「EcoNiPass」は、ユーザー企業やそのサプライヤーがエネルギー使用量等を入力し、クラウドサービス上でCO2排出量を自動集計・可視化するサービスです。サプライチェーンのCO2排出量の把握と、削減施策の検討を支援するサービスとして提供しています。
今回提供開発する「CFP 算定オプション」は、製品や製造設備単位でのCO2排出量の可視化を可能とし、カーボンフットプリント(CFP ※1)に対応できるよう「EcoNiPass」のオプション機能として開発されました。
■背景
2050 年カーボンニュートラルの実現へ向け、取り組みが加速するなか、企業はサプライチェーン全体における各種CO2排出量の算定・開示を求められています。(※2)
その中でも、製品・サービスの評価指標として、製品・サービスあたりのCO2 排出量であるCFP の算定・開示を求める動きが広がっています。国際的にもCFP に着目したイニシアティブが動き出しており(※3)、国内産業においても、国際競争力の維持のためには、CFP の算定・開示、および削減が喫緊の課題になっています。また、CFP の算定にあたってはサプライチェーンに属する全ての企業が算定し、企業間で報告・集計を行う必要があるため、サプライチェーン全体で多大な業務負荷となることが想定されています。
そこで鈴与商事と当社は、CFP 算定に関わる業務負荷の軽減を主目的として「EcoNiPass」のオプション機能の提供開始にいたりました。
■「CFP 算定オプション」について
名称 |
CFP 算定オプション |
機能 |
・生産量、設備ごとのエネルギー使用量等を入力することで、自社の事業活動における製品別CO2 排出量(CFP)、設備別のCO2 排出量を算定・可視化。 ・サプライヤーから部品、原材料にかかるCO2 排出量データを受け取ることで、部品・原材料も含めたCFP の算出も可能。 ・サプライヤーがEcoNiPass を使用していればシステム連携することで、サプライヤーの部品や原材料にかかるデータの共有が可能。(※4) |
効果 |
・完成品メーカー、取引先からのCFP の情報提供に工数を掛けずに迅速に応じることができる。 ・当社独自ノウハウにより、生産プロセスにおけるCO2 排出量のホットスポット(ボトルネック)を顕在化させ、課題を明確にできる。 ・サプライチェーン上の各企業がCFP を算定・共有することで、製品のサプライチェーンにおける排出量がより具体的になり、各企業間で連携した排出削減対策の実施が可能になる。 ・サプライヤーと共通のプラットフォームを使用することで、CO2 排出量算出の業務負荷の軽減が見込める。 |
価格 |
個別見積(算定する製品数や対象設備により変動します) |
提供開始日 |
2023年7月3日(月) |
■EcoNiPassについて
https://www.wingarc.com/solution/econipass/
※1 原材料の調達、生産、流通、販売、輸送、廃棄・リサイクルといった製品のライフサイクルの各段階におけるCO2 排出量相当に換算したもの。(ISO14067(2018)ご参照)(ISO14067(2018)の定義は、「気候変動への影響に関するライフサイクルアセスメント(LCA)に基づき、当該製品システムにおけるGHG の排出量から除去・吸収量を除いた値を、CO2 産出量相当に換算したもの」とある)
※2 サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けたカーボンフットプリントの算定・検証等に関する検討会「カーボンフットプリント レポート」(2023 年3 月)のP3、1-1
※3 CFP に取り組んでいる企業は、ISO14067:2018、GHG Protocol Product standard のどちらかを参照しており、日本ではISO14067:2018 を参照する事業者が多い。最近は、補完する算定ルールの1つにWorld Business Council for Sustinable Development(WBCSD)が作成したPathFinder Framework が登場し、原則的には1 次データを利用し、できない場合の2 次データの利用も排除されないとしている。また、1 次データは自身より一つ上流のサプライヤーから提出を求め、サプライチェーンを一段階ずつ遡ることで可能な限り正確な1 次データの積み重ねを目指している。
※4 サプライヤーにもEcoNiPass をご利用いただき、オプション機能を追加契約していただく必要があります。