建設現場の鉄筋結束作業 約8割をロボットの遠隔操作で置き換え成功!

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西日本電信電話株式会社(代表取締役社長:森林 正彰、以下、NTT 西日本)、建ロボテック株式会社(代表取締役社長兼 CEO:眞部 達也、以下、建ロボテック)は、建設現場の労働力不足の解決をめざし、2022 年 9 月※1 から建設ロボットの遠隔操作・オペレーション支援環境構築に向けた実証実験を行ないました。このテスト環境での実証実験を踏まえて、この度、実際の建設現場において、建設未経験者によるロボット遠隔操作で、現場技術者の鉄筋結束作業の約8割をロボットに置き換えることに成功しました。実際の建設現場でのロボットによる鉄筋結束作業は日本で初めてとなります。※2

1. 背景・目的 

 超高齢化と少子化の課題先進国である日本において、人手不足は深刻な状況にあり、特に地域経済を支える建設 や農林水産業、介護などの現場において魅力的な職場環境への転換は急務で、ロボットの活用が期待されています。 中でも建設業界は、猛暑や極寒等の厳しい天候への対応や、中腰姿勢等の無理な体勢よる健康被害の防止、危険作業への対応などの労働環境の諸課題があり、ただでさえ不足している現場技術者不足をより深刻にしています。

 このような状況に対し、NTT 西日本と建ロボテックはすでに現場導入が進んでいる鉄筋結束ロボット 『トモロボ※3』を利用し、現状の現場作業の課題を解決するべく、

 ① 遠隔操作による現場技術者の負荷低減

 ② 簡単なGUI※4 により、誰でも業務ができる環境構築

 をめざし、『トモロボ』に遠隔操作システムを機能追加する開発をすすめました。

 また、今回の実証実験は、NTT 西日本の旧本社ビル跡地の建て替え現場にて実施し、操作の実用性や現場評価について検証を行いました。

2. 実証実験の内容 

(1)実施日

   2023 年5月2日(火)、2023 年5月8日(月)

(2)実施場所

   建設現場 : NTT 西日本 旧本社ビル 建て替え現場(大阪府大阪市中央区馬場町 3-15)

   遠隔操作 : 建ロボテック 本社ビル(香川県木田郡三木町大字上高岡246番地2)

(3)実施内容

    ①「どこでも」操作できる遠隔操作システムの開発 

    ・ロボットに搭載されたカメラ映像を見ながら、ロボットを遠隔操作・制御

    ・ロボットの稼働に関するステータス情報(例:作業量(結束数)、移動履歴、バッテリー残量)

     をクラウドにアップロードし、遠隔操作者が現場技術者と同等に状況把握

    ②「誰でも」操作できる簡単な操作画面(GUI)の開発

    ・トモロボに設置した合計 6 カ所のカメラによる現場状況の把握

    ・進行方向の決定や発進等の基本指示を出した後は、ロボット自体が自走する簡易な操作性

3. 実証実験の結果 

 実証実験成果 : 現場技術者による鉄筋結束作業の 80%をロボットへ置き換えに成功

         (トモロボによる削減効果 約 50%、遠隔操作による削減効果 約 30%)

 今回のロボットとその遠隔操作による現場作業削減により、鉄筋結束作業に関わる現場技術者の稼働

 は、約 20%に抑えることができ、より高度な業務に従事可能となりました。

4. 今後について 

 NTT 西日本は、本実証実験の結果を踏まえ、実際の建設現場の課題に向き合う鉄筋事業者様と共に、 日本の建設現場の様々な環境に適応したサービスの具体化検討を実施していきます。

 また、上記にあたり、共に建設現場のロボットによる課題解決に向き合うディベロッパー様、鉄筋事業者様を広く募集いたし、早期の社会実装をめざします。

※1  2022 年 9 月 29 日ロボットの遠隔操作・オペレーション支援環境構築に向けた共同実証実験を開始~2030 年に 130 万人の建設技術労働者が不足する社会課題解決への挑戦~ https://www.ntt-west.co.jp/news/2209/220929a.html

※2  建ロボテック調べ。建設現場になじみのない建設作業未経験者による鉄筋結束ロボットの遠隔操作で、現場技術者の鉄筋結束作業の過半をロボットに置き換えることに成功したケースを調査

※3  建ロボテックが開発した自走型協働ロボット

建設現場の生産性向上と作業者の負担軽減を目的とした、人とともに働き、土間や鉄筋コンクリート製の床などの単純な結束作業から職人を解放し、より高度な作業への注力を可能にする「職人力発揮ツール」として現場を支える

※4  Graphical User Interface の略語。ユーザーの使いやすさを重視し、アイコンやボタンなどを用いて直感的にわかりやすくコンピューターに指令を出せるようにしたユーザーインターフェース

※5 水平でかぶり 50 ㎜以上、壁や段差を避けた範囲

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