【24卒】高校新卒採用についての企業動向調査(2023年4月)

この記事は約14分で読めます。
「夢は、18才からはじまる。」をスローガンに、高校生の就職とキャリア教育、採用育成の支援を行う株式会社ジンジブ(本社:大阪府大阪市、代表取締役:佐々木 満秀 以下「ジンジブ」)は、新卒採用担当者向けに2024年卒の採用募集人員の増減や採用の課題感、賃金状況に関する実態を調査すべくアンケートを実施いたしましたのでご報告いたします。
(調査期間:2023年4月14日~4月20日、有効回答数:593人、うち高卒採用実施は297人)

調査結果サマリー

  • 24卒高卒採用の募集人数「増やす」「変動なし」「新たに始める・再開する」が88.5%。

    昨年同アンケートと比較して4.2%増加。理由は「若手人材の採用に力を入れるため」。

  • 高卒採用において、約70%の企業がミスマッチを感じると回答。

  • 24卒高卒採用で初任給賃上げは53.5%が実施予定。理由は「物価上昇」、「高卒採用の応募を増やすため」。 

アンケート結果全体

2024卒の高卒採用求人において募集人数を「増やす」「変動なし」「新たに始める・再開する」とした企業が88.5%となりました。昨年同アンケートから4.2ポイント増加し今年度も求人数の高まりが予測されます。高卒採用を行う理由としては、「若手人材の層を厚くする」が70.4%で最も多く、次いで「人材不足」が50.8%となっています。これは、人事課題に関する設問でも若手採用が1位だったことからも新卒採用そのものへの注力が進んでいることが分かります。また17.8%の企業が「高卒人材のイメージが変わったため」と回答しており、大学生だけでなく高校生へ目が多く向けられていることが分かります。一方で、高卒採用を行わない理由の1位は「高卒人材が自社にあわない」でした。また2位の「受け入れ体制が整っていない」、3位の「高卒採用を導入したことがない」の他に、「採用手法がわからない」という回答もあり、注目度が高まっている中においても、企業にとっては大卒採用に比べてまだなじみの薄い採用手法であると言えます。

定着においては、採用時のミスマッチが「よく起きている」「まれに起きている」 と回答する企業が67.6%存在しています。採用活動時のミスマッチを減らすために、インターンシップや職場見学などを通じ、企業が自社をアピールするために高校生と直接接点を求める声が多く見られます。

また、2024卒の高卒採用では53.5%の企業が物価の上昇や若手の採用難に伴い初任給の賃上げの実施を予定しています。

 これらのことから、高卒採用を行う企業は、求人倍率が過去最高となる現在、高校教員や高校生に対して企業や仕事の魅力を伝えるアピール力や従来にとらわれない採用手法を検討が求められます。さらに入社後のキャリアアップを実現する入社後の育成施策、賃金水準などの総合的な人事施策についての検討と改善を行い、自社の採用競争力をより一層向上させる必要があると言えます。

● 24卒の高校新卒の採用計画にて昨年と比較し求人募集人数の増減はありますか。(n=297)

  • アンケート結果と24卒高卒採用動向について

●24年卒の高卒採用意欲について 

本アンケート調査によると、2024卒の高卒採用求人では募集人数を「増やす」「変動なし」「新たに始める・再開する」とした企業が88.5%でした。昨年同アンケートから4.2ポイント増加しました。 高卒採用を行う理由としては、「若手人材の層を厚くする」が70.4%、「人材不足」が50.8%で上位になっており、企業の若手人材不足の深刻さが見て取れます。また、「多様な生徒の採用活動を行いたいため」 「高卒人材のイメージが変わったから」という回答も上位にあり、企業の採用ルートの多様化の中で、改めて高校生の可能性にフォーカスされていることもわかります。

一方で、高卒採用を行わない理由においては、「高卒採用を導入したことがない」「採用手法がわからない」という回答からは認知度向上にまだ予知があることや、「受け入れ体制が整っていない」 や「過去に採用したが定着しなかった」という回答からは、18歳という超若手に対する企業の受入体制に悩みを抱えていることが考えられます。採用手法として高卒採用がフォーカスされている一方で、導入のハードルとして採用後の活躍をどう実現するかに課題があると言えます。

●高卒採用におけるミスマッチ

入社前段階でのミスマッチが「よく起きている」「まれに起きている」 と回答が合わせて67.5%でした。また、ミスマッチを減らすための施策として、「高校生との接点を増やす」「仕事内容を詳しく紹介する」「実際の現場を見てもらう」「インターンシップ」が上位に挙がっていることからも、自社の仕事内容や魅力を伝える場が乏しく、実際に高校生に伝えたいと考える企業が多いと推察されます。

 また、入社後のミスマッチが「よく起きている」「まれに起きている」 の回答は合わせて65.2%となりました。ミスマッチを防ぐ取り組みとして、社内でのコミュニケーションや同期形成、悩み相談の仕組みなどのフォローアップ施策とともに、目標の明確化や研修教育体制・キャリアアップがあげられており、企業活発化に伴う若手人材採用の注力の裏側で、入社後における若手の戦力化に課題を持つ企業が多いことが推察されます。

●人事の感じる課題感

従来の高卒採用活動の手法において、従来と変わらず「いかに企業や仕事の魅力をアピールするか」「入社後の早期離職」という課題を抱えている企業が多いことが見て取れます。これは、前述した「高卒採用のおけるミスマッチ」「入社後のミスマッチ」と同様の課題と言えそうです。

●高卒求人の賃金状況

2023年卒の高卒求人で賃上げを行った企業は半数以上の56.7%、2024卒で賃上げを行う予定の企業は 53.5% でした。ただし、経営戦略やモチベーション向上施策としての賃金上昇とともに、「最低賃金の引上げ」という理由が半数を超えていることから、高卒求人の賃金水準がまだ最低賃金レベルにある企業が多くあることが見て取れます。高卒採用が注目されればされるほど、企業の採用力が求められます。企業は、企業や仕事の魅力を伝えるアピール力だけでなく、賃金水準や入社後の育成などの総合的な人事施策をもって企業採用力の向上を図っていく必要があります。

  • 調査背景

2024年3月卒の大卒求人倍率は1.71倍と2023年卒の1.58倍から0.13ポイント上昇し、コロナ禍前水準に戻りました。特に前年は採用拡大に慎重だった従業員300名未満の企業において今年は6.19倍と採用意欲が回復しています。(※1)2023年3月卒の高卒求人倍率においては、3.49倍と大卒よりも高く、計測を始めた1998年卒以来最高となるなど、総じて若年層の人材獲得は容易ではありません。(※2)加えて、地方においては行政主導でのUIJターン採用活動等も活発化してきており、都市部に限らず全国的に企業の新卒採用への採用意欲は高まっています。大卒以上に採用意欲の高まりが上がっている高卒採用の2024年卒の採用動向について調査を行いました。

※1 株式会社リクルート「第40回 ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒)」

※2 厚生労働省発表「令和4年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(令和5年3月末現在)」

  • 調査概要

【調査期間】 1.2023年4月14日~4月16日  2.2022年4月14日~4月20日

【調査方法】 1.インターネット調査法  2.メールによるアンケート回収

【調査対象】 企業の新卒採用ご担当者

 【有効回答】 N=593人(うち高卒採用実施は297人)

  • 全アンケート結果

■高卒採用の実施状況について

1.どの学卒の採用を行っていますか。※複数選択可 (n=593)

短大・専門卒や既卒(大卒)よりも、高校卒を採用の割合が上回ったことからも高卒採用の需要の高まりが伺えます。

2.高卒採用を導入してどのくらいですか。(n=297)

新卒採用において、1社あたりの平均採用チャネル数は2.59と、複数のチャネルを設定していることから、企業の若年層不足を補うために多くの採用手法が求められています。また、高卒採用を開始して5年以内の企業が全体の23.5%と、従来の大卒採用に加え、新たに高卒採用がフォーカスされていることがわかります。

3.高卒採用での募集職種 ※複数回答可 (n=297)

事務・技術職・生産工程関係・販売サービス職の比率が高いのは例年の傾向です。しかし、営業職や医療系、クリエイターなどの職種も一定数存在しており、今後の高卒求人における職種の多様性が増えることが期待されます。

4.高卒採用を実施する理由を教えてください。※複数回答可(n=297)

高卒採用を行っていると回答した方に、高卒採用を実施する理由について質問したところ、上位の回答が「若手の人材を厚くするため」70.4%、「人材不足のため」50.8%と、多くの企業が若手人材の獲得に課題を感じていることが推察できます。「高卒採用が自社に合っているため」「多様な生徒の採用活動を行いたいため」「高卒人材のイメージが向上したため」という回答が上位に来ていることからも高校生への可能性に注目が集まっていることが伺えます。

5.高卒採用を実施しない理由を教えてください。※複数回答可(n=290)

高卒採用を実施しないと回答した方に、実施しない理由について質問したところ、「高卒人材が自社に合わないと感じるため」の回答の他に、「受け入れ体制が整っていない」「過去に導入の経験がないため」という理由で採用を実施しない企業も一定数いることが分かります。

6.ここ数年の高卒採用の採用課題は何ですか? ※複数回答可(n=297)

高卒採用を行っていると回答した方に、高卒採用課題について質問したところ、最も多い回答が「学校との関係構築」38.7%でした。続いて、「職場見学での魅力付け」36%、「高校生の数」34.7%、「入社後の早期離職」33%でした。

■24卒の高卒採用活動について

7.24卒の高校新卒の採用計画にて昨年と比較し求人募集人数の増減はありますか。(n=297)

高卒採用を行っていると回答した方に、2024年卒の求人募集人数の増減について質問したところ、「増やす」が31.6%、「変動しない」が55.9%、「減らす」6.4%、「新たに始める・再開した」1.0%、「未定・分からない」が5.1%でした。「増やす」「変動しない」「新たに始める・再開する」の回答が88.5%で、23卒の同アンケート(2022年4月)と比較すると4.2ポイント増加しました。

8.24卒の高校新卒の採用計画にて昨年と比較し求人募集人数を増やす理由を教えてください。※複数回答可(n=97)

問7で「増やす」「新たに始める・再開する」と回答した方に理由を質問したところ、上位が「若手人材の採用に力を入れるため」が69.1%、「業績向上における事業拡大のため」53.6%、「2023年卒の採用で採用予定人数に対し充足しなかったため」45.4%でした。

9.24卒の高校新卒の採用計画にて昨年と比較し求人募集人数を減らす理由を教えてください。※複数回答可(n=19)

問7で「減らす」と回答した方に理由を質問したところ、「他の採用計画で採用人数に充足したため」が36.8%、「業績悪化のため」「2023卒の高卒採用で多く採用できたため」が21.1%、「高卒人材が自社に合っていないと感じたため」「過去に採用活動を試みたが上手くいかなかったため」が5.3%でした。

■定着・ミスマッチについて

10.ここ数年の会社の人事課題は何ですか?(n=593)

全ての方に、ここ数年の人事課題について質問したところ、最も多い回答が「若手の採用」で約半数の方が課題に感じていることが分かります。続いて、「定着」46%、「即戦力採用」40%、「教育・育成」39.8%、「働き方改革」33.2%、「社員の働きがい」30%でした。

11.高卒採用の採用時(入社前)にミスマッチが起きていると思いますか? (n=293)

高卒採用を行っていると回答した方に、高卒採用時のミスマッチが起きているか質問したところ、67.6%の方がミスマッチが「よく起きている」「まれに起きている」と回答し、「ほとんど起きていない」「起きていない」の回答28.3%を倍以上上回りました。

12.どんな取り組みがあれば入社前のミスマッチを減らせると思いますか? (n=293)

高卒採用を行っていると回答した方に、どんな取り組みがあれば高卒採用時のミスマッチを減らすことができると思うか質問したところ、「高校生と接点を取る機会を増やす」「仕事内容を詳しく紹介する」「インターンシップなど事前に仕事が体験できる機会をつくる」など、高校生と企業の接点を求める声が多く上がりました。複数企業への応募や見学についても4分の1の企業が回答しています。

13.入社後に高卒の新入社員とのミスマッチが起きていると思いますか? (n=293)

高卒採用を行っていると回答した方に、入社後のミスマッチが起きているか質問したところ、65.2%がミスマッチは「よく起きている」「まれに起きている」と回答し、「ほとんど起きていない」「起きていない」の回答30.4%の倍以上でした。

14.どんな取り組みがあれば入社後のミスマッチを減らせると思いますか? (n=293)

高卒採用を行っていると回答した方に、どんな取り組みがあれば入社後のミスマッチを減らせると思うか質問したところ、「社内でのコミュニケーション機会を増やす」「研修・教育体制を整える」「悩み相談を受ける仕組みを整える」など、フォローアップの体制を重視する回答が多く見られました。次いで、「目標の明確化」や「キャリアアップの仕組み」など個人のキャリア形成にフォーカスを当てた取り組みがあげられています。

■高卒社員の賃金状況

15.2023年4月入社の高卒社員の初任給の賃上げは行いましたか? (n=293)

 高卒採用を行っていると回答した方に、2023年4月入社の初任給の賃上げについて質問したところ、半数以上56.7%が「行った」と回答しました。

16.2024年に高卒社員の初任給の賃上げは行う予定はありますか? (n=293)

2024年卒の高卒採用を行うと回答した方に、2024年に高卒社員の初任給の賃上げ予定について質問したところ、「行う予定がある」が53.5%、「行う予定はない」が12.8%でした。「未定」が27.3%、「答えられない・分からない」が6.4%でした。

17.高卒社員の初任給の賃上げを行った・行う理由について教えてください。(n=211)

問15・16で賃上げを「行った」「行う予定がある」と回答した方に、賃上げを行う理由について質問したところ、「物価が上昇しているため」が73%となりました。次いで「高卒採用の応募を増やすため」が49.3%、「最低賃金の引き上げのため」が48.3%、「社員のモチベーション向上のため」が46%、「経営戦略としてのベースアップ」28.9%でした。

  • 回答者属性

<株式会社ジンジブについて>

株式会社ジンジブは「夢は、18才から始まる。」をスローガンに、「高卒」の若者が自己決定の上社会で活躍できる機会や、仕事や人生に夢を持てる世界にするためのサービスを提供する社会課題解決企業です。高校在学中のキャリア観育成や、就職時の情報提供やサポート、就職後の定着やスキルアップやキャリア形成、転職時の情報提供やサポートを行います。

初めて社会に出る 高校生は将来に対する漠然とした不安を持ちながら、社会に出ることを決意します。ジンジブは不安な時には真剣に向き合い、自己理解・社会理解・マインド・スキルなど社会で生き抜く力を高めるサポートを行い、自分の意思で未来を選択できる機会をつくります。たとえ失敗してもすぐに手を差し伸べ、その人生にずっと寄り添い、これからの生きる人の夢を増やしてまいります。

●高卒就活採用支援サービス 「ジョブドラフト」

高卒新卒で就職する高校生は、限られた情報や期間の中で、社会経験や自己理解が乏しい中、やりたいことや向いていることを考えきれないまま就職先を選んでおり、将来に対して漠然とした不安を抱えています。自己納得のないまま就職し、入社後にギャップを感じることが、入社1年目の超早期離職の要因の一つとなり得ています。

そこで「ジョブドラフト」では、進路決定前から将来について考えるきっかけを与えるキャリア教育支援「ジョブドラフトCareer」、従来文字情報のみの求人票でしか収集できなかった求人情報を高校生が主体的に見られる就職情報アプリ「ジョブドラフトNavi」、企業と1日で多く出会い直接話を聞ける高校生のための合同企業説明会「ジョブドラフトFes」、高卒第二新卒や既卒者への学び直しと就職・転職を支援する「ジョブドラフトNext」を運営し、高校生の未来を自分の意思で形作るためのサービスを展開しております。

ジョブドラフトNavi:https://job-draft.com/

●人財育成サービス

社会人として必要となる基礎スキルやマインド、DXを始めとしたこれからの社会で必要になるスキルの学びの講座を開発し、高校生や高卒社会人が人生100年時代の中、キャリアアップを実現するためのサポートを運営しております。

 Z世代の採用育成を行う企業向けには、入社後の育成・定着支援「ROOKIE’S CLUB(ルーキーズクラブ)」や入社2・3年目向けのマネージャー候補育成プログラム「LEADER’S CLUB(リーダーズクラブ)」やデジタルマーケティング講座「DMU」などのスキルアップ講座を提供し、企業発展を促す若手人財の育成を支援してまいります。

●人事支援サービス

高卒採用を始めとした若手人財の採用する企業に向けた定着や育成、評価を行うための人事支援を、Webツールを用いて行います。入社後の会社の印象の悪化や、人間関係が合わなかった、仕事が合わなかったなど入社後に感じるミスマッチを、入社前、入社後に軽減し、定着率をあげるための支援を行っています。

 

<会社概要>

◆株式会社ジンジブ (https://jinjib.co.jp/

本社所在地:大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル14階

代表取締役:佐々木 満秀

設立:2015年3月23日(グループ創業1998年9月1日)

資本金:9,800万円

 2016年「革新ビジネスアワード2016」(主催:イノベーションズアイ、フジサンケイビジネスアイ[日本工業新聞社])にて「よい仕事おこし賞」、2017年「第106回かわさき起業家オーディション ビジネス・アイデアシーズ市場」(主催:公益財団法人 川崎市産業振興財団)にて「かわさき起業家優秀賞」を受賞。2023年3月「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」認証。

タイトルとURLをコピーしました