パワー半導体用SiCエピウェハーがデンソー製インバーターに採用

この記事は約4分で読めます。
株式会社レゾナック(社長:髙橋 秀仁)のパワー半導体向けSiCエピタキシャルウェハー(以下、SiCエピウェハー)が、株式会社デンソー製のインバーターの駆動素子に採用されました。同インバーターはトヨタ自動車株式会社が発表したLEXUS初のバッテリーEV(BEV)専用モデル、新型「RZ」に搭載されます。なお、インバーターの駆動素子へのSiCエピウェハーの採用はLEXUSとして初となります*1。

 

SiCパワー半導体は、従来のシリコンウェハーを用いたパワー半導体に比べて電力損失や熱の発生が少なく、省エネルギー、CO2削減に貢献する次世代のデバイスとして、BEVや再生可能エネルギー、xEV用の高速充電スタンド、鉄道車両など様々な用途で市場が急拡大しています。当社の150mm SiCエピウェハーは2013年の上市以来、業界最高水準の低表面欠陥、低基底面転位といった高い品質が評価され、様々な用途に採用されてきました。車載用途では、特に高い信頼性が求められますが、当社製SiCエピウェハーのこれまでの採用実績と品質特性が評価され、LEXUS新型「RZ」の車載用インバーター駆動素子への採用に至りました。SiCインバーターは通常のSiインバーターに比べて損失が少なく、そのぶん航続距離を延ばすことができます。

 

レゾナックグループは「共創型化学会社」として、グローバル社会の持続可能な発展への貢献を目指し、エネルギー効率化を実現するSiCエピウェハーを次世代事業と位置づけて注力しています。また、グリーンイノベーション基金事業*2にてSiCウェハの研究開発を進めております。今後も、世界最大(当社推定)のSiCエピウェハー外販メーカーとして、“ベスト・イン・クラス”をモットーに、急拡大する市場に高性能で高い信頼性の製品を安定的に供給することで、SiCパワー半導体の普及に貢献してまいります。

 

 

*1  トヨタ自動車LEXUS RZ 紹介ページより (https://lexus.jp/models/rz/worldpremiere/)

*2 グリーンイノベーション基金(GI基金):2050年カーボンニュートラルの実現に向け、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に造成された基金。当社は当基金内の次世代デジタルインフラの構築プロジェクトの研究開発項目の一つである「次世代パワー半導体に用いるウェハ技術開発」において、「次世代グリーンパワー半導体に用いるSiCウェハ技術開発」として研究開発を実施しています。

 

 

【Resonac(レゾナック)グループについて】

レゾナックグループは、2023年1月に昭和電工グループと昭和電工マテリアルズグループ(旧日立化成グループ)が統合してできた新会社です。

半導体・電子材料の売上高は、全体の3割にあたる約4,000億円に上り、特に半導体の「後工程」材料では世界No.1の企業です。2社統合により、材料の機能設計はもちろん、自社内で原料にまでさかのぼって開発を進めています。新社名の「Resonac」は、英語の「RESONATE:共鳴する・響き渡る」と、CHEMISTRYの「C」の組み合せです。今後さらに共創プラットフォームを生かし、国内外の半導体メーカー、材料・装置メーカーとともに技術革新を加速させます。詳しくはウェブサイトをご覧ください。

株式会社レゾナック・ホールディングス https://www.resonac.com/jp/

タイトルとURLをコピーしました