト』プロダクト担当者
SIerとして多くの企業の業務システムやアプリなどの受託開発を手掛けた後、2016年にリクルート入社。『Airレジ』『Airペイ』『Airシフト』をはじめとしたリクルートの業務・経営支援サービス「Air ビジネスツールズ」全体のセールスエンジニアとして、顧客と開発チームを橋渡しする役割を担う。2018年、『Airウェイト』専属のプロダクトマネジャーとして事業企画を担当し、2021年に現職。
飲食店や商業施設などに向けたさまざまな業務システムの開発を手掛ける中で、事業者の抱える多くの課題を目の当たりにしてきた。広く課題解決が可能なリクルートの「Airビジネスツールズ」に参画し、『Airウェイト』を通じて、業種や規模を問わず、顧客と事業者双方にとって無駄な待ち時間や受付に関する課題の解決に取り組んでいる。
受付業務の効率化で、患者の安心とスタッフの働きやすさを当たり前に
待ちの不満を解決する受付管理アプリ『Airウェイト』はこれまでさまざまな業界で導入されてきましたが、医療業界はほとんどの施設で受付業務が発生するため、待ち時間への課題意識が高い業界の一つです。患者は「待ち時間が長く、いつ呼ばれるのか分からないのでストレスを感じる」「混雑した待合室で長時間待つと、二次感染が不安」など、医療機関に対して「待ち時間」に関する不満を抱くケースが目立ちます。一方、医療機関としても「待ち時間が長いことへのクレームを受けること」や「患者に具体的な待ち時間をお伝えできないこと」が大きな業務課題になっています。
待っている患者への対応に時間を取られ、本来提供したい医療サービスに注力できていない医療機関が多い状況を何とか変えたいという思いから、医療業界への『Airウェイト』導入には特に力を入れてきました。
そんな中、医療機関の中でも特に診療所への導入が中心の『Airウェイト』と、診療所向けの電子カルテでトップシェアを誇るPHCの製品が連携することは非常に意味のあることだと思っています。
受付業務は、患者と診療所がコミュニケーションする最初の大切な機会です。受付での業務の煩雑さや待ち時間の発生は双方にとって大きな機会損失につながるため、今回の機能連携でさらに業務効率化に寄与できると考えています。これまで医療機関では当たり前だった受付業務における不便さや不満が解消され、患者が安心し診療所のスタッフも快適なオペレーションを実現できることが、これからは当たり前になっていくことでしょう。
また今後も受付に限らずさまざまな業務システムが相互に連携していくことで、医療機関での業務の課題を解決していく流れができていくと思っています。
4.『Airウェイト』とは
『Airウェイト』は、待ちの不満を解決する受付管理アプリです。iPadとプリンターがあれば、紙台帳や高価な専用端末を使わずに、スマートな受付管理ができます。2014年11月にサービスの提供を開始し、飲食、小売り、サービスからクリニック、調剤薬局などの幅広い業種で導入が広がっています。
『Airウェイト』さえあれば、受付から呼び出しまでカンタンな操作で受付業務を効率化でき、受付データの分析で業務改善も可能、顧客満足度の向上にも貢献します。外部モニター出力や多言語対応も実現できます。オンライン順番受付の活用で、お客さまは来店することなくWebサイト上で混雑状況を把握でき、カンタンに順番受付が可能。混雑を解消して案内をシステム化することで、店内や待合室でお客さまを待たせることがなくなるため、感染症対策にも役立ちます。
導入したお店からは、「受付スタッフ1人分の人件費を削減できた」「前年比大幅客数増で120%売上アップした」「混雑の不満や不安が軽減して顧客満足度が向上した」などの声を頂いています。
『Airウェイト』も含む Air ビジネスツールズでは、予約・受付管理、会計、決済から人材採用、シフト管理、資金調達や請求処理 まで、事業運営のアナログな業務にかかる、手間、時間、コストを軽減できます。
私たちは、事業を営むみなさまの「思い描く事業運営や自分らしいお店づくり」を、これからも支援し続けます。
5.PHC株式会社・メディコム事業部について
1969年に設立されたPHC株式会社は、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの事業領域において、開発、製造、販売、サービスを行い、グローバルヘルスケア企業として事業を展開するPHCホールディングス株式会社(証券コード 6523 東証プライム)の日本における事業会社です。ヘルスケアソリューションの事業領域においてヘルスケアIT事業を行うメディコム事業部は、1972年に国内で初めて医事コンピューターを開発、発売しました。以来、事業ブランド「メディコム」を掲げ、電子カルテシステムをはじめとしたヘルスケアIT製品・サービスの提供を通じて、患者さんへの医療サービス向上と医療従事者の業務効率改善に取り組んでいます。
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