Vicor Corporation (本社:米国マサチューセッツ州、CEO:Patrizio Vinciarelli、NASDAQ上場:VICR、以下:Vicor)は、ロボットを使った監視セキュリティサービスを提供するナイトスコープ社(本社:米国カリフォルニア州、以下:ナイトスコープ)が、Vicorの電源モジュールを採用したと発表しました。
警備を自動化するという構想は何年も前にSFの世界で始まりましたが、今ではその構想は現実で、強いインパクトがあります。ナイトスコープの共同設立者兼最高顧客責任者のステイシー・スティーブンス氏が、ロボットによって高度化するセキュリティ技術について興味深い話を紹介します。
2013年、カリフォルニア州マウンテンビューの公共安全技術サービス会社として発足したナイトスコープは、ショッピングモールや駐車場、近隣の公園などの公共スペースに移動式の完全自律型セキュリティロボット(ASR)を世界で初めて配置しました。ナイトスコープのビジョンは、警察官のリスクを最小限に抑えつつ、犯罪を防止するためのより効果的な手段を見つけるというものでした。
ナイトスコープは、自動運転技術、車両電動化、人工知能を融合した専門技術を持つロボティクス企業というより、むしろ公共安全技術のリーディングカンパニーです。これらの技術を組み合わせ、多様なセンシング機能やその他の技術を統合して、実用的な調査・警護ができる機動性の高いプラットフォームを生みだします。
ASRによる優れた監視能力の実現
ASRは既知の脅威を見つける機能を備えており、解雇された従業員や不法侵入の警告を受けた人物を認識することで、職場での暴力事件を減らすことができます。また、ASRに備わる例外監視機能で車両のナンバープレートから部外者を識別し、駐車場内を警備することができます。ASRの音声機能を使うと双方向コミュニケーションが可能であり、ロボットはブロードキャストスト機能を備えた拡声装置として動作します。これにより敵対する状況を収束させるために加害者と交渉ができます。
「ASRのトークダウン機能をつかえば、人間に対する危険をロボットに肩代わりさせることができます」と、スティーブンス氏は話します。「ロボットは目立たない対称物であり、状況をエスカレートさせる可能性のある敵意を持つ容疑者の前に人を立たせることなく、会話ができます。それに経費も節約できます。」とスティーブン氏は付け加えます。「ASRは病気にならず、休暇も必要ありません。」
ASRの自律運転を進めるテクノロジー
ナイトスコープのモバイルロボットはLIDAR、GPS、ソナー、IMU、4Kカメラ、Hi-Fiオーディオのシステムを使用しながら、完全に自律して動きます。ロボットには人間の五感のように5種類のセンサーが搭載されていて周囲を監視します。ほとんどの場合、ロボットのセンサーは警察官の五感より鋭敏です。
合計21個のLIDARレーザーにより、25ミリ秒ごとに周囲をマッピングします。そのデータをもとに、半径100mまでの3Dマップを作成し、ASRが周囲を「見る」ことを可能にしています。さらに、ソナーセンサーが近接センサーとしてはたらき、何かが物理的に近くにある場合にロボットに知らせます。GPSが自律航法の第3の入力として搭載されており、誰かがロボットを動かしたり盗んだりした場合に、マシンを追跡するのに役立ちます。
走行距離センサーを用いてホイールの回転を計算し、ロボットが左または右に移動/追跡していれば、表示します。最後に、慣性計測ユニット(IMU)により6DoF(6自由度)の空間認識を行い、ロボットが直立しているか傾いているかを判断し、立ち往生したり動けなくなったりした場合に知らせることができます。
電力効率はASRの最重要課題
演算処理、通信、センサーの負荷が極めて高いことは、ASRの電力供給ネットワークに大きな負担になります。電源にはコンパクトで高効率であることが求められます。ASRには空気の流れや換気口がないため、ナイトスコープはアルミニウム製の外装をヒートシンクとして活用できる、完全に伝導冷却のソリューションを必要としていました。Vicor独自のChiP™パッケージが放熱しやすく極めて小型であることから、ナイトスコープはDC-DCコンバータモジュール(DCM3623)を採用しました。DCMの電力密度が高いことは、配線のしやすさやケーブルの組立てやすさ、バッテリー効率や性能、稼働時間の向上に貢献しました。
電気的には、ロボットとすべての個別の電源レールの間には絶縁が必要でした。センサーが極めて多くEMI性能が異なるため、Vicor のDCM™はEMIとノイズの干渉を最小限に抑えることに役立ちました。
「バッテリーの負担を減らすことができれば、稼働時間を延ばせます」とスティーブンス氏は言います。「ですから、電力は常に考慮しなくてはなりません。そして最終的には、これらのすべてがわが社のビジョンを実現するのに役立ちます。それは、建築家が商業施設や複合施設を計画する際に、我々のサービスが煙探知機や消火システムとともにセキュリティのチェックリストに加わるということです。」と述べています。
ナイトスコープという名前の新しい保安官が町にやってきたようです。
■ Vicorウェブサイトからもプレスリリースをご覧いただけます。
https://www.vicorpower.com/ja-jp/press-room/knightscope-robot
■ ナイトスコープ社のセキュリティロボットについて詳しく解説 (Vicorウェブサイト)
「人間を超える知覚力と探知能力でパトロールする、自律型セキュリティロボット」
https://www.vicorpower.com/ja-jp/resource-library/case-studies/knightscope
Vicor Corporationについて
Vicorは、高性能のモジュール型電源コンポーネントの設計、製造、販売を行う米国(本社:マサチューセッツ州アンドーバー)の電源専業メーカーです。HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、オートモーティブ、通信ネットワーク、産業機器、ロボティクス、鉄道、航空防衛アプリケーションなどへ向けて、広く事業を展開しています。
日本法人のVicor株式会社(Vicor KK)は2017年に設立され、電源コンポーネントの販売・技術サポートを行っています。
詳しくは、Vicorウェブサイト: www.vicorpower.com/ja-jp をご参照ください。
Vicorは、ChiP™ 、DCM™は、Vicor Corporationの登録商標です。
ナイトスコープ社について
ナイトスコープ社のロボットは自動運転(自律型)のセキュリティロボットです。人間による操作を必要とせずに敷地内を動き回り、警備任務全般に貢献します。ロボットがこれまでにない量のデータと実用的な情報を収集し、セキュリティチームに伝えることで、よりスマートで安全、かつ迅速に判断する手助けになります。収集されたデータや分析結果は、インターネットに接続できる環境さえあれば、世界中のどこからでもアクセスが可能です。ナイトスコープの使命はアメリカ合衆国を地球上で最も安全な国にすることです。
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