昨今の電力事情の影響を受けて、消費者にとっては電力不足に備える蓄電池の利用が重要視されつつあります。また、スマートフォンなど個人で持つ電子機器の普及により、コンセント位置に左右されずどこでも端末に充電できることの需要が高まっています。電力の安定的・継続的な利用は、平常時だけでなく避難が必要な非常時にも重要であることから、本実証において自治体における蓄電池の平時利用と災害時想定利用の両面で利便性を検証します。
2.実証実験について
(1)目的
ワイヤレス充電により安心・安全に利用可能な親子型蓄電池を庁舎・図書館に設置し、利用者に電源貸し出しを行い、どの程度、建物の電源設備への負荷が低減されるか、また、公共施設の利便性が向上するかの実証実験を行います。
(2)実証方法
今回、NTT-ATが「非常用電源ステーション」を親子型蓄電池として準備し、それを利用して実証実験を行います。本製品は、親機と子機で構成されるリチウムイオン蓄電池であり、ポータブル電源として利用できる子機をラックから取り出して電源貸し出しを行います。
(3)実証内容
①電源ステーションとしての平時利用の効果測定
・親機のAC100V出力(蓄電池に貯めた電力)を利用することで、施設開放時の建物の電源設備への負荷が低減されるか調査を行います。
・庁舎・図書館内の電源コンセントの無いエリアで、施設利用者が電源を利用できるように子機(ポータブル電源)の貸し出しを行います。
・NTT-ATが施設の利便性向上についてのアンケート調査を行い、調査結果を取りまとめて小布施町に報告します。
②災害想定時利用の効果測定
・災害時の避難所生活における電源利用を想定し、自宅での利用を目的として子機(ポータブル電源)の貸し出しを行います。
・NTT-ATが家庭生活における蓄電池の有効性や安全性、課題についてのアンケート調査を行い、調査結果を取りまとめて小布施町に報告します。
(4)実証期間
2022年5月18日(水)~ 2022年7月29日(金)
(5)主な実証実験の実施場所
小布施町庁舎食堂、小布施町図書館
3.実証実験後の取り組みについて
小布施町とNTT-ATは、今回の実証実験により得られた結果を基に、平時の公共施設の利便性向上、災害時の避難所の生活改善の向上などへの貢献を目指すとともに、カーボンニュートラルに向けた取り組みにつなげていきます。