共創が形づくるこれからの地域創生への挑戦「第2回地域創生推進フォーラム」を開催

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西日本電信電話株式会社(代表取締役社長:森林正彰)、株式会社パソナグループ(代表取締役グループ代表:南部靖之)、事業構想大学院大学(学長:田中里沙)、日本電信電話株式会社(代表取締役社長:島田明)、株式会社地域創生Coデザイン研究所(代表取締役所長:木上秀則)は、“地域”が主体となり実践する公民共創の地域づくりをテーマに「第2回地域創生推進フォーラム」を2023年5月23日(火)に開催しました。

2023年5月23日 NTT西日本運営「QUINTBRIDGE」にて登壇者のフォトセッション2023年5月23日 NTT西日本運営「QUINTBRIDGE」にて登壇者のフォトセッション

第2回となる本フォーラムは、地域主体の共創の実践活動の紹介と解説を中心に、地域創生を実践する首長によるパネルディスカッション、日本の地域創生施策をけん引する省庁からの基調講演も交えながら、地域での活動を踏み出し、また深めるための具体的なヒントや方法を示しました。

■国務大臣 岡田直樹氏よりメッセージ

基調講演では内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議 事務局長 土生栄二氏の講演に先立ち、岡田直樹大臣からのメッセージ動画が紹介されました。岡田大臣は「デジタル改革のニーズは地方にこそある」と述べ、デジタル田園都市国家構想が掲げる『デジタルの力を活用し、地方創生を加速化、深化し、全国どこでも誰でもが便利に快適に暮らせる社会』を実現すべく、さらなるデジタルの実装に向けて、「皆様の積極的なご参加により地域の個性を活かした地域創生の実現を牽引していただきたい」と述べました。また、2025年大阪・関西万博の大きな可能性にも言及し、この機運をオール関西、オールジャパンに広げ、万博を契機に地方創生の取り組みが加速することについても期待を寄せました。

  • 「地域創生推進コンソーシアム協定」各団体による取り組み発表

2021年7月に「地域創生推進コンソーシアム協定」を締結した、NTT西日本、パソナグループ、事業構想大学院大学、NTT社会情報研究所、地域創生Coデザイン研究所、各者の地域活性化の推進に向けた取組を発表しました。

西日本電信電話株式会社 代表取締役社長 森林正彰

西日本電信電話 代表取締役社長 森林正彰西日本電信電話 代表取締役社長 森林正彰

<NTT西日本グループの地域創生事業>

地域社会を取り巻く環境変化が加速し、地域を担う人材の確保と様々なDXを推進していくことが重要であると述べ、「自治体DX」「産業DX」「共創DX」のキーワードで取組を解説。行政機能の効率化に資する地域のデジタル化・共用化モデルの推進を担う「自治体DX」においては、課題解決の方向性として「自治体システムのクラウド化にまるごと対応」を示しました。「産業DX」においては西日本30府県で展開する地域創生プロジェクトを紹介。一次産業、観光・交通、人材活用、医療など多岐にわたるアプローチで実施しています。「共創DX」ではコンソーシアム連携を核としたBBXモデルによる持続可能な共創循環の創出を提言。NTT西日本とパートナー企業の共創により地域の主体を構築し、真の課題解決を目指します。

<自治体システムのクラウド化にまるごと対応>

2025年度の自治体情報システムの標準化対応をはじめ、標準化対象外のシステム、業務を含めたDXを実現するため、コンサルティングからハイブリッドクラウド環境の導入、サポート、NW接続、セキュリティまで自治体の要望に対応する各種サービスをまるごと提供する。

<今後の展望> 「つなぐ」その先に「ひらく」あたらしい世界のトビラを

NTT西日本は、地域社会の一員として、あらゆる人々が幸せで豊かな未来の姿を追求しつづけます。そのために、技術と知恵をみがき、新たな価値の創出に挑戦します。

西日本電信電話株式会社 代表取締役副社長 上原一郎

西日本電信電話 代表取締役副社長 上原一郎西日本電信電話 代表取締役副社長 上原一郎

<地域創生推進コンソーシアム活動 活動成果と今後の方向性>

地域創生推進コンソーシアムが目指すビジョン「Social Well-being」。これを実現するために各団体が地域と一体となり取り組んだ実践事例や、オープンイノベーションから社会課題に取り組むしかけとしての「QUINTBRIDGE」​、地域創生の拡大に向けて、志を同じくする多様な仲間との継続した学び・繋がりの場を提供する「地域創生Coデザインカレッジ(こでざと)」​を紹介しました。これまでの活動から得た課題感から、公民共創を牽引できる人材が地域に不足している点を指摘。地域創生システムの展開に加えて、地域創生活動のフェーズに応じた公民共創を牽引する地域創生人材を育成・提供していくことで、地域創生を総合的にサポートする地域創生システムを構築し、地域創生ビジョンの実現を目指すと話しました。

株式会社パソナグループ 常務執行役員 伊藤真人

パソナグループ 常務執行役員 伊藤真人パソナグループ 常務執行役員 伊藤真人

人材誘致による「地方創生」を掲げ、淡路島へ本社機能の一部を移転した事例を紹介。淡路島では農業、観光、廃校や公園など遊休資産の利活用を柱に持続可能な事業を推進しています。次なる展開として「健康島」構想を掲げ、施設整備やイベント企画、新しい働き方モデルの提案など真に健康的な生き方の実現を目指しています。全国の自治体等との「地域共創プロジェクト」も推進しており、2025年大阪・関西万博では、「いのち、ありがとう。」のコンセプトでパビリオン「PASONA Natureverse」を出展。建築デザインには“いのちの象徴”としてアンモナイトの「螺旋形状」を採用し、準備を進めています。

学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学 学長 田中里沙

事業構想大学院大学 学長 田中里沙事業構想大学院大学 学長 田中里沙

事業構想大学院大学は、研究資源を活かして地域人材の育成に取り組んでいます。地域との連携活動に力を入れ、産官学に加えて、地元の金融機関、メディアとの連携も強化。具体的には、企業版ふるさと納税の活用による地域のプロジェクト研究、多様な人や組織をつなぐ「ブリッジ」人材等の養成により実践事例を蓄積しながら知見を広げています。地域創生には、地域を知り愛着を持ち、社会の一翼を担う存在になることが重要であり、そこにはきっかけや情報を広げるコーディネーターの役割が必要です。教育研究機関として現場の暗黙知を形式知に変えながら地域創生Coデザイン研究所という魅力的なプラットフォームの中で共有できる仕組みづくりに挑戦していきたいと考えています。

NTT社会情報研究所 所長 鈴木勝彦

NTT社会情報研究所 所長 鈴木勝彦NTT社会情報研究所 所長 鈴木勝彦

社会は中央集権型社会から「分散型ネットワーク社会」へ転換しているとし、Social Well-being×地域創生の掛け合わせで、どこにいても暮らし・働けるワークインライフの充実を支援する仕組みを提案しました。実践例として高野山の伝統・文化を活用した自己認知とつながり構築支援の取り組みを披露。NTTグループのリモートスタンダード制度により愛着のある地域で暮らしながら、自由度の高い働き方が可能になった効果も紹介し、世の中では出社回帰の傾向も高まる中、リモートワークが地域創生のカギになると見解を示した後、Well-being支援技術、計測技術による解決策を発表しました。

株式会社地域創生Coデザイン研究所 代表取締役所長 木上秀則

地域創生Coデザイン研究所 代表取締役所長 木上秀則地域創生Coデザイン研究所 代表取締役所長 木上秀則

<共創による地域創生の実践事例>

NTT西日本グループでは、2019年度より地域創生プロジェクトを開始し、地域創生事業のノウハウを蓄積。活動の仕組みづくりを含めた「実証・深化」のフェーズから、リアルの活動とデジタル活動のかけ合わせから生まれた「実装モデル」を構築。また、宮崎県での「森林・林業DX」による自然資本循環型のプロジェクト、福井県坂井市での地域の観光資源を起点とした持続可能な観光地経営のプロジェクト、熊本でのスマートシティを通じた地域共創型のまちづくりプロジェクトなどを発表。プロジェクトのパートナーである熊本市長 大西一史氏、坂井市長 池田禎孝氏、宮崎大学 教授 藤掛一郎教授より、NTT西日本グループとのプロジェクトのきっかけや期待について、ビデオメッセージをいただきました。

  • 《基調講演》デジタル田園都市国家構想の実現に向けて ~「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指して~

内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議事務局長 土生栄二 氏内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議事務局長 土生栄二 氏

内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議事務局長 土生栄二 氏

人口推移などから地方を取り巻く現状を分析し、デジタル田園都市国家構想に関するこれまでの経緯、デジタル田園都市国家構想総合戦略の基本的な考え方やポイント、施策の方向性について概説。戦略の主旨を、デジタル技術を使った生活の改善とし、デジタル活用は実証から実装の段階に入ったことを強調。地域ビジョンの実現に向けては、主要なKPIのポイントに触れながら、施策間連携・地域間連携の必要性、デジタルを活用した取組の深化についても展望を述べました。

  • 《パネルディスカッション》デジタル活用による住民参加型の持続可能なまちづくり ~西条市長、天理市長登壇~

NTT西日本グループと連携しプロジェクトを進めている、西条市長 玉井敏久 氏、天理市長 並河健 氏を迎え、株式会社地域創生Coデザイン研究所 代表取締役所長 木上秀則、モデレーターを事業構想大学院大学 学長 田中里沙が務め、デジタル活用による住民参加型の持続可能なまちづくりと題し、なぜ住民参加が必要か、その実現のために抑えるべきポイントを中心に具体的な事例とともにディスカッションを通して“地域”が主体となり実践する公民共創の地域づくりのヒントを示しました。

玉井市長は、持続可能なまちづくりの実現に向けて、市民活動、地域貢献活動などに対して西条市オリジナルの地域ポイント「LOVE SAIJOポイント」を付与し、「地域に根ざした消費活動」につなげることで、住民活動の促進(行動変容)と地域経済の活性化を目指す仕組みを紹介。アプリは市民の約4割の利用につながり、地元愛を育むポイントとして定着しているとし、まちづくりの主役に市民を根づかせたいと思いを述べました。

並河市長は“支え合い”を天理市のすべての地域に広げていくために2022年度より開始した地域通貨「イチカ」の仕組みを紹介。消費された「イチカ」の一部をこども食堂などの支援にあてることで、共感、応援、支え合いの活動に還元されていく循環を生み出し、地元消費に新たな価値を創出しています。「大事なのは市民の実感」と述べ、実践からの気づきを共有しました。

最後に、両市の地域ポイント事業の支援を行う地域創生Coデザイン研究所 木上所長は、様々な地域課題を解決するための切り口として、デジタル地域通貨は有用であるが、実装には安心安全を前提に、導入コストと持続性が課題と指摘。また、観光・域内交通、健康増進など社会課題解決サービス群と地域創生クラウドなどのICTサービス群をかけ合わせることで、より多層的な実装が効率的に行えると紹介。これらのサービスをプラットフォーム化し水平展開するほど、導入・運用コストが低減されることから、多くの自治体に賛同いただくことで、加速度的に地域創生を進めていきたいと結びました。

西条市長 玉井敏久氏西条市長 玉井敏久氏

天理市長 並河健氏天理市長 並河健氏

  • 開催概要

「第2回地域創生推進フォーラム 共創が形づくるこれからの地域創生への挑戦」

日時:2023年5月23日(火)13:00~15:35

対象:自治体の首長、幹部、および職員、議員、地域創生に取り組む皆さま

(DMO、企業、地域おこし協力隊など)、地域創生に興味のある一般企業

会場:NTT西日本運営 QUINTBRIDGE/オンライン同時配信

主催:NTT西日本

共催:パソナグループ/事業構想大学院大学/NTT社会情報研究所/地域創生Coデザイン研究所

<地域創生推進コンソーシアム協定について>

【目的】

地域活性化の推進に向けて、想いを同じくし、保有するリソースの相互補完やシナジー形成が可能な企業等のケイパビリティを結集、地域活性化に取り組む自治体や企業・組織、その連携体(地域民民・公民共創)が抱える課題を明らかにするとともに、地域のあるべき姿、並びにその実現に向けた社会システムの検討を通じて地域社会・住民のウェルビーイング向上に貢献します。

【構成員】

NTT西日本/パソナグループ/事業構想大学院大学

NTT社会情報研究所/地域創生Coデザイン研究所

(なお、本コンソーシアムは、民法上の組合の組成を意図するものではございません)

【構成員の役割】

NTT西日本                      :ICTソリューションをいかし、地域課題解決を実践

パソナグループ              :地域への人材流動を通じ働く機会を創出

事業構想大学院大学          :地域活性化の構想を構築する人材の育成

NTT社会情報研究所    :Social Well-beingを中核とした未来社会のデザインの研究

地域創生Coデザイン研究所:地域や様々な主体と連携し地域活性化シナリオを策定

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