人工知能(AI)の技術開発・ソリューション提供を手掛ける株式会社アラヤ(所在地:東京都千代田区、代表取締役:金井良太、以下「アラヤ」)は、AI開発で生じるコスト・手間・時間を削減できる開発ツール「SubnetX」の提供を開始します。
サービス紹介URL:https://www.araya.org/service/subnetx/
◾️背景
多くの企業がAIによる効率的な課題解決を目指し開発に取り組んでいます。しかし、現実的な社会実装においてはエッジデバイスへのAIモデル最適化の困難さや、デバイス要件の変更などのAI再開発によるコストの増加、開発したAIサービスの運用コストの高さなどの課題を抱えています。これまで弊社では様々な課題を持つ企業のパートナーとして、AIモデルの開発、エッジデバイスへの最適化などを支援してきました。このような支援を通して、多くの企業がAI開発に取り組む中でAI開発の手戻り、最適化の困難さという課題を抱えていることを感じ、今回新たに「SubnetX」というAI開発拡張ツールを構築し提供することにいたしました。
■SubnetXとは
SubnetXとは、学習後でも瞬時にモデルサイズを変更できる機能、つまり、スケーラブル性を既存のAIモデルに容易に追加できるツールです。通常、モデルサイズの変更は、AIの学習後に行うことが出来ず、AI開発/運用コストを最適化する妨げになっていますが、SubnetXを用いることで、AIモデルにスケーラブル性を追加し学習を行うことができます。スケーラブル性のある学習済みAIモデルによって、多くのデバイスへの最適化、既存モデルサイズの縮小による運用コストの削減が可能になります。
なぜなら、SubnetXで作られたスケーラブルなAIモデル(Supernet)は、一度学習すると、計算量や精度等が異なる膨大な個数(数万以上)の多様な学習済みAIモデル(Subnet)を取得することができ、多様な学習済みAIモデルからの選択によって、瞬時にモデルサイズを変更できるため、再開発ではなく、再選択することによって最適化が達成できるためです。
SubnetXによるスケーラブルなモデル開発
■スケーラブルなAI開発によるAI開発/運用コスト削減の事例
例えば、最新のスマートフォン向けAIモデル搭載アプリを旧機種にも提供する場合、機種に搭載されたメモリ量の差からUXに影響が出てしまうことがあります。従来の開発では、メモリ量の差を考慮したAIモデルに改善するには、AIモデルの変更を伴う再開発が必要となるなど開発・運用コストがかかり続けるという問題点がありました。
AIモデル開発における従来の開発イメージ
SubnetXを用いたスケーラブルなモデル開発では、開発途中や運用開始後に要件変更があったとしても、多様な学習済みAIモデルから再選択するだけで最適化できるため、手戻りの最小化と開発コストの削減ができます。
SubnetXにおけるスケーラブルなモデル開発イメージ
■コスト削減実績
弊社でのエッジAI開発の事例として、三つのデバイスに対してAIモデルの最適化を行いました。その際にデバイスの最適化工数とモデルの最適化手戻りの作業において、38%の開発期間の削減をすることができました。
SubnetXの活用により期待できるコスト削減効果
【その他の活用事例】自動車メーカー向けエッジAI開発におけるOFA(Once-for-ALL)適用
■提供開始予定
2023年8月〜
■詳細説明資料について
資料請求URL:https://www.araya.org/download_subnetx/
■株式会社アラヤのエッジAI開発実績
・2018年、 KDDI㈱と革新的AIエッジコンピューティングをテーマとするNEDO研究開発プロジェクト参画
・ドローンでのエッジAI実装
・物体検出、セグメンテーション、画像分類、異常検知モデルなどの高速化/軽量化
・その他、小型化技術 (量子化/枝刈り/蒸留) による高速化/軽量化など実績多数 (20以上)
【会社概要】
会社名:株式会社アラヤ
代表者:代表取締役 金井 良太
設 立:2013年12月
所在地:東京都千代田区神田佐久間町1-11 産報佐久間ビル6F
事 業:ディープラーニング、エッジAI、自律AI、ニューロテック、研究受託