core-js はオープンソースの JavaScript ライブラリで、古いブラウザにおいても JavaScript の最新機能を使えるようにする Polyfill としてデファクトスタンダードとなっており、近年の JavaScript (TypeScript) 人気を支えている技術です。
Apple や Microsoft、Netflix、Amazonといった大企業を含む非常に多くのウェブサイトに利用されています。
月間ダウンロード数は 2 億 5000 万回に上り、2014 年リリース以来の合計ダウンロード数は約 90 億回に達している重要なプロジェクトです。
しかし、多くのソフトウェア開発者は間接的に core-js を使用しているため、その恩恵を受けていることに気づいておらず、利用数と開発工数が増え続ける中、適切な資金を得ることができていません。
Epics DAO はこのようなリソース不足の解消に少しでも貢献するため、オープンソース開発プロジェクトに対しての助成金プログラムを発表しました。
Epics DAO は深刻なリソース不足を抱えるオープンソースソフトウェア開発に向けて、持続可能性を高めるべく助成金プロジェクトの開始を発表しました。
限界の悲鳴を上げ始めたオープンソースソフトウェア開発
core-js はオープンソースの JavaScript ライブラリで、古いブラウザにおいても JavaScript の最新機能を使えるようにする Polyfill としてデファクトスタンダードとなっており、近年の JavaScript (TypeScript) 人気を支えている技術です。
Apple や Microsoft、Netflix、Amazon、Paypal、Spotify といった大企業を含む非常に多くのウェブサイトに利用されています。
現在の月間ダウンロード数は 2 億 5000 万回に上り、2014 年リリース以来の合計ダウンロード数は約 90 億回に達しており、1900 万もの GitHub リポジトリから採用されています。
しかし、多くのソフトウェア開発者は Babel などのトランスコンパイラを通じて間接的に core-js を使用しているため、その恩恵を受けていることに気づいておらず、利用数と開発工数が増え続ける中、適切な資金を得ることができていません。
開発者は開発に専念する必要がある一方で、プロジェクト開発資金を得るためには相応のマーケティング活動を求められます。 core-js の作者である Denis Pushkarev (zloirock)氏は急激な需要増加と素早く変わり続ける技術環境に対応するため、フルタイムの仕事をやめ収入を 1/4 以下に減らしながらも core-js の開発に専念し相当な時間を費やしましたが、マーケティング活動に割くことのできるリソースはほとんど残されていませんでした。
そのため、多くの企業が core-js のおかげで利益を伸ばし続ける中においても、適切に資金提供を受けることができていません。実際に zloirock 氏は多くの助成金プログラムに申し込み、core-js を利用している様々な大企業に資金援助を申し出たのですが、思うような結果を得られていません。
現在、月間 250 時間を core-js に費やして収入はわずか 400 ドル。時給換算するとたったの 200 円ほどです。その実績と全く見合っていないどころか、もはや生活を続けることが困難な状態に陥ってしまっています。
zloirock 氏は、「これは core-js を適切な品質と機能を持つ無料のオープンソースプロジェクトとして維持するための最後の試みです。オープンソースソフトウェアの向こう側には、家族を養い、解決するべき問題を抱えた現実の人間がいることを伝える最後の試みです。もし、あなたやあなたの会社が何らかの形で core-js を使っており、サプライチェーンの品質に興味があるなら、このプロジェクトをサポートしてください」と述べ、支援を募っています。
適切な財政的支援が得られれば、core-js の機能を維持するためのメンテナンスを継続することができ、追加の開発者を雇用することも可能です。しかし、不可能であれば core-js を商用プロジェクトにして資金をまかなうか、フルタイムの仕事を得て core-js の作業を月数時間程度に減らし、やがて core-js は死を迎えるかのどちらかだと zloirock 氏は述べました。
zloirock 氏 – So, what’s next?: https://github.com/zloirock/core-js/blob/master/docs/2023-02-14-so-whats-next.md
持続可能なオープンソースソフトウェア開発のための助成金プロジェクト
Epics DAO はこのようなオープンソースソフトウェア開発のリソース不足解消に少しでも貢献するため、オープンソース開発プロジェクトに対しての助成金プログラムを発表しました。
対象プロジェクトは助成金($EPCT)を利用して、GitHub issue に対する懸賞金クエストを作成することができます。
基本的に無償で行われているオープンソースソフトウェア開発ですが、問題(GitHub issue)に懸賞金がかかることによって、より多くの開発リソースを集めることができるようになります。
Grants Program for Open Source Project 申込みフォーム: https://forms.gle/sNCyG2BXBx3cuaHT8
CoinGecko – $EPCT: https://www.coingecko.com/en/coins/epics-token
日々重要性が増していく中、深刻なリソース不足を抱えるオープンソース開発
2022 年、全てのコードベースにおけるオープンソースソフトウェアの占める割合は 78% に上りました。
この 12 年間でソフトウェア開発現場におけるオープンソースソフトウェアの利用は一気に業界標準となっています。
現在のイノベーションにオープンソースソフトウェアは不可欠と言っても過言ではありません。
しかし、現在もオープンソース開発への貢献は基本的に無償で行われているため、日々オープンソースソフトウェアの重要性が増していく中、オープンソース開発プロジェクトは深刻なリソース不足を引き起こしています。
一方でオープンソースソフトウェア開発に専念して生活を送りたい開発者も数多く存在しています。
Epics DAO は Web3 トークンエコノミーとゲーミフィケーションの力でこのリソース不均衡問題の解決に取り組んでいます。
詳細 (スライド): https://speakerdeck.com/epicsdao/epics-buidl-to-earn-ri-ben-yu
Epics DAO ウェブサイト: https://epics.dev/ja