「MediOS 電子同意書」お申し込みURL:https://www.contrea.jp/econsent
- 背景
日本では現在、国をあげてDX (Digital Transformation) に取り組んでいますが、医療業界は特にDXが進んでいない業界のひとつです。そこで、厚生労働省は医療機関の本格的なDXを推進するために「医療DX 令和ビジョン 2030」を掲げており、「同意書」のデジタル化も施策のひとつに加えられるなどDXの機運が高まっています。
医療現場では手術や入院、検査などあらゆる場面で同意書が必要とされ、膨大な枚数の同意書が発行されています。さらに、患者様から回収した紙の同意書を電子カルテ上で確認しないとならないため、1枚ずつスキャンし電子カルテに保存するなど、非効率な運用が行われています。しかし、このような課題を認識していても、中々改善に取り組めない医療現場も多いのが実態です。
加えて患者様は高齢者も多く、既存の電子署名サービスでは対応が難しいことや、スマートフォンなどを用いたデジタル体験に不慣れであることがDXを推し進めづらい要因の一つになっています。
- MediOS電子同意書とは
今回我々が開発した「MediOS 電子同意書」は後述する各種法律を遵守し、高齢者でも利用できるよう簡単な操作を念頭においた、医療現場に特化したクラウド型の電子署名サービスです。同意の署名は患者様本人のスマートフォンからご自宅で署名する方法と、院内で端末を貸し出してその場で取得する方法を用意しています。また、医療スタッフは電子カルテ(別途連携が必要)からも同意書の発行と、署名後の確認を即時的に行うことができます。
- 関連する法律
同意書をデジタル化する上では、法的観点も無視できません。電子署名が真正に成立したものと推定するために「電子署名及び認証業務に関する法律(通称:電子署名法)」では、本人の特定性、改ざん検知、2つを挙げています。MediOSでは政府(総務省・法務省・経済産業省)の見解として認められた「事業者署名型(立会人型)」による署名を用いています。本人の特定性に関しては対面もしくは患者様固有のURL発行、改ざんに関しては秘密鍵による暗号化された電子署名とタイムスタンプを組み合わせた検知を行なっています。
医療法や医師法には診療録に関する記載がありますが、同意書は診療録に含まれていないため、公法上は保存の義務はありません。しかしながら、医療法第1条の4第2項にて説明義務についての記述があり、これらを行ったことの証明として、また病院機能評価や訴訟対策として、実質的に保存する必要があります。
- 実証実験の概要
2022年1月より亀田総合病院にて「MediOS 電子同意書」の実証実験を開始しました。実証実験では高齢者でも利用可能か、従来の紙を用いた同意書取得及び保存の流れと比較して医療現場が効率化されるかを目的に行います。
- 先行登録のご案内
亀田総合病院では既に運用を開始していますが、一般公開に向けて、数医療機関限定で先行利用を募集いたします。同意書は病院ごとにフォーマットやオペレーションが異なるため、病院ごとの違いを理解し、先行利用の病院様のオペレーションに根ざすようにサービスの磨きをかけることが目的です。病床規模等の制限はありませんので、ご興味のある病院やクリニック等の医療機関のご担当者様は下記より登録をお願いいたします。弊社担当者より資料送付と必要に応じて概要を説明いたします。これらの情報の後に先行利用の可否を決めていただけますので、お気軽にご登録ください。
「MediOS 電子同意書」お申し込みURL:https://www.contrea.jp/econsent
- コメント
亀田総合病院 病院長 亀田 俊明 先生
この度の実証実験を通じて同意書の電子化が進めば、発行や管理にかかっていた医療現場の業務負担を軽減でき、その分の時間やコストを医療の質向上に振り分けられると期待しています。また、患者さまにとっても、ご自宅からスマートフォンなどで署名することができればサインをするために来院いただくなどの負担がなくなり、同意内容をいつでも気軽に確認できるなど、利便性の向上に貢献できると考えています。
この取り組みの先には、検査や手術についてベーシックな説明を動画化することで、説明内容を平準化でき、患者さまは必要に応じて何度も動画を見返すことで、より手術や検査への理解を深めるお手伝いができるようになるのではないかと期待しています。
亀田総合病院 情報管理本部 本部長 / 糖尿病内分泌内科 シニア・ダイアビーティス・アドバイザー
小川 理 先生
今回検証する「MediOS電子同意書」は同意書の単なるペーパーレス化ではないと認識しています。検証開始当初は医療スタッフ、患者お互いに戸惑うこともあると思います。より使いやすくアジャイルに開発を進めていただき、戸惑いを乗り越えた先にある、我々の思い描くこれからの医療へ到達できることを期待しています。
Authense法律事務所 西尾公伸先生・野上侑馬先生
医師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければなりません(医療法第1条の4第2項)
医療の担い手が、患者様からの理解を得るためには、医師と患者様との間の対話が非常に重要だと考えます。
「MediOS電子同意書」は、このような医師・患者間の対話を、限られた時間の中で最大限引き出すことを助けるツールとして、非常に有用なものです。
そして、その対話に関するトラブルを避けるために、医療機関としては、説明と同意を行った証跡を確保しておく必要がありますが、これらを電子的に取得する場合には、電子署名法に即したものであることが求められます。
「MediOS電子同意書」は、このような証跡確保の手段としても十分に有用なものと考えています。
Contrea株式会社 代表取締役CEO 川端一広
私も病院で働いていた際に、大量の紙の同意書を目の当たりにし「もっと効率化できるのに…」と日々感じていました。2024年に施行される「医師の働き方改革」が目前に迫る中で、MediOS電子同意書が医療現場で利用されることを喜ばしく感じます。しかし、従来の「MediOS動画説明」と今回の「MediOS同意書」はまだ構想の一部にしか過ぎず、Missionである「医療にかかわる全ての人に安心を」を達成できるよう更なるUX改善とプロダクト開発を進めて参ります。