さまざまな業界においてデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが進む中、産業分野では、CGやゲームエンジン(注1)、メタバース(注2)といった、エンターテインメントの世界で活⽤されてきたテクノロジーが注⽬を集めています。⾃動運転、製品検査、人物認識など、機械学習による画像認識では実写に代わる教師データとしてCGを活用する試みが実用化されています。また、土木・建築業界では、BIM(注3)データや点群データ(注4)を取り込んだデジタルツイン(注5)による可視化で工事進捗をレビューするなど、あらゆる場⾯でCG・ゲームエンジンの活用が本格的な広がりを見せ始めています。
そこで当社では、昨年に引き続き、ゲーム・エンターテインメント以外の事業におけるCG・ゲームエンジン活用の実態を調査すべく、下記の通りアンケートを実施しました。
なお、本件は昨年も同様の設問にて実施したアンケート調査企画の2022年度版となります。
【調査概要】
- 調査対象 :日経クロステック Active会員
- 調査手法 :日経クロステック ActiveでのWebアンケート調査
- 調査期間 :2022年 8月26日~11月8日
- 有効回答数:150名(勤務先の従業員数100人以上に限定)
- 調査資料 :https://go.siliconstudio.co.jp/wp_download/cg-gameengine-202211/
【調査結果のポイント】
- 回答者の35%がCG・ゲームエンジンの「活用方法を知っている」(昨年比+7ポイント)
- 回答者の11%が「すでに導入・活用している」(昨年比+5ポイント)、9%が「検討している」(昨年比+4ポイント)
- 回答者の37%が「各種シミュレーション」および「ビジュアライゼーション」で活用中もしくは検討中(昨年比+7ポイント)
- 活用で期待する効果は昨年と順位は変わらず1位が「業務・成果物の質の向上」で57%(昨年比+7ポイント)、2位は「業務の効率化・スピードアップ」で53%(昨年比+3ポイント)
【調査結果(抜粋)】
1.回答者の35%がCG・ゲームエンジンの「活用方法を知っている」
自身の業種(携わられている主な事業)におけるCG・ゲームエンジンの活用方法を「詳しく知っている」が8%(昨年比+5ポイント)、「ある程度知っている」が27%(昨年比+2ポイント)、合計すると「知っている」と回答した人が全体の35%を占める結果となりました(昨年比+7ポイント)。
一方で、「まったく知らない」という人の割合は37%(昨年比−1ポイント)と昨年とほぼ変わらず、回答者から役職者の割合が減ったこと、および一定の活用が必要とされない業種・業界ではまだまだ一般的なテクノロジーではないことによる影響が考えられます。
2.回答者の11%が「すでに導入・活用している」、9%が「検討している」
CG・ゲームエンジンを「すでに導入・活用している」と回答した人は11%で、昨年の調査から5ポイント増えました。また、「現在導入・活用を検討している」と回答した人は9%で、昨年の調査から4ポイント増。「活用中」と「検討中」の合計は20%と昨年より倍増しており、市場における普及のステージは変わりつつあることがうかがえます。
3.回答者の37%が「各種シミュレーション」および「設計・計測データによるビジュアライゼーション」で活用中もしくは検討中
CG・ゲームエンジンの導入・活用分野は、「わからない・未定・活用する可能性はない」を除くと「各種シミュレーション」と「設計・計測データによるビジュアライズ」が最も多く、昨年の調査から7ポイント以上増加し、全回答者の約4割が活用している、または検討しているという結果となりました。この分野での注目度、認知度、効果への期待度の向上がうかがえます。
4.活用で期待する効果は昨年と順位は変わらず1位が「業務・成果物の質の向上」で57%、2位は「業務の効率化・スピードアップ」で53%
CG・ゲームエンジン活用への期待は、「業務・成果物の質の向上」の74、「業務の効率化・スピードアップ」の73が最も多く、半数がコスト削減よりも業務の質と効率の向上に期待していることがわかりました。
回答者の属性および導入・活用についての疑問や不明点についての自由記述を含めた調査結果については、下記URLの当社WebサイトよりPDF形式にてダウンロードいただけます。
https://go.siliconstudio.co.jp/wp_download/cg-gameengine-202211/
注1)ゲームエンジン:コンピューターゲーム開発に必要なライブラリやツールなどの機能がまとまった、GUIベースの統合開発環境
注2)メタバース:利用者が自分の分身(アバター)を通して現実世界と同様の活動ができるインターネット上の3DCGによる仮想空間
注3)BIM:コンピューター上に作成した3次元の立体モデル(BIMモデル)に、形状や部材、地理情報などの属性データを追加し、設計から施工、維持管理に至るまでの建築ライフサイクルにおいて蓄積されたデータを構築・管理するワークフロー
注4)点群データ:物体や地形を3Dレーザースキャナーなどで計測した無数の3次元座標を持つ「点」によって構成されるデータの集合で、X、Y、Zの基本的な位置情報や色などの情報を持つ
注5)デジタルツイン:現実空間に実在している物体や環境に関する情報を収集し、仮想空間に再現する技術
■ シリコンスタジオ株式会社について
当社は、世界最高レベルの技術力をもって、創る人と愉しむ人に感動を与えることを目指す企業です。ゲームや映像制作スタジオ向けに加え、自動車、映像、建築など、さまざまな業界向けに3DCG技術等を提供する開発推進・支援事業、クリエイター職の派遣・紹介に特化した人材事業を展開しております。企画、技術、人材、運営など、ゲーム企業が抱えるすべての課題をワンストップで解決できること、および、ゲーム業界で培った3DCG技術等を他業種にも展開できることが強みです。ポストエフェクトミドルウェア『YEBIS』、リアルタイムレンダリングエンジン『Mizuchi』、リアルタイムグローバルイルミネーション『Enlighten』といった、高度な技術をゲーム制作現場に提供するシリコンスタジオのミドルウェアは、これまでワールドワイドで数多くのAAAタイトルに採用されてきました。
https://www.siliconstudio.co.jp/
コンピューターグラフィックス(CG)は、無限の可能性を秘めています。
映像・エンターテインメント分野では表現の幅を拡げ、土木建築・自動車といった産業分野では、可視化やHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)などに活用されています。AI・ディープラーニングの分野においても、学習データとしての活用が進み、その成果が評価され始めています。また、5Gのような高速大容量で低遅延を実現するネットワーク環境やクラウドの活用は、ユーザーエクスペリエンス(UX)にさらなる変革をもたらすでしょう。
私たちシリコンスタジオは、自社開発による数々のミドルウェアを有し、CGの黎明期から今日に至るまでCG関連事業に取り組み、技術力、表現力、発想力の研鑽を積み重ねてきました。それら3つの力を高い次元で融合させ、CGが持つ可能性を最大限に発揮させられること、それが私たちの強みです。
Ideas × Art × Technology
私たちはCG業界をリードするソリューションプロバイダーとして、お客さまの課題解決はもちろん、付加価値のあるアウトプットの提供をお約束いたします。
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