■背景と課題
HARPは、電子申請や施設予約など各種アプリケーションを共通プラットフォーム「HARP」上で展開し、道庁や170を超える道内自治体と道外の自治体に向けてサービスを提供し、電子自治体を推進することで行政の効率化や住民サービスの向上に資する環境整備を支援しています。他にも、電子自治体化をバックアップするITコンサルティングや複数自治体で共同利用できるIT基盤の整備など、システム利用・改修・保守にかかるコスト軽減につながる環境づくりにも注力しています。同社が手掛ける自治体向けサービスは年々その種類を増やし、利用団体数も増加し、順調にビジネスが成長し続けている一方で、サービス基盤を支えるバックアップ環境において以下のような課題が、顕在化してきました。
- バックアップのリソース不足
- バックアップ・リストア時間の過多(日次対応が不可)
- 分散システムのため、リソースの有効活用ができない
- 個別のバックアップ環境のため拡張性への不安
■導入システムの概要と効果
NetBackupアプライアンスと、アーカイブデータをクラウドに保管できるInfoScaleと連携し、コストパフォーマンスよく利用できる統合バックアップ環境を整備しました。現状40TBのデータ量をアクティブスタンバイの冗長化を採用し、高度な重複排除技術を用いたアクセラレータを有効にすることで、日々フルバックアップを取得する運用を可能にしています。なお、今回の導入に際し、システム全体の最適化をはかるため、NTT東日本が全体設計を実施、ネットワンシステムズが詳細設計と構築業務を行いました。
導入後の効果は以下の通りです。
- フルバックアップが可能となり、運用負担が軽減
- バックアップ時間が1日最大1/5まで短縮
- リストア可能なカタログの読み込みが即時に完了
- ストレージの有効活用(7世代のバックアップデータを保管しても、50%のストレージ容量の余裕)
- 分散したシステムの統合により、リソースの有効活用、運用負担の軽減、容易な拡張性が実現
- 今後、課題となる可能性のあるランサムウェア対策の強化
■今後の展開
ローカルに設置されNetBackupアプライアンス上にバックアップデータを集約したのち、自治体との契約上、数年規模で保管しておく必要のあるコールドデータをInfoScaleを使ってAWS上のクラウドストレージにデータを移行する運用を予定しています。
運用面では、ストレージ全体のバックアップをファイル単位でリストアできるような環境を整えて、柔軟なかつ管理者の負担をより軽減できるようにしていきます。また、サービス提供のためのアプリケーションごとにチームが分かれているので、チームごとにリストア権限を与えて、必要に応じてリストアできるような環境も検討していきます。
ベリタスの代表執行役員社長の金光諭佳は、次のように述べています。「自治体向けのIT基盤提供には、特に統合化による運用性の向上と、クラウド活用を含め迅速かつ柔軟に拡張できることが重要です。その点を評価していただいたことを大変嬉しく思います。この事例が他の自治体の課題解決にもお役に立てればと考えております」
ベリタスについて
Veritas Technologies(ベリタス)は、マルチクラウドデータ管理におけるグローバルリーダーです。Fortune Global 500社の95%を含む、世界80,000社以上のお客様のデータ保護、リカバリ、コンプライアンスをサポートしています。ベリタスは、大規模環境での信頼性に優れ、ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃の脅威に対してお客様が必要とするレジリエンス(回復力)を提供します。ベリタスのソリューションは、800以上のデータソース、100以上のオペレーティングシステム、1,400以上のストレージターゲット、60以上のクラウドを単一の統合アプローチでサポートします。独自の「Cloud Scale Technology」を基盤に、ベリタスは、運用面の経費を削減し、「Autonomous Data Management」(自律型データ管理)戦略を実現します。ベリタステクノロジーズ合同会社( https://www.veritas.com/ja/jp/ )は、Veritas Technologiesの日本法人です。
Veritas、Veritasロゴ、NetBackupは、米国および他の国におけるVeritas Technologies LLCまたは関連会社の登録商標です。