このたび学校法人東京農業大学(所在地:東京都世田谷区、学長:江口 文陽、以下「東京農業大学」)世田谷キャンパス内に完成した国際センターの「榎本ギャラリー」に、OKIが製作したモールス電信機が展示されました。この電信機は、同大学の創設者の一人である榎本 武揚が、オランダ留学時に購入したフランス製電信機の複製機です。幕末の動乱の中で所在不明となった電信機をOKI創業者 沖 牙太郎が入手した奇縁にちなみ、OKIが創業120周年の記念として製作した複製機が、榎本翁の功績を紹介するコーナーを飾ることとなりました。
戊辰戦争における五稜郭の戦いで知られ、のちに明治政府において初代逓信大臣などを務めた榎本 武揚(1836年~1908年)は、徳川幕府の命により軍用技術などを習得するため派遣されたオランダにおいて、フランスのディニエ社が1860年頃に製作したモールス電信機を購入しました。幕末の動乱の中で所在不明となっていた電信機を、1881年頃に古道具屋で見つけたのが、同年に明工舎(OKIの前身)を創業した沖 牙太郎(1848年~1906年)でした。この電信機は1888年、榎本が会長を務めていた電気学会の第3回電気学会講演会の席上で紹介され、榎本と20年ぶりの再会を果たしました。
OKIは2001年、創業120周年を記念して、今日の情報通信の原点ともいえるこのモールス電信機の複製に挑戦。OKIの技術陣は設計図や部品図が無いまま、当時と同じように動作する複製機を完成させ、その経緯を技術広報誌「沖テクニカルレビュー」に論文として掲載しました。そして2021年、この論文が、創立130周年記念展「学祖群像」(会期:2021年9月~2022年9月)を企画していた東京農業大学「食と農」の博物館の方の目に留まりました。
オランダの技術を貪欲に学び「冒険は最良の師である」という言葉を残した榎本 武揚と、「進取の精神」のもと初の電話機国産化に取り組んだ沖 牙太郎。その志を今に伝えるOKI製のモールス電信機は、「学祖群像」展への約1年にわたる展示を経て、このたび同大学国際センター「榎本ギャラリー」に常設展示されることとなり、一般にも公開されています。
リリース関連リンク
沖テクニカルレビュー 2001年7月号「モールス電信機複製へのチャレンジ」
https://www.oki.com/jp/otr/2001/n187/pdf/187_R26.pdf
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