今回のプロジェクトは、亀岡市文化資料館が所蔵する文化財をはじめ、市内各地の伝統芸能・祭事・風習・自然などの歴史文化資源をデジタルデータ化して記録・保存する、ホームページおよびメタバースのプラットフォームを構築するものです。京都府有数の農地である亀岡市周辺地域は、奈良時代から豊穣の地として重視され、多くの寺社が建立されました。また、源義経、足利尊氏、明智光秀が戦いの拠点を置くなど歴史に銘記される大事件の裏舞台でもあったことから、数々の貴重な文化財が残されています。そんな亀岡の豊かな地域資源や歴史、文化の保存とともに、その魅力を国内外の人々に伝え、また、これらを新たに生み出し継承していく人材が育つ持続可能な街づくりを目指し、本事業の実施が決定しました。
stuと株式会社乃村工藝社が協働で進める本プロジェクトは、“亀山城下町内外のくらしと歴史”、“保津川と古都・京都とのつながり”、“国分寺と仏教文化”を主軸に、大正時代に爆破・破却となった亀山城をメタバース空間で復元するなど、タイムスリップしたような体験ができる空間設計を行う予定です。また、その空間内にデジタル文化資料館などの施設を作り、魅力を伝えていける仕組みも構築。23年春の公開を目指し、制作活動を進めています。
stuは、これまで手掛けてきた総合エンターテインメント企画、建築・最新テクノロジー開発・ビジュアルデザインなどの技術と知見を活かし、亀岡の地域資源、歴史文化のメタバース構築によって、まちの伝統保存とさらなる発展を推進してまいります。
- 事業概要
本事業では、ホームページ、メタバース、データベース、ラボと 4 つの要素に分け、各要素が相互に連携するプラットフォームを構築します。メタバースを含むオンライン上での体験を通し、様々な文化財を伝えることで亀岡市の認知度向上や観光誘客、ブランド価値の向上を目指します。
【1】ホームページ
亀岡市文化資料館とデジタル文化資料館としてのホームページで、メタバースやデータベースへの入り口として位置付けます。
【2】メタバース
明智光秀が築城した丹波亀山城や城下町・円山応挙ゆかりの金剛寺をメタ―バース上に復元します。その他、貴重な文化財や保津川、農村のくらし等を再現し、メタバースならではの体験ができるコンテンツを制作します。
【3】データベース
文化資料館が所蔵する数多くの文化財をデジタルデータ化し、解説文や基本情報をあわせ、各文化財の魅力に触れられるデータベースを構築します。
【4】ラボ
2D データおよび 3D を制作できる拠点を整備し、データ化したものをメタバースやデータベース上に搭載する仕組みを構築します。
- スケジュール(予定)
2022 年 12 月:メタバースの構築開始
2023 年 1 月:文化財のデジタルデータ化
2023 年 2 月:ラボの完成
2023 年 3 月:プラットフォーム完成記者会見
2023 年春公開予定
- 参画企業/関連団体コメント
■亀岡市長 桂川孝裕
「今回の取り組みは現存するものだけでなく、失ってしまった文化財や当時の人々のくらしに触れる可能性をもひらく、亀岡市としても初の試みです。ぜひこの機会に亀岡のことを知り、その魅力を感じてもらえれば幸いです。」
■stu 代表取締役CEO 黒田貴泰
「メタバースや先端技術を用いて、歴史的な文化財の保存をするという今回のプロジェクトの事業者にstuが採択されたことを大変嬉しく思っています。本プロジェクトを通じて、より多くの人たちに亀岡市の魅力を体験してもらい、地域の活性化に繋がっていくことを期待しています。」
■株式会社乃村工藝社 事業統括本部 クリエイティブ本部
プランニングセンター 企画3部 部長 渡邉 創 / no.10 部長 青野恵太
「博物館展示の企画・設計・製作の第一人者としてこれまで培ってきたノウハウを結集し、メタバースならではの博物館体験デザインにチャレンジします。デジタル展示物とともに展示がもつ可能性を拡張させ、物理的に安心・安全を保つ環境から解き放たれた、いわば無限に広がる空間と情報をデザインし、多様な利用者の興味・関心に応えます。」
【京都府亀岡市について】
京都市の西となりに位置する京都府内有数の農地を誇る亀岡市は、京に都が置かれる以前の奈良時代から豊穣の地として注目され、丹波国分寺・国分尼寺が置かれました。また、足利尊氏や明智光秀は丹波・亀岡の地から動き、日本の歴史を変えていきました。亀岡市は、古都・京都よりも歴史が古く、また歴史の変革期に動いたまちです。
【stuについて】
株式会社stuは、ローカル5G、XR、メタバースといった先端技術開発や開発した技術を駆使した空間演出・コンテンツ制作まで手掛ける新興クリエイティブカンパニーです。世界に先駆けた総合エンターテインメント企画を手掛け、建築・最新テクノロジー開発・ビジュアルデザインなど様々な領域をつなぎ、新たな創造価値を提供しています。
HP:https://stu.inc/