今回は、現金の集金業務(客先への訪問集金など)に携わる現場作業員を対象とした調査(「現金の集金業務やDXについての意識調査」(以下調査A))と、国内の企業で請求業務(請求、入金管理や督促など)に携わる経営者や営業職を対象とした調査(「請求業務やDXについての意識調査」(以下調査B))の2つの調査結果を公開いたします。
■調査結果ハイライト
①集金を担当する現場作業員の83%、営業職の74%が「DXが必要な部署がある」と回答する一方で経営者はわずか47%
⇒社内の役職間におけるDXに対する意識の違い、いわゆる「DX意識格差」が存在していることを示す結果に
②集金を担当する現場作業員の約8割が現金にまつわるトラブルを経験し、現金の取扱をやめたいと回答
③請求業務を行う営業職が請求業務にかけている時間の平均は月約14時間(年間約21日分)
⇒集金・請求業務ではトラブル対応などの時間が割かれる業務が多く、工数削減の必要性が明らかに
■実施概要
【調査A】
・調査名 :「現金の集金業務やDXについての意識調査」
・調査期間:2022年12月28日~2023年1月4日
・調査対象:勤め先で「現金」による訪問先・客先・施工先などでの会計や訪問集金を行う人(回答数:289)
・調査方法:インターネット調査
【調査B】
・調査名 :「請求業務やDXについての意識調査」
・調査期間:2022年12月27日~2022年12月28日
・調査対象:経営者(回答数:360)、営業職(回答数:361)
・調査方法:インターネット調査
※本リリースに関する内容をご掲載の際は、必ず「ネットプロテクションズ調べ」とご記載ください。
■総括
今回の調査で、現金の集金業務(客先などへの訪問集金など)に携わる現場作業員や、請求業務に携わる経営者、営業職のそれぞれにDXについての調査を行ったところ、その意識には大きな違いがあることが分かりました。「DXが必要な部門、部署がある」と回答した現場作業員・営業職はそれぞれ82.7%、74.2%だったのに対し、経営者はわずか46.9%に留まっています。また、営業職は自らが所属する「営業や販売などを担当する部署」のDXを半数以上が望んでいるのに対し、経営者がDXが必要な部門、部署として「営業や販売などを担当する部署」と回答したのは18.6%でした。今回は、このような社内の役職間におけるDXに対する意識の違いを「DX意識格差」と捉えています。
経営側も現場側も業務の効率化やコスト削減というDXへの期待は一致しているはずなのに、なぜ「社内のDX意識格差」が生じているのでしょうか。
調査の結果、営業職にとっての請求業務のように、その業務自体が直接利益には繋がらないいわゆる「ノンコア業務」の現場において、高い割合で「顧客の支払い遅延」や「未回収金の発生」などのトラブルが起こっており、限りある業務時間の中で一定の時間が集金業務や請求業務に割かれていることがわかりました。
経営側は現場で起きているこれらの実態を正確かつ具体的に理解・把握できているのでしょうか。必要とされるのは社内で何が起きているかの正確な理解・把握であり、「社内のDX意識格差」が生じる一因はこうした現場の実態に対する理解・把握が遅れていることにあるのかもしれません。各部署や役職における「ノンコア業務」をDXの名のもとに解放していくことこそ、その先の顧客に対する手厚いサービスを提供する時間の確保につながるのではないでしょうか。また、DXを推進することは「新たな価値創造ができる業務に挑戦してみたい」という社員のポジティブな意欲を引き出す一歩となる可能性を感じさせる調査結果となりました。
■画像データ格納先
https://x.gd/QomIN
■調査結果詳細
<DXについての調査結果>
【調査A】(「現金の集金業務やDXについての意識調査」)
集金を担当する現場作業員で「あなたの会社でDXが必要とされる部門、部署はありますか?」の問いに「特になし」と回答した人はわずか17.3%で、残りの82.7%はDXが必要な部門、部署を回答。
DXの期待される効果としては「業務の効率化」(69.1%)、「コスト削減」(64.6%)が上位を占める。次いで「新規顧客の開拓」(36.6%)や「自社製品・サービスの品質向上」(34.1%)とDXによる売上創出のための活動への期待が続いた。
「社内の業務がもっと効率化すれば、顧客対応の時間は拡大されると思いますか?」の問いに「はい」と回答した人は79.6%で、「仮に社内の業務がもっと効率化したとき、空いた時間でより価値創造を発揮できる業務に挑戦してみたいと思いますか?」に「とても思う」「やや思う」と回答した人の合計は85.1%。
集金を担当する現場作業員の8割以上がDXが必要な部門、部署があると回答し、業務の効率化やコスト削減を主に期待している。また、社内の業務効率化により顧客対応の時間は拡大されると考え、空いた時間でより価値発揮ができる業務に挑戦してみたいというポジティブで意欲的な回答が約8割を占めた。
【調査B】(「請求業務やDXについての意識調査」)
DXの期待される効果として経営者は「業務の効率化」(68.0%)、「コスト削減」(53.9%)、営業職も「業務の効率化」(73.4%)、「コスト削減」(51.7%)と続き、DXへの期待効果は一致している。
「DXが必要とされる部門、部署はありますか?」という問いに対しては、経営者は「営業・販売」(18.6%)、「企画・開発」(18.1%)、「経理・財務」(17.5%)と回答が全体的に低調で分散しているのに対し、営業職は「営業・販売」(50.7%)、「企画・開発」「マーケ・広報宣伝」(同21.9%)と、自身が所属する部署にDXの必要性を感じている。
また、DXが必要とされる部門、部署は「特になし」と回答した営業職はわずか25.8%で残り74.2%がDXが必要な部門、部署を回答しているのに対し、同様の問いに「特になし」と回答した経営者は53.1%で残り46.9%がDXが必要な部門、部署を回答している。
DXの期待効果は経営者、営業職のどちらも業務効率化やコスト削減と一致しているが、DXが必要な部門・部署を尋ねる問いに対しては経営者の53.1%が「特になし」と回答する一方で営業職は「特になし」が25.8%にとどまっている。また、経営者は会社全体を俯瞰して見ていると考えられるためDXが必要な部門、部署の回答の割合にはあまり差がないのに対し、営業職は自分が所属する部署に対してDXが必要と回答する割合が多い。社内の役職間におけるDXに対する意識の違い、いわゆる「DX意識格差」が存在していると考えられる。
<集金業務や、請求業務についての調査結果>
【調査A】(「現金の集金業務やDXについての意識調査」)
集金を担当する現場作業員で「トラブルは発生していない」と回答したのは21.1%で、残りの78.9%は現金にまつわるトラブルを経験している。トラブルの内容としては、1位「未回収金の発生」(52.9%)、2位「顧客の支払い遅延」(45.3%)、3位「売上と集金金額が一致しない」(38.1%)と続く。
集金業務にかけている1日あたりの時間の平均は1位「客先・施工先などでの現金集金」(36.2分)、2位「集金のための客先・施工先などへの再訪問」(17.7分)、3位「集金した現金の有高確認」(9.4分)と続く。特に時間が割かれている「客先・施工先などでの現金集金」を1か月(20営業日)で換算すると、1か月あたり約12時間をその作業に充てていることがわかった。
集金を担当する現場作業員で「現金の取り扱いをやめるべきだと思いますか?」の問いに「とても思う」「やや思う」と回答した人の合計は79.5%。
現金の取り扱いをやめたい理由としては、1位「集金のための訪問業務の負荷が大きい」(58.7%)、2位「現金の過不足をチェックする業務の負荷が大きい」(57.8%)、3位「盗難や紛失など現金を失うリスクを押さえたい」(50.0%)がいずれも半数以上となった。
集金を担当する現場作業員の72.3%は「取引先やお客様から、現金払い以外の方法で支払いたいといった要望を受けたことがある」と回答。
集金を担当する現場作業員は約8割と高い割合で現金にまつわる何らかのトラブルを経験しており、同じく約8割が「現金の取り扱いをやめるべき」と回答。現金の取り扱いをやめたい理由としては、集金のための訪問業務や現金の過不足チェックの負荷、盗難・紛失のリスクが上位に。また、取引先やお客様から「現金以外で支払いたい」と要望を受けたことがある人は約7割で、集金を担当する現場作業員、顧客の双方にとって現金の取り扱いに改善が必要とされていることが明らかに。
【調査B】(「請求業務やDXについての意識調査」
「お金にまつわるトラブルは発生していない」と回答した人は経営者が56.4%、営業職が49.0%で、残り43.6%の経営者、51.0%の営業職が何らかのお金にまつわるトラブルを経験したことがあるという結果に。代表的なトラブルとしては、経営者、営業職ともに「顧客の支払い遅延」、「未回収金の発生」、「売上と入金額の不一致」が上位を占めた。
請求業務にかけている1日あたりの時間の平均は、経営者は「入金確認」(10.8分)、「督促・回収対応」(7.1分)と続く。営業職は「督促・回収対応」(12.2分)に最も時間を割かれており、その後「入金確認」(11.6分)と続いている。
また、いずれかの請求業務を行っている営業職の人が、1日のうちに請求業務を行っている時間の平均を算出したところ、42.1分という結果になった。(n=150)これは月20営業日で換算すると月約14時間、1日の労働時間を8時間とすると年間で約21日分もの時間を本業以外に費やしている計算となる。
経営者、営業職は役職に関わらず約半数前後が何らかのお金にまつわるトラブルを体験している。経営者と営業職では携わる請求業務に大きな違いはないものの、営業職が本業ではない請求業務に年間約21日分もの時間を費やしていることが明らかになり、業務負担削減の必要性が伺える結果に。
■NP後払いairについて
「NP後払いair」は、個人向けサービスの多様な運用ニーズに対応する後払い決済サービスです。修理、家事代行からレンタルまで、多様な個人向けサービスでご利用いただけます。情報を入力し、ボタンを押すだけのかんたんな操作で、請求業務全てを請け負います。請求書発行、代金回収、入金確認を代行し、貸し倒れリスクも保証。支払先も銀行、コンビニ、郵便局、LINE Pay請求書払いを揃え、エンドユーザーの利便性を高めます。
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■NP掛け払いについて
「NP掛け払い」は、企業間取引向けの後払い決済サービスです。当社が企業(売り手)と企業の顧客(買い手)の間に入り、買い手への与信から請求書発行、代金回収までの決済・請求業務全てを請け負い、未回収リスクを保証します。「NP掛け払い」の導入により、売り手は決済・請求業務をまるごとDX化し、かつコア業務に集中できます。また未回収リスクを保証することで経営基盤の安定化を図れます。加えて、従来の信用機関に依存しない独自の与信審査によって個人事業主に対しても与信通過率99%(※1)と柔軟に掛け売りが提供できるため、販路拡大・売上向上が見込めます。買い手は掛け払いを利用することでキャッシュフローの改善を期待できます。2022年現在、NP掛け払いの年間取扱高は979億円、年間利用社数46万社と「日本で8社に1社が使っている決済(※2)」となりました。今後も「NP掛け払い」はサービス提供を通じて、あらゆるステークホルダーがより自由に挑戦や成長ができる環境づくりに貢献できるよう努めてまいります。
詳細はこちら:https://np-kakebarai.com/
※1)2022年3月31日時点。
※2)日本企業数約385万社(経済産業省「2021年版 中小企業白書」)÷2021年3月期の年間ユニーク購入企業46万社により算出。
■株式会社ネットプロテクションズ 概要
当社は国内BNPL決済サービスのパイオニアであるとともに、BtoC取引向け国内BNPL決済サービス市場においてシェア率No.1(※3)を誇るリーディングカンパニーです。2002年より、日本で初めて未回収リスク保証型の後払い決済サービス「NP後払い」の提供を開始し、2022年3月までに年間ユニークユーザー数(※4)が1,500万人超に達し、累計取引件数が3.4億件を突破するまでに至りました。2011年より、同サービスにより培った独自の与信ノウハウとオペレーション力を企業間取引向けに展開した「NP掛け払い」の本格販売を開始し、2021年度の年間流通金額では前年比約30%の成長率で伸長しています。2017年には、EC物販だけでなくデジタルコンテンツ・実店舗など様々な業種で導入可能な後払い決済「atone(アトネ)」の提供を開始しました。さらに2018年には、台湾においてもスマホ後払い決済サービス「AFTEE(アフティー)」をリリースしました。当社はこれらの事業運営によって高い技術と豊富な実績に基づいた与信とオペレーションが構築されており、決済サービスを通じて誰もが安心かつスムーズに商取引できる社会の実現を目指しています。
【商号】
株式会社ネットプロテクションズ
(株式会社ネットプロテクションホールディングス(東証プライム、証券コード7383)グループ)
【代表者】
代表取締役社長 柴田 紳
【URL】
https://corp.netprotections.com/
【事業内容】
後払い決済サービス「NP後払い」の運営
企業間決済サービス「NP掛け払い」の運営
訪問サービス向け後払い決済サービス「NP後払いair」の運営
新しいカードレス決済「atone(アトネ)」の運営
台湾 スマホ後払い決済「AFTEE(アフティー)」の運営
ポイントプログラムの運営
【創業】
2000年1月
【資本金】
1億円
【所在地】
〒102-0083 東京都千代田区麹町4丁目2-6 住友不動産麹町ファーストビル5階
※3)矢野経済研究所「オンライン決済サービスプロバイダーの現状と将来予測2022年版」P86より、後払い決済サービス市場のシェア(2020年度)を参照。
※4)2021年4月1日~2022年3月31日における「NP後払い」の利用者のうち、氏名・電話番号の双方が一致する利用者。