■背景
近年、空き家が増加し社会課題となっています。総務省統計局発表「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国で空き家は約849万戸、空き家率は13.6%と過去最高の水準となっており、野村総合研究所の試算では2038年には全国の住宅の3軒に1軒が空き家になると予測されています(※1)。千葉県の空き家数は約38万3千戸で、住宅総数に対する割合は12.6%となっており、全国的な傾向と同様、空き家は年々増加の傾向にあります(※2)。
香取市では、平成27年から令和5年2月末時点において、1,000件を超える空き家を把握し、各物件の状態や状況に見合った助言や指導を行っています。空家等対策の推進に関する特別措置法第14条に則った行政代執行等の執行件数は、全国一となっています。また、関係団体と連携し、空き家の利活用を図り、地域活性化に努めています。
当社は、解体工事領域で、全国約1,600社の専門工事会社と施主をマッチングする一括見積もりWebサービス「クラッソーネ」を運営しており、これまでに累計約11万件以上の問い合わせ実績、累計約1万件以上の工事契約実績(※3)があります。2020年9月からは施主と工事会社に対し“着手金保証”“完工保証”“第三者賠償責任保険”を組み合わせた「クラッソーネ安心保証パック」(※4)の提供を無料で開始し、空き家解体に伴う不安解消、社会課題化している空き家問題解決への取り組み強化を行っています。
今回、香取市や当社のそれぞれが持つ資源や特長を活かしながら、市内の管理不全な状態の空き家の除却促進に向けて連携協力することにより、空き家の適正な管理の推進に寄与することを目的として、協定の締結に至りました。取り組みを通じて、空き家の課題を解決するとともに、当社運営の「すまいの終活ナビ」をはじめとしたIT技術やデータを活用して、自治体担当者の住民対応の質の向上や業務効率化など、自治体DXの推進に寄与します。
■協定に基づく主な取り組み内容
- 市内の空き家の所有者に対し、解体の概算費用や土地売却査定価格を提示する「すまいの終活ナビ」を紹介
(URL:https://www.crassone.jp/simulator/navi/chiba/katorishi) - 市民や空き家所有者へ空き家処分の進め方に関するフライヤーを配布
- 市民や空き家所有者からの相談に、当社のサービスや情報を活用し対応
- 管理不全な空き家の除却促進に関する施策において、当社のサービスやノウハウを提供
■「すまいの終活ナビ」とは
スマートフォン等から土地建物の面積や最寄り駅、接する道の幅などの条件を入力することで、「解体費用」と解体後の「土地売却査定価格」の概算額を手軽に無料で把握することができ、「解体費用がどのくらいか分からない」といった情報不足の解消や、解体後の土地売却の見通しが立たないために空き家の解体に踏み切れない所有者の意思決定の後押しを行います。算出にあたっては、市内の解体相場や市場価格などの地域性が反映されています。
概算費用を把握したうえで、具体的な見積もりを希望する場合は、一括見積もりサービス「クラッソーネ」により工事会社の紹介を受けることもできます。
また、「すまいの終活ナビ」を活用した空き家対策事業は、令和4年度の国土交通省「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に採択されています。
(※1)『2040年の住宅市場と課題 -迫力を欠くストックシフト、本腰を入れた取組が必要-』野村総合研究所より:https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2022/cc/mediaforum/forum337
(※2)千葉県HP 空き家対策「千葉県の空き家状況について」より
(※3)旧サービス「くらそうね解体」の実績含む
(※4)空き家処分の不安を解消するための新サービス完全無料型「クラッソーネ安心保証パック」を提供開始(2020年9月29日):https://www.crassone.co.jp/news/release18/
■代表者のコメント
香取市長 伊藤 友則 氏
近年、管理不全な空き家は全国的な問題となっておりますが、香取市も、人口の減少に伴い、市内の空き家が増加傾向にあります。香取市では、不動産業関連協会との協定締結により、所有者が空き家の利活用に関する相談をしやすい体制を整備してきました。しかし、空き家の所有者から、解体費用の相場や、解体業者を紹介してほしいという相談が寄せられており、解体に関する支援の必要性も感じました。
今回の連携協定締結により、空き家の利活用に関する相談から、解体に関する相談まで、ワンストップで対応できるようになり、より安全で快適な魅力あふれるまちとなることを期待しております。
株式会社クラッソーネ 代表取締役CEO 川口哲平
当社は「『街』の循環再生文化を育む」というビジョンを掲げ、解体工事を通じて多くの人々の豊かな暮らしの実現を目指しています。事業を行う中で、空き家問題の高まりを感じており、またその解決には自治体と民間事業者の連携が重要だと考えています。
この度、空き家対策として積極的に事業者との連携を進める香取市に、空き家解体の領域でサポートができることを、大変嬉しく思います。当社の解体についての知識や経験・IT技術を活かして、香取市のまちづくりに貢献できるよう尽力して参ります。
■香取市について(概要)
香取市は千葉県北東部に位置し、東京や成田空港からアクセスしやすい地域にあります。
面積は県下4番目に広く、水と緑に恵まれ、田園・里山の風景が広がっています。米やサツマイモは関東でも有数の生産量をほこり、養豚やマッシュルームなど農畜産物の生産が盛んな地域です。
また、佐原地域の中心に形成された古い町並みには、江戸から昭和初期の商家や土蔵が今もその姿を残しており、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。夏・秋に開催される佐原の大祭、東国三社のひとつである香取神宮をはじめ、魅力ある地域資源を有しており、国内外から毎年多くの観光客が訪れます。
■株式会社クラッソーネについて(会社概要)
本社 :〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅5丁目7番30号 名駅東ビル4F
代表者 :代表取締役CEO 川口 哲平
設立 :2011年4月1日
資本金 :1,552,984,770円(資本準備金含む)
URL :https://www.crassone.co.jp
事業内容:解体工事領域で、全国約1,600社の専門工事会社と施主をマッチングする
一括見積もりWebサービス「クラッソーネ」を運営
【「クラッソーネ」サービス概要】
2020年4月に全国展開した新サービス「クラッソーネ」は、解体工事領域で、全国約1,600社の専門工事会社と施主をマッチングする一括見積もりWebサービスです。特長としては、物件情報を入力するだけで、優良なおすすめ工事会社を紹介します。施主に対し工事会社を直接紹介することで、工事会社の多重下請け構造を解消し、施工費のコストダウンにつながることはもちろん、施主の希望条件に合わせて最適な工事会社を紹介します。見積もり内容の相談から工事完了まで運営がサポートし、契約の取り交わしは電子契約を採用しており、全てWeb上で完結できます。施主は工事会社の口コミや工事実績を閲覧でき、着手金保証や完工保証などを組み合わせた「クラッソーネ安心保証パック」(無料)を利用することにより、安心して工事を行うことが可能です。
また、最短1分で解体工事の概算費用を把握できる「解体費用シミュレーター」も提供しており、シミュレーターを利用した公民連携での空き家対策事業が、令和3年度・令和4年度の国土交通省「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に2年連続で採択されています。本事業を通じて空き家解体の検討を早期化することによって、社会課題である「空き家問題」の解決や、昨今注目を集めている「住まいの終活」の推進に取り組んでいきます。