株式会社アルファシステムズ(本社:神奈川県川崎市、社長:齋藤潔)は、NECスパコン・プログラミングコンテストに参加し、3位となる審査員特別賞を受賞いたしました。
1. プログラミングコンテストの概要
NEC(日本電気株式会社)は、同社製スーパーコンピュータの最新モデルである「SX-Aurora TSUBASA」のプロセッサの性能を活かしたプログラミング作品のコンテストを2022年11月から2023年2月にかけて開催いたしました。審査基準には、社会貢献へのアイデアの独創性に加え、処理の高速化による顧客価値や、汎用プロセッサとの性能差が含まれます。
審査は2段階で行われ、最終審査では審査員を前にしたプレゼンテーションが行われました(当社プレゼンターは、第三事業本部開発推進部部長 小林博一)。詳細はNECスパコン・プログラミングコンテスト公式サイト(※)をご覧ください。
※NECスパコン・プログラミングコンテスト公式サイト
https://jpn.nec.com/co-creation/contest/contest.html?cid=as
2. 応募したプログラム作品と受賞結果について
当社は、本コンテストに向け、「SX-Aurora TSUBASA」上で動作する「世界最速量子回路シミュレータAlpha-Qu」を開発し、応募しました。
現在の量子コンピュータはまだエラーの発生率が高いうえ、量子コンピュータ向けの特別なアルゴリズムが必要です。そのため、従来型のコンピュータで量子アルゴリズムを検証できる量子回路シミュレータが注目されています。しかし、従来のシミュレータでは、量子ビットを増やすと、メモリ使用量や処理時間が指数関数的に増加する課題がありました。
「Alpha-Qu」では、量子ビットを増やす仕組みを工夫し、省メモリと高速化を実現しました。その結果、従来のシミュレータの量子ビットの最大数が30程度であるなか、「Alpha-Qu」は最大41量子ビットを達成しました。処理速度も向上し、他のスパコンでは463秒を要した素因数分解のアルゴリズムの計算を3秒で完了させるパフォーマンスの実現に至りました。
その性能が量子コンピュータの発展に資すると評価され、3位の審査員特別賞を受賞いたしました。詳細は、イベントレポート(CodeZine)(※)をご覧ください。
※イベントレポート(CodeZine)
https://codezine.jp/article/detail/17539
3. 今後の展開について
当社はソフトウェア開発事業における優位性の維持・向上を目的に、先端の開発技術の調査・研究や社員の技術教育を先導する組織として、開発推進部を設置しております。今回の成果は、開発推進部の取り組みによるものであります。
今後も、量子コンピュータを含めた先端技術の獲得に努め、企業としての競争力を高めるとともに、新たな事業を模索してまいります。