マイクロソフトとの5G技術とエッジコンピューティングサービスの共同接続検証について

この記事は約8分で読めます。
 当社は、マイクロソフト社(注1)(以下、マイクロソフト)と共同で2022年7月に「FUJITSUコラボレーションラボ」(注2)で実施した、当社の5Gネットワーク環境を構築する技術とマイクロソフトのエッジコンピューティングサービスの接続検証を、2023年3月に開設予定の英国バーミンガムの当社検証施設でも2023年度より実施します。検証の実施施設を欧州にも設け、順次拡充することで、プライベート5G(注3)をベースとしたビジネス共創やサービス提供をグローバルに展開することを目指します。本検証の内容については、2023年2月27日(月曜日)から3月2日(木曜日)までスペインのバルセロナで開催される「MWC Barcelona 2023」で紹介します。
接続検証では、当社の基地局やアプリケーションおよびプライベート 5G環境を構築する技術と、マイクロソフトの通信事業者およびエンタープライズ向けのソリューション「Azure Private 5G Core」(注4) を組み合わせて、ネットワークやアプリケーション負荷に柔軟に対応する安定した通信を実現し、複雑な管理や設定が不要なプライベート 5Gプラットフォームを、当社のプライベート5G商用環境に構築し、動作を確認します。将来的には、基地局からエッジアプリケーションまで全てを、「Azure private MEC」(注5)上の統一プラットフォームに構築し、お客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援し社会課題解決に資するサービスを提供します。
当社はサステナブルな世界の実現を目指す「Fujitsu Uvance」のもと、コネクテッドな社会を実現するデジタルインフラで世界をシームレスに安全に繋げる「Hybrid IT」の取り組みを進めていきます。

【 背景 】
デジタル化が進む社会では、最新のエンタープライズアプリケーションに必要な環境の実現に向けて、高信頼で安定したネットワーク接続が必要とされ、プライベート5Gはそれらを支えるサービスの1つとして注目されています。しかし、現在の一般的なプライベート5Gサービスの導入には、専門技術やノウハウが必要で、稼働まで数か月を要する場合があり、導入後も複雑な管理が必要です。また、お客様のビジネスや課題に応じてネットワークリソースを拡張、縮小できる柔軟性も求められます。

【 接続検証の概要 】
当社は、こうした課題を解決し、エッジコンピューティング上で5G基地局からエッジアプリケーションまでを一括管理するプラットフォームの構築を目指した検証を、マイクロソフトとともに、当社の検証施設「FUJITSUコラボレーションラボ」で2022年7月に実施しました。

本検証では、5Gの高速・大容量、超低遅延、多数接続などの機能追加に柔軟に対応し、ユースケースごとに適切なパフォーマンスを提供できる当社のプライベート5Gサービスと、クラウドによりグローバル全体で統合された大規模かつ、柔軟性の高い管理が可能なマイクロソフトの「Azure Private 5G Core」と 「Azure Stack Edge」 (注6)を含む「Azure private MEC」ソリューションを接続し、システムの性能や高精細映像のAI分析における動作の検証などを行いました。その結果、ネットワークやアプリケーション処理の負荷に柔軟に対応できるプライベート5Gプラットフォームを構築できることを、国内で初めて実際の商用環境において確認(注7)しました。これにより、無人搬送車(AGV)の自動運転や高精細4Kカメラの映像伝送といったユースケースにおいて、高速・大容量かつ低遅延なデータ通信の実現が期待されます。2023年度からは、当社の英国バーミンガムの検証施設において、グローバルなパートナー企業とのビジネス共創を目的に、様々なユースケースを想定した同様の検証を行う予定です。

図1:本検証で構築したプライベート5Gプラットフォームの機器構成イメージ図1:本検証で構築したプライベート5Gプラットフォームの機器構成イメージ

 

図2:今後実現を目指すプライベート5Gプラットフォームのイメージ図2:今後実現を目指すプライベート5Gプラットフォームのイメージ

【 今後の展開 】
当社は、5G基地局からエッジアプリケーションまでを全て「Azure private MEC」上に構築できるようにすることを目指し、5G接続のさらなる簡略化や、複雑な導入や管理を必要としないプライベート5Gプラットフォームの実現に取り組みます。また、本検証をリファレンスとし、変化の激しいビジネスに、より柔軟かつ迅速にネットワークを即応させるサービスを提供することで、ネットワーク全体の課題であったスケーラビリティと可用性を追求し、新たな顧客体験の価値創造や社会課題の解決に貢献していきます。

【 富士通 Uvance本部 Head of Hybrid IT 荒井 孝二の コメント 】
当社は、シームレスに安全に繋がるコネクテッドな社会の実現に向けて、重要なパートナーの1つであるマイクロソフトと共同で検証を実施し、プライベート5Gとエッジコンピューティングの組み合わせの有効性を確認できたことを非常に嬉しく思っています。市場をリードする当社の5Gソリューションとマネージドサービスは、マイクロソフトの「Azure private MEC」サービスの力と相まって、繋がる事の価値をグローバルな市場に提供し、5Gとデジタル、エッジコンピューティングの融合における豊かな顧客体験を実現する上で重要な役割を果たすでしょう。今後、当社は、マイクロソフトと協力し、お客様のDXおよび成長を支援します。

【 マイクロソフト プロダクトマネジメントバイスプレジデント Shriraj Gaglaniのコメント】
マイクロソフトは、プライベート5Gと最新のコネクテッドアプリケーションシステムにより、コンピューティング機能をクラウドからエッジに拡張しています。Microsoft Azure private MECを活用することで、富士通のようなリーディングカンパニーと共に、お客様が必要なときに必要な場所で、高性能なアプリケーション体験を提供していきます。

【 商標について 】
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

【 関連リンク 】
・当社プライベート5G紹介サイト(https://www.fujitsu.com/global/services/business-services/5g/
・当社MWC2023特設サイト(英語)(https://www.fujitsu.com/global/microsite/mwc-2023/

 【 注釈 】
(注1)マイクロソフト社:本社:米国 ワシントン州 CEO Satya Nadella
(注2)FUJITSUコラボレーションラボ:
5G技術を活用したソリューションの検証や評価を行う当社の実証施設。2020年3月に国内初の商用ローカル5G無線局免許を取得し開設(所在地:神奈川県川崎市)
(注3)プライベート5G:
企業や自治体が建物や敷地内に専用の5Gネットワークを構築する方法。日本では一般的にローカル5Gとも呼ばれるが、海外ではプライベート5Gという呼称が一般的。
(注4)Azure Private 5G Core:
通信事業者やシステムインテグレーターがAzure Stack Edgeなどの製品上にプライベート5Gネットワークの展開を可能とするAzure private MEC向けのサービス型5Gコア。
(注5)Azure private MEC:
ネットワーク機能、アプリケーション、およびエッジに最適化されたAzureサービスを組み合わせて、企業のお客様の最新のビジネスニーズに対応する高性能かつ超低遅延なソリューション。
(注6)Azure Stack Edge:
エッジ上でAIを実行することで様々な分析結果を取得することを可能とするマイクロソフト社がサービスとして提供するハードウェア。
(注7)国内で初めて実際の商用環境において確認:2023年2月21日現在 マイクロソフト調べ

【 当社のSDGsへの貢献について 】

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。富士通のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。

 

本件が貢献を目指す主なSDGs本件が貢献を目指す主なSDGs

≪本件に関するお問い合わせ≫
富士通コンタクトライン(総合窓口)
電話 0120-933-200
受付時間: 9:00~12:00および13:00~17:30(土・日・祝日・当社指定の休業日を除く)
お問い合わせフォーム
https://contactline.jp.fujitsu.com/customform/csque04802/873532/

プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。

タイトルとURLをコピーしました