設置した水位・水温センサー、給水ゲート、通信ボックス
1.取り組み背景
JA湘南管内(伊勢原市・平塚市・大磯町・二宮町)は、神奈川県内トップクラスの米生産地で、「はるみ」や「キヌヒカリ」などの同県の奨励品種米が盛んに栽培されています。JAでも、伊勢原市内で収穫した米を「阿夫利清流米」、平塚市・大磯町・二宮町内で収穫した米を「湘南そだち米」としてJA直売所で販売しています。
稲作において、水田の水位・水温の管理は、良質な稲を育てるためには必要不可欠な作業工程になりますが、飛び地の圃場を1日1回以上見回ることは、高齢化が進む農家にとって大きな負担のひとつになっています。
一方、NTT東日本は、AI・IoTなどの未来技術の活用が、農業分野における喫緊の課題「担い手不足が深刻化し、国内の農業生産を維持・拡大するための生産性向上」に有効な手段だと考え、地域情報基盤構築(ローカル5G、キャリア5G、BWA、LPWAなどの複数ネットワーク)によるスマート農機の活用等に取り組んでおり、JA湘南および地域農家の協力を得て、水田水位センシングを活用した見回り稼働削減の実証開始に至りました。
2.実証概要
(1)期間:2023年5月下旬 ~ 2023年10月<予定>
(2)場所:横山ライスセンターおよび周辺の圃場(2カ所)
(3)取り組み概要:
・水田にあるセンサーにより水位・水温を測定し、通信を通じてクラウド上でデータ管理
・離れた場所からデータ把握監視、自動アラーム通知により、水田状況を確認
・離れた場所から給水ゲートを遠隔操作して、水量・水温を管理
(4)検証項目:水田水位センシング活用前後における「収穫量の変化」「見回り稼働の効率化」
(5)使用機器等:
<水位・水温センサー・IoTプラットフォーム提供元:株式会社インターネットイニシアティブ、給水ゲート
提供元:株式会社笑農和>
3.今後に向けて
本取り組みを通じて、水田水位センシングの有効性を検証するとともに、農業におけるロボット技術やAI・IoTなどの未来技術を活用した「スマート農業」の社会実装を推進し、農業分野の課題解決に取り組んでいきます。
これからも、NTT東日本は「地域の未来を支えるソーシャルイノベーション企業」として、地域社会における新たな付加価値を地域と共創していきます。
(参考)協力地域農家
● 横山 直道 氏
● 経歴等:
◈ 神奈川県農業技術センターに勤務し、いちごの栽培研究をメイン従事
◈ 2022年から家業を継ぐ形で稲作を中心に生産
◈ 生産する「はるみ」は神奈川推奨米のお米で、湘南の晴れた海が名前の由来。つやがあり、強い甘味が特
徴で、冷めても硬くなりにくくお弁当やおにぎり等にも最適。神奈川県産米では初の〈特A〉評価を獲得
した品種
◈ 近隣から田畑を任される形で、田んぼ12町歩、畑6反歩の広さを管理<*1>
<*>1反=1,000平米(32m×32m)、1町=10,000平米(100m×100m)
◈ 飛び地状態にある数キロ離れている田んぼの管理稼働に課題感を持つ
◈ 家族経営で田畑管理対応するために、スマート農業での作業効率化に期待
◈ 自然環境に配慮した減化学肥料・減農薬や緑肥などを活用した農産物の生産を通じて、神奈川県知事が認
定する「エコファーマー認定」にも登録<*2>
<*2> https://www.city.isehara.kanagawa.jp/docs/2013110600013/
◈ 購入方法
✧ わくわく広場(伊勢原店、ららぽーと湘南平塚店、湘南モールフィル店)
https://wakuwaku-hiroba.com/shop/
✧ メルカリ https://jp.mercari.com/user/profile/724517976
✧ インスタグラム https://www.instagram.com/ykym_rice/?hl=ja