神戸市は、データやセンサー技術等の先端技術を活用して、市民や地域が抱える様々な課題を解決し、市民の暮らしの質や利便性の向上を図る「スマートシティ」の推進に取り組んでいます。その一環として、市民へのサービスの実証、展開を支援する「Be Smart KOBEプロジェクト(以下:本事業)」として、スマートシティのまちづくりにつながる事業提案、事業アイデアの公募を実施し、このたび、選定委員会による選考の結果、事業実施候補者4事業者の1社として、harmo株式会社が選定されました。
本事業では「電子お薬手帳での市民と薬局の連携強化による健康増進施策」として、電子お薬手帳サービス「harmo(ハルモ)おくすり手帳」を活用し、かかりつけ薬剤師の認知度向上および対象患者との導線を作ることが可能かについて実証試験を行います。
市民の健康増進に向けて薬を適切に服用することは基本となりますが、実際には服薬遵守率の改善が必要とされる場合も多くあります。厚生労働省は全ての薬局での「かかりつけ機能」の普及を目指していますが、内閣府が令和2年度に実施した世論調査によると、かかりつけ薬剤師の患者への浸透度合はあまり高くはありません。
(出典:内閣府 令和2年実施「薬局の利用に関する世論調査」)
このような現状を踏まえ、本事業を通じて、PHR(Personal Health Record)による市民とかかりつけ薬剤師の接点強化を推進することで、市のヘルスケア基盤の醸成を目指します。具体的には、harmoチャネルを活用し、市民の服薬治療の困りごとの見える化と、かかりつけ薬剤師の認知度向上を行う事で、困りごとを抱える患者と薬剤師が接する導線作りを神戸市および神戸市薬剤師会と共に実施する計画です。
「harmoおくすり手帳」は、これまでに患者の正確な処方歴データ(PHR)を薬剤師と共有できるプラットフォームとしてのサービスを提供してきました。今後も、より一層、患者と薬剤師の活発なコミュニケーションを実現するべく、本事業を推進していきます。
これらの取り組みにより、薬局および市民の接点が強化されることで、地域の健康拠点としての薬局の意義がさらに高まることが期待されます。本事業を通じて、多様な企業との連携を強化しながら、市民の健康増進に向けた施策を継続的に展開し、神戸スマートシティの発展に貢献して参ります。
■harmoについて
harmo(ハルモ)は、個々人の医療・健康情報を個人やご家族が活用可能な「harmoおくすり手帳」や「harmoワクチンケア」を開発・提供しています。
「harmoおくすり手帳」はスマートフォンアプリケーションおよび専用ICカードを合わせ約44万人の利用者を擁し(2023年5月現在)、全国2万軒以上の薬局で利用実績があります。「harmoワクチンケア」は、予防接種の接種間違いを未然に防ぐための予防接種情報管理の必要性が注目されている中、簡単にワクチン接種情報を記録・管理するだけでなく、接種間違い防止や長期的な個別のアフターフォローが可能です。現在、川崎市川崎区においては、小児のワクチン接種を行う全32の内科・小児科にharmoワクチンケアが設置され、多数の接種間違いを未然に防止した実績があります。harmoシリーズを提供することにより、生活者一人ひとりの健康価値の向上に貢献しています。https://www.harmo.biz/
■harmoの神戸市での実績について
2016年に締結した神戸市および神戸市薬剤師会との三者協定により、harmoおくすり手帳の普及が進んでいます。神戸市では、2023年5月時点で、162薬局、19医療機関、約7.7万人の方が本サービスを利用しています。
■シミックグループについて
シミック(CMIC)は、1992年に日本で初めてCRO(医薬品開発支援)事業を開始し、今では開発から製造、営業・マーケティングまでの医薬品に関する総合的な支援業務を提供しています。製薬・バイオテクノロジー・医療機器等の海外企業の日本市場参入や、アジアでの臨床試験実施、米国と日本における医薬品開発および製造のサポートなども展開しています。また、シミックは個人や自治体を支援する新しいヘルスケアソリューションを提供しており、製薬企業のバリューチェーンを全面的に支援する豊富な経験と実績を基盤として、“個々人の健康価値を最大化”する事業モデルPHVC(”Personal Health Value Creator”)の展開を目指しています。シミックグループは、世界中に7,500人を超える従業員とグループ会社27社を擁しています。詳しくはウェブサイトをご覧ください。https://www.cmicgroup.com