ABEMA Primeに代表岡部が登壇、ステーブルコイン業界での取り組みや今後の動向を解説。

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日本円連動ステーブルコイン『JPYC』を取り扱うJPYC株式会社(東京都千代田区、代表取締役:岡部 典孝)は、2023年6月2日(金)21時から放送された「ABEMA Prime」に出演いたしました。6月1日に施行された改正資金決済法により発行可能となったステーブルコインについて、2チャンネル創設者「ひろゆき」こと西村博之氏や番組出演者と弊社代表の岡部が生放送で対談いたしました。

番組概要

「ABEMA Prime」

キャッチコピーは「みんなでしゃべるとニュースはおもしろい」。これまでの常識や価値観が大きく変わる中、今の時代らしい新しいネット言論に挑戦します。レギュラーメンバーは総勢61 人。司会進行は、平石直之アナです。

番組ホームページ:https://news-prime.abema.tv/

番組詳細(見逃した方はこちらからご覧になれます)

テーマ:「動き出す日本のステーブルコイン」

【ステーブルコイン】PayPayとどう違う?ブロックチェーンは安全?マネーロンダリング対策は?|アベプラ
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今回、番組に出演した背景

この度、ABEMA Primeにおいて出演することで弊社の事業について詳細に説明いたしました。この出演は、弊社が取り組んでいる革新的な取り組みや成果を知っていただける機会となりました。また、番組への出演は弊社の成長とステーブルコイン業界内でのリーダーシップの一環として位置付けられます。今後も弊社は顧客のニーズに応えられる高品質なサービスを提供することに注力してまいります。

さらに、番組内では、弊社のステーブルコイン事業に関するいくつかの重要な質問にも回答しました。

以下にいくつかのQAをご紹介します。

1.ステーブルコイン全般について

Q:ステーブルコインとは?

A:ブロックチェーン上で発行され、法定通貨と価値が連動するように設計されたコインです。USドルのステーブルコインであるUSDTやUSDCが有名で現在15兆円以上流通しています。 日本では6月1日から改正法が施行され電子決済手段という正式名称になりました。電子決済手段という言葉は、なじみが無いため、「狭義のステーブルコイン」と言っています。「広義のステーブルコイン」という場合は暗号資産のことを指します。1コイン約1円になる設計になる暗号資産を含みます。

Q:広義のステーブルコイン、狭義のステーブルコインとは?

A:広義のステーブルコインとは、1ポイント=大体1円になるように設計されているコインのことを指します。 また、狭義でのステーブルコインとは、今回の資金決済法によって定められた要件を満たしている電子決済手段に該当するステーブルコインであることを指します。

Q:ステーブルコインの想定される使われ方を教えてください。

A:個人では、NFT取引やブロックチェーンゲームなどブロックチェーン上の商品決済に使用される想定です。 企業間の取引は、毎年1000兆円以上あります。その一部をブロックチェーンとステーブルコインにて自動化し、権利の引き渡しと代金の支払いを同時に行うことができるステーブルコインの強みを活かした使われ方を想定しています。

また、資金効率や資本効率を非常に高めることができる可能性があります。 ステーブルコインはプログラムされたお金なので、自動取引や自動決済ととても相性が良いです。また、国際規格を統一することによって送金手数料を減らし、会計や税務を自動化し省力化できる可能性があります。特に国境を跨ぐような決済でその効果を発揮します。

Q:ステーブルコインと〇〇Payとの違いとは?

A:ステーブルコインとポイントとの大きな違いは、プログラムで取引を実行できることです。 〇〇Payは入金するまで時間がかかりますが、ステーブルコインは受け取ってからすぐに使うことができるようになります。また、取引手数料が安く済みます。 

JPYCはウォレットアドレスごとに取引のデータが見えているので、各事業者ごとに斡旋していた情報がオープンになります。また、取引情報を隠すことは技術的に可能ですが、取引を隠せるステーブルコインは今まで認められてきませんでした。しかし、法改正後それが政府から認められ、民間の事業者でもステーブルコインが発行することができるようになります。 〇〇Payと違い、加盟店以外でもJPYCが使えるようになります。

Q:ステーブルコインはどういった場面で使われますか?

A:貿易・為替の観点では、各国のステーブルコインと同じ規格で作られているため、手数料がかかりません。そのため、貿易などといった為替にかかわる事業で幅広く利用されることが想定されます。

Q:海外のステーブルコインと日本円のコインの関係性を教えてください。

A:ほぼ0に近い手数料で即時送金かつ非常に安い手数料で両替ができます。多国籍企業にとってはとても便利になると思います。

Q:ステーブルコインの話は先端過ぎて分かりづらいです。

A:法律的にも細かい定義がなされており、概念としてもとても分かりにくいものだと思いますが、一般に利用される際にはブロックチェーン上のステーブルコインであることを意識せずに利用できるUXとなることが必要不可欠だと考えています。

2.日本のステーブルコイン業界について

Q:日本政府はなぜステーブルコインに力を入れているのか?

A:政府としては、バランスの良い規制のもと、世界から日本にお金を集められるのではないのかといった策略があります。 安全で効率的で利便性が高い資金決済を実現するのが法令の目的です。しかし、最近では特殊詐欺の横行、銀行の振込手数料が1000円近くまで上がる、海外送金の利便性が低い等、既存の銀行決済での限界が明らかになってきています。ステーブルコインは安全で効率的で利便性が高い決済のイノベーションに繋がるのではないかという期待があります。 昨年Web3、NFTが日本の国家戦略になりました。 しかし、企業が暗号資産を持てなかったり、利用者が会計税務で手間がかかりすぎたりするなど、そもそも日本円ステーブルコインが無いと国家戦略のスタートラインに立てないのではないかという懸念が生じたため、注力するようになったと理解しています。

Q:日本のステーブルコインは誰が発行できるのでしょうか?銀行は発行できますか?

A:銀行等の預貯金取扱金融機関(信用組合や農協等)・特定信託会社・資金移動業者も電子決済手段を発行可能です。しかし、 ステーブルコインと聞いて一般的に想像するパーミッションレスなステーブルコインの発行を預貯金取扱金融機関や特定信託会社で行うことは現状の法制化では難しいです。まずは資金移動業者がステーブルコインの発行を先行し、行うことになりそうです。

Q:コイン発行を担保する資産(法定通貨)はどのように管理されるのしょうか?

A:資金移動業ステーブルコインでは100%の裏付け資産を円もしくは国債等で法務局に供託することが義務付けられています。仮に発行事業者が破綻してもお金は戻ることが期待されます。 一方、銀行は裏付資産なくステーブルコインを発行できるため、銀行が破綻した際には戻らない可能性が高いです。 特定信託会社での発行は中間の性質で銀行預金を裏付にするため、銀行が破綻した際には影響を強く受けます。

Q:多くの発行事業者が乱立する可能性はないのでしょうか?

A:可能性はあります。その場合もブロックチェーンの規格が揃っていれば相互運用が可能であるため、大きな問題は起こらないと思われます。 しかし、各社がバラバラの規格で発行をしたり、国際規格に則らない規格で発行すると、 ブロックチェーンを利用した決済手段の意味が薄れる可能性もあり、強く危惧しています。

Q:日本がグローバルスタンダードを握るためには、どうするべきなのか?

A:金融庁はステーブルコインについて最も先進的かつ実用的なバランスの良い法整備を行いました。日本で世界中の国の法定通貨と紐づいたステーブルコインを発行することがスタンダードになれば、日本が金融マーケットやWeb3経済圏の中心となることも可能になります。 一方で税金や会計、監査等まだ十分整備されていない部分もあるため、世界中の事業者が日本に集まりやすくなる環境を作る為に、政官民連携していく必要があります。

Q:ガラバゴス化の懸念はありますか?

A:パブリックチェーンといわれる、全ての人が使用できるブロックチェーンであれば規格は統一されると思います。JPYCの株主であるCircle社とCoinbase社(暗号資産取引所)は、デファクトスタンダード規格を出しています。 一方でプライベートチェーンと言われる企業独自のチェーンであれば独自規格になる傾向があります。 規制上、銀行はプライベートチェーンで発行することが予想されるため、JPYCは世界標準規格のステーブルコインと日本独自規格のステーブルコインを繋げる橋渡しを行っていきたいとも考えています。 JPYCによって、ガラパゴス化の影響も最小限に留めることができます。

Q:今後発行されるステーブルコインは分散型ですか?ビットコインやCBDCとの違いを教えてください。

A:広義のステーブルコインは、中央集権的、分散的なステーブルコインのどちらも含んでいます。しかし、法改正後は、ライセンスを取った事業者のみ発行できるため、分散型ステーブルコインは認められなくなりました。

Q:ステーブルコインの価格変動リスクは?

A:狭義のステーブルコインは国に認められた事業者しか発行できないので極めて安全性は高く、価格変動リスクは無いといえます。常に1ポイント=1円で償還できることが法律で定められており、資金移動業の場合は100%を法務局に供託しているのでいるため、たとえ発行体が倒産したとしても償還が保障されています。

Q:ステーブルコインの預金保証はありますか?

A:資金移動業の場合は100%を法務局に供託することが定められており、預金保証があると言えます。一方で銀行は、裏付資産なくステーブルコインを発行できるため、発行体である銀行が破綻した場合は可能性がお金が返ってこなくなる可能性があります。相次いで海外の銀行が破綻し、銀行の安全性について疑問視されているなか、銀行系ステーブルコインが裏付資産なく発行されている場合は、保証されているとは言い難いと考えます。

Q:スタートアップ企業としてステーブルコインを発行する意味を教えて下さい。

A:長期的には銀行はライバルになりますが、今回の改正では、銀行がステーブルコインを発行するには厳しい内容でした。行政としては、まずは資金移動業者のスタートアップに一旦取り組ませ、それが上手くいったら規制を緩め銀行にも発行させていく方針だと考えています。現状の法律では、銀行発行のステーブルコインではKYCをした口座間しか資金を移動できない制限があるため、「ステーブルコイン」の意味が薄れてしまいます。結果的に、スタートアップに有利な法改正がされたと言えます。

3.JPYCについて

Q:今回の資金決済法改正でステーブルコインの発行が解禁されたという認識ですが、すでに発行されているJPYCは一体どのようなものですか?

A:現在発行されているJPYCは法的には自家型前払式手段で発行しています。現在は第三者型前払式支払手段登録を完了しています。プリペイド方式であれば払戻は原則行わないことを前提に発行は可能です。

Q:今回の法改正でJPYCとして変わるところを教えてください。今後は、取引所でJPYCの取引が可能になりますか?

A:施行から2年間は現在発行されているJPYCのままです。資金移動業登録を行えば新しいJPYCを発行して日本円に戻すことができるようになり、一気に利用者が広がると考えています。 また、電子決済手段等取引業登録を行うと、取引所でUSDC等の海外ステーブルコインとも交換できるようになり、利便性が高まることが期待されています。 例えば、JPYCを持っている人は、海外でそれをUSDCとして決済に使えたり、USDCを持って日本に来たらJPYCとして決済に使えるようになると思います。 ステーブルコインを使えば、海外送金や両替の手数料が劇的に安くなると考えています。

Q:現状のJPYCを購入できるところは、弊社のHPのみですか?

A:JPYCは弊社のWebページからのみ購入できます。購入には、銀行口座と仮想通貨ウォレットが必要になります。

Q:現状のJPYCは、利用者同士の送金は可能ですか?

A:現状送金は認められておらず、送金ではなく残高の譲渡ができます。アマゾンギフト券を想像していただくとわかりやすいと思います。 法改正後(資金移動業登録後)は、資金移動業登録後はメタマスク等の仮想通貨ウォレット間で送金可能となります。

Q:既に発行されているJPYCと、今後発行されるJPYCの違いを教えてください。

A:今まで発行したJPYCは広義のステーブルコインであり、狭い意味でのステーブルコインではありませんでした。円にいつでも戻せる預金と近いステーブルコインは法律上発行することができませんでしたが、法改正後は、必要なライセンスを取れば狭義のステーブルコインが発行できるようになります。 今まではプリペイド式のJPYCを発行していました。

Q:JPYCのビジネスモデルを教えてください。

A:今後、電子決済手段としてのステーブルコインを発行し、その裏付け資産として国債を購入し、その運用益と、JPYCの技術を利用した関連事業の手数料収入などが収益となります。

Q:日本銀行や地方銀行がJPYC社の競合になるのでしょうか?

A:現状の法制度の下では、銀行がステーブルコインを発行することは大変難しいです。銀行発行のステーブルコインには本人確認された口座間でしか送金できないという規制があります。したがって、スタートアップのステーブルコイン発行に関しては今がチャンスだと考えています。また、地銀は大きな支店でしか海外送金ができないことがありますが、ステーブルコインがあることで海外送金がどこでも可能になり、その地域の活性化に繋がる可能性もあります。

Q:決済手数料の値下げ競争が起きたら、事業の利益はとれるのでしょうか?

A:決済手数料や、送金手数料などの手数料収入での収益化はあまり考えておらず、基本的には、薄利多売での利益追求だと考えています。 アメリカのステーブルコイン市場の規模は15兆円あり、日本はアメリカの1/10程度の市場規模があるため、日本円ステーブルコインも1.5兆円ほどのマーケットがあるのではないかと予想され、その運用益も大きくなります。

Q:ステーブルコインは大口向けか小口向けの話なのか分かりにくいです。

A:まずは小規模なところから発展させる方向で考えています。お店で使える小口決算では、薄利多売の事業収益モデルのため利益が取りづらいです。将来的には企業間決済などで大口利用されることで発行額を伸ばしていくことによりJPYC社の収益増大を期待しています。

4.不正利用対策などの課題

Q:今後のステーブルコイン業界の課題は?

A:ブロックチェーンの知見を持ち合わせていないユーザーでも、ストレスなくステーブルコインを管理するための利用しやすいウォレットがユーザーに必要になってくると考えられます。具体的には、電子決済手段のPayPayのようにユーザーフレンドリーなUX設計が組み込まれているウォレットが必要になります。 また、日本の税制は複雑ゆえに、税金の計算が非常に複雑です。

Q:詐欺などの不正利用にはどう対応していますか?

A:実際にJPYCにも不正振込はあり、マネロン対策のへのコストを上げ、対策しています。JPYCはプログラムによって不正に対処するプログラムが備わっています。詳しくはこちらをご覧ください。https://blog.jpyc.jp/jpycv2-feature

Q:詐欺資金に仮想通貨が頻繁に使われている実態がありますが、どのように対応しますか?

A:詳細は言えないものの、不正利用にはやはりパターンのようなものもあり、現状はある程度マンパワーで怪しいデータを見張って食い止めている状態です。警察などとも情報のやり取りを行い、不正対策にはかなりのコストをかけています。JPYCの購入は銀行振込を利用しているが、銀行の方が怪しい送金を通してしまっている、とも言える。

Q:北朝鮮による暗号資産のハッキングが起こりましたが、これにはどう対応しますか?

A:USDCは5兆円ほど発行しているが、未だハッキングの被害はありません。JPYCもUSDCと同じ規格を使っています。万一ハッキングされた場合は、ネットワーク全体を一度止めたり、ブラックリスト制度を使う機能をスマートコントラクト上に実装し、対策をする予定です。ハッキング被害に遭いやすい暗号資産は、そもそも中央集権的な管理者がいない、上記の機能を個別に組み込んでいないなどの理由で防ぐことができないものも多いのが現状です。

Q:ハッキングが行われた場合、ステーブルコインはどのように対応しますか?

A:万一ハッキングされた場合は、ネットワーク全体を一旦止めたり、ブラックリスト制度を使うプログラムで対処する予定です。 世界中のステーブルコインの規格が同じになれば、マネロンや詐欺といった不正に利用されるコインを追跡し、差し押さえることができます。USDCの発行元であるCircleとCoinbaseが提唱するステーブルコインの世界標準規格”Centre.io”はそれを目指していて、JPYCもそれに賛同しています。スマートコントラクト上でマネロンに使用されたお金を止める権限を作ることができます。法律上、ステーブルコインにはそれを必ず入れなければならないものになっています。つまり、現在の法制化のステーブルコインは半官半民の形を取っています。また、将来的にはAIを駆使し分析を行うことで、当局よりも先に止めてしまうような仕組みも視野に入れています。

Q:担当者がウォレットのパスワードを忘れてしまった場合はどうなりますか?

A:複数人でパスワードをカバーするマルチシグウォレットと呼ばれるものを導入予定です。これは万一、パスワードを管理する一人がパスワードを忘れた場合も送金が滞りなくできるような仕組みです。またGoogleアカウントと連動させることで、ウォレットを復元できるような機能を提供しているウォレットもあります。

◾️JPYC株式会社について
JPYC株式会社は、日本円ステーブルコインであるJPYCの開発運営を行っています。JPYCは、資金決済法に準拠し、第三者型前払式支払手段として発行されています。技術的には暗号資産と同様の性格を持ちながら、法律的には日本法に対して完全にクリアになっています。現在、JPYCは、EthereumやPolygonをはじめとする様々なパブリックブロックチェーン上で発行されています。

◾️会社概要
・会社名  :JPYC株式会社
・代表者  :代表取締役 岡部 典孝
・所在地  :東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル4階 FINOLAB内
・設立   :2019年11月
・事業内容 :ERC20前払式⽀払⼿段の発⾏、NFT等ブロックチェーン全般に関するコンサルティング
・加入団体 :一般社団法人 日本資金決済業協会 第一種会員
         一般社団法人 ブロックチェーン推進協会(BCCC)会員
         一般社団法人 Fintech協会 ベンチャー会員
         デジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)
・監査法人 :あかり監査法人
・URL       :https://jpyc.co.jp/
・Twitter   :https://twitter.com/jcam_official

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