ノキア、ドコモおよびNTTと6Gの実現をめざす

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エスポー(フィンランド) – ノキア(本社:フィンランド エスポー)は本日、6Gの実現に向け、6Gの主要技術の定義および開発において、株式会社ドコモ(本社:東京都千代田区、以下ドコモ)および日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、以下NTT)と提携することを発表しました。今回の提携は、AIネイティブのエアインターフェースと、サブテラヘルツ波の無線アクセスの2つの新しい6G技術に焦点を当てています。AIベースの6Gのエアインターフェースは、従来のエアインターフェースと比較して性能が向上し、高速大容量のビームフォーミング・アクセスは、140GHzの高周波帯域で達成できることを実証目標にしています。

ノキアとドコモはこれまでも先駆的な研究を共同で行い、新しい無線技術を生み出してきた長い歴史があります。1990年代の3G、それに続く4G、そして5G O-RANといった今日の5Gに至るまで、両社は協業によってアイデアを実現し、新境地を切り開き、エンドユーザーに最適な体験を提供してきました。今回の発表では、ノキア、ドコモ、NTTが次世代技術の共同開発を引き続き進めていくことをお伝えいたします。

ノキアは、6Gが既存の技術やシステムの上に構築されるだけでなく、ネットワークの能力を拡大し、変革するものになると考えています。それは人間、現実、デジタルのそれぞれの世界を融合させ、私たちに本来備わっている人間の可能性を飛躍させます。これを達成するためには、将来の6Gネットワークで、重要な要素となる主要なテクノロジーが6つあると考えています。この6つのテクノロジーとは、新しい周波数帯技術、AIネイティブなエアインターフェース、センサーとしてのネットワーク、極めて優れた接続性、認知的で、自動化され、特殊化されたアーキテクチャ、そして、信頼性の高いセキュリティです。

この6つの主要な技術の中で、今回のパートナーシップでは、まず次の2つに注力します。一つは、ミッドバンドにディープラーニングの受信機を搭載した送信機において、AIベースで学習させた波形のメリットを実証することと、もう一つは、サブテラヘルツ波の周波数帯域で高速大容量の屋内通信を試験することです。これらの技術は、エネルギー消費を必ずしも増加させることなく、各スペクトル帯域で、実装の柔軟性を大幅に改善し、5G以上の高速大容量通信の可能性を秘めています。視覚や聴覚などの複数のコミュニケーションモードを利用した複合現実のテレプレゼンス、リモート・コラボレーション、マッシブ・ツイン、コラボレーションロボットなど、6G時代の高度で新しいユースケースを実現するためには、高速大容量のアクセスを提供することが重要になってきます。

日本国内のドコモおよびNTTの施設、ドイツ・シュツットガルトのノキアの施設で、実験や実証のための環境整備を行い、2022年中に対象となる試験と測定を開始する予定です。

ドコモの常務執行役員(CTO)R&Dイノベーション本部長の谷直樹氏は、次のように述べています。「ドコモは、2014年よりノキアと連携することで、5Gの無線技術検証とともにユースケースの開拓を推進しました。今回のノキアとの合意により、6Gコンセプトの実現に向けても連携できることをうれしく思います。ドコモとNTTは、ノキアと6Gで利用が検討されるサブテラヘルツ帯の無線伝送技術やエアーインターフェースへのAI技術の活用に関する技術検証を開始するとともに、今後様々な業界のパートナーの皆様とともに6Gの商用化に貢献していきます」

ノキアベル研究所のコア研究部門のプレジデントであるピーター・ベッターは次のように述べています。「6Gは、デジタルの世界、実際の世界、および人間の世界を横断して人間の体験を統合していくことを想定しています。世界をリードするノキアの各研究所は、ドコモ様と長年にわたり協業してきました。常に新世代の製品をいち早く市場に投入している世界有数の通信事業者であるドコモ様やNTT様と、このような協業関係を結ぶことができたことを大変光栄に思います。6Gビジョンの実現に向けて、鍵となるコンセプトや技術の検証を協業して進めていきたいと考えています」

ノキアについて
私たちは、世界が共に行動するためのテクノロジーを創造します。
クリティカルネットワークの信頼できるパートナーとして、モバイルネットワーク、固定ネットワーク、クラウドネットワークの分野で、革新をもたらし、技術を主導していきます。数々の受賞歴のあるノキアベル研究所による長期的な研究や知的財産によって新たな価値を創り出します。
また、企業として最高水準の健全性とセキュリティを順守し、より生産的で持続可能なインクルーシブな世界の実現に向け可能性を構築していきます。
 

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