Salesforce、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター、サイバーエージェント、三者共同でデジタル社会における意識調査を実施

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デジタル化に積極的な層が4割弱、消極的な層は3割弱
30代~50代にかけて積極層が少なくなり消極層が増える
女性は40代~60代にかけて消極層の割合が積極層を上回る

株式会社セールスフォース・ジャパン(本社:東京都千代田区、代表取締役会長 兼 社長:小出 伸一、以下「セールスフォース・ジャパン」)は、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(「GLOCOM」)のレジリエントシティ研究ラボ(東京都港区、所長:松山良一、ラボ代表:櫻井美穂子)および、株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋、東証プライム市場:証券コード4751)の官公庁・自治体へのDX推進支援を行う「デジタルガバメント推進室」と共に、社会のデジタル化に対する人々の意識について、全国15歳~80代までの4,128名を対象に調査し、その調査結果を踏まえて様々な統計分析および機械学習を用いた共同調査研究を実施しました。

本調査研究は、国際大学GLOCOMの30周年記念事業の一環として実施し、セールスフォース・ジャパンは行政が住民一人ひとりのニーズに合ったサービスを再構築するのを支援する観点から、サイバーエージェントは利用者にとって使いやすい行政サービスを追求する観点から、3者共同の調査実施に至りました 。

 
■本調査研究の目的と概要
本調査研究は、デジタル社会に対する人々の考え方やイメージ、またデジタル技術でどのような生活の価値観をサポートしてほしいかというニーズの把握を目的としました。そして、インターネット調査による結果をもとに、様々な統計分析および機械学習を用いて回答傾向の分析を行いました。

意識別クラスターとして、デジタル化の進展に対する人々の姿勢を「デジタル積極層」「中立層」「置き去り層」「反デジタル層」の4つの層(クラスター)に分類し、デジタル技術に対して各層がどのようなニーズや暮らしの価値観を持っているのかについて深掘りしました。

本調査で得られたインサイトは以下の通りです。

1. 「年齢」や「生活への満足度」が、デジタル社会への意識の形成に影響を与えている

社会のオンライン・デジタル化の良し悪しと関心の有無、また自身がデジタル化についていけているかどうかを尋ねた質問への回答をもとに、デジタル化への姿勢(積極的/消極的)を基準に「デジタル積極層」「中立層」「置き去り層」「反デジタル層」の4つの層に分類しました。(※1)

【デジタル積極層】:デジタル化に肯定的な意見を持っていて、自分自身がデジタル化の進展についていけていると回答した人(38%)
【置き去り層】:デジタル化に肯定的な意見を持っているが、自分自身はデジタル化の進展についていけていないと回答した人(13%)
【反デジタル層】:デジタル化に否定的な意見を持っている人(15%)
【中立層】:上記の3つの層のいずれにも属さず、「どちらでもない」という回答の目立つ中立的な意見の層(34%)

このように様々な層がいることから、デジタル活用のアプローチは一律ではなく、各層の特徴を捉えた推進が求められていることが分かりました。

社会のデジタル化への意識分類に影響を与える項目を、機械学習の一種であるランダムフォレストを用いて分析(※2)・抽出したところ、「年齢」「行政のオンラインサービス利用意向」「居住地域」「行政オンラインサービスの認知度」「生活への満足度」「職業」「世帯年収」「1日(平日)に最も時間を割いている活動」などの項目が上位となりました。

年代による影響があるほか、「居住地域」や「職業」「世帯年収」といった、利用者の属性に関連した項目もデジタル化への意識形成に影響を与えていることが分かりました。

そのほか、「行政オンラインサービスの利用意向や認知度」も影響を与える項目の上位に入っており、社会全体のデジタル化において行政分野が重要な役割のひとつを担っていることがうかがえます。

2. 行政のオンラインサービスをいかに継続的に使ってもらうか、サポート体制を充実できるかが、「誰一人取り残されないデジタル社会」の実現において重要

デジタル社会への意識形成に影響を与える項目の一つである「行政のオンラインサービスの認知度」について各層の回答を見てみると、「使ったことがある」「使ってみたがその後使わなくなった」と回答した人の中で「デジタル積極層」の占める割合が5割を超えました。

「使ってみようと思ったが分かりにくくて使えなかった」「オンラインでどのような行政サービスを提供しているか知らない」と回答した人では、「置き去り層」が約2割を占めました。

どの点が充実・改善されれば使いたいと思うかという質問に対して、「デジタル積極層」の占める割合が高かった回答項目は「デザイン・操作性」でした。この回答を踏まえ、行政オンラインサービスにおけるUI・UXの改善を継続的に行うことで、まずは「デジタル積極層」の人々にオンラインサービスのファンになってもらうことが重要だと考えられます。

一方、「置き去り層」の割合が最も高かった改善点は、「分からないことがあった場合のサポート体制」でした。このことから、オンラインサービスの拡充を進める際には、いかにオンライン上で“気軽に聞ける環境”や“サポート体制が万全であるという安心感”を醸成できるかが重要だと考えられます。

3. 民間オンラインサービスと行政オンラインサービスに対する人々の意識や態度はデジタル積極層・消極層によって異なる

行政のオンラインサービスを使うとしたらどのような理由であるかの質問において、「デジタル積極層」の割合が最も高かったのは「新しいサービスを使うのが好きだから」でした。民間のオンラインサービスを日ごろよく使う理由においても同じ傾向でした。

一方で、同質問における「置き去り層」の割合が最も高かったのは「困った時に丁寧にサポートしてくれるなら使いたい」でした。

先述の行政オンラインサービスの改善点においても「サポート体制」が挙げられていたように、「聞きたいときに気軽に聞けない」ことが、「置き去り層」にとってデジタルサービスに「ついていけない」と考える理由の1つだと考えらます。「置き去り層」が気軽に聞ける環境をどのように整えていくか、また「デジタル積極層」との関わり合いを日常の中でどのように構築していくかが重要だと考えられます。

「反デジタル層」においては、「デジタルサービスはほとんど使わない」と回答した人の割合が約65%を占めました。その中でも「反デジタル層」が利用しているデジタルサービスは、「ニュース」「地図サイト」や「メッセージサービス」「オンラインショッピング」でした。

4. 理想の暮らしは、デジタル積極層と消極層で異なる。「デジタル積極層」は祭りやイベントに日々触れる暮らしやワークライフバランスを、「置き去り層」は地域の人とのつながりを、「反デジタル層」は家族みんなの幸せを重視

理想の生活について尋ねたところ、「デジタル積極層」の割合が高かった回答項目は「祭りやイベントに触れる暮らし」や「ワークライフバランス」の取れた暮らしでした。一方、「置き去り層」の割合が高かったのは「地域の人とつながる暮らし」や「医療・介護サービスへのアクセスがしっかりしている暮らし」、「反デジタル層」の割合が高かったのは「家族みんなが幸せな暮らし」でした。

このことから、「デジタル積極層」「置き去り層」「反デジタル層」が重視する生活の価値観が異なっていることが分かりました。そのため、多様な価値観を大切にしながら、社会のデジタル活用を進めていくことが必要だと考えられます。

なお、本調査の第二弾である、社会のデジタル化への意識について単純集計に基づいた調査結果「全体分析編」は10月18日以降、GLOCOMのウェブサイト(https://www.glocom.ac.jp/activities/project/8317)からご覧いただけます。

※1
社会のオンライン化・デジタル化の進展に対する意見を尋ねた質問(Q1)と、社会のデジタル化の有意義な点を尋ねた質問(Q3)の回答によってクラスター分けを行った。

デジタル積極層:Q1の3つの問いに1もしくは2と回答した人からQ3の12にチェックを入れた人を除外
置き去り層:(Q1のS1に1もしくは2と回答した人、もしくはS3に1もしくは2と回答した人)+(Q1のS2に4もしくは5と回答した人)からQ3の12にチェックを入れた人を除外
反デジタル層:Q1のS1に4もしくは5と回答した人もしくはS3に4もしくは5と回答した人、または Q3で12にチェックを入れた人
中立層:デジタル積極層、置き去り層、反デジタル層に入らなかった人

Q1:現在のオンライン化・デジタル化の進展についてどう思いますか。
 Q1S1:良いと思いますか
 Q1S2:自分はついていけていると思いますか
 Q1S3:関心がありますか
(選択肢リスト)                          
1.そう思う 2.少しそう思う 3.どちらでもない 4.そう思わない 5.全くそう思わない

Q3:社会のデジタル化に対してあなたが有意義だと思うことを教えてください。
 12. 有意義だと思うことはない

※2
ランダムフォレストは機械学習でよく用いられる分類器の1つで、選択肢に対してYES/NOを答えていくことで分類を行う決定木を組み合わせたもの。通例、このような問題設定では統計分析としてロジスティック回帰分析が用いられることが多いが、当該調査のサンプル内に潜むパターンを探索するという目的に限っては、非線形の分類を行えるランダムフォレスト分類器を用いた方が、より深い知見が得られると判断した。なお、このモデルの性能はprecision 0.85、 recall 0.82、f1-score 0.79であり、ロジスティック回帰モデル(同0.79、同0.78、同0.78)よりも高性能であった。

※3
2020年12月から2021年1月にかけて国際大学グローバル・コミュニケーション・センターおよび株式会社サイバーエージェントが共同で実施したデジタルガバメントに関する住民ニーズについてのアンケート調査(https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=26039)。

当該調査票(インターネットパネル調査:デジタル社会意識調査)および本調査票(インターネットパネル調査:デジタル社会意識調査)の全質問項目および回答項目の一覧情報をご要望の場合には、PDF形式にて配布可能です。詳細は「国際大学グローバル・コミュニケーション・センター( g-pub@glocom.ac.jp)」までご連絡ください。回答項目の一覧についてはご相談の上の対応となることご了承ください。

共同研究について

◆共同研究主体
・株式会社セールスフォース・ジャパン
Salesforceは顧客関係管理(CRM)のグローバルリーダーであり、あらゆる規模や業種の企業がデジタルトランスフォーメーションを行い、顧客を360度で見られるよう支援しています。公共部門においては、市民中心の行政サービスの基盤を世界で提供し、住民、行政機関、パートナーなどのステークホルダーのニーズに対応しながら、行政機関のDX推進を支援しています。Salesforceの詳細については、salesforce.com/jp をご覧ください。

・国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM) レジリエントシティ研究ラボ
https://www.glocom.ac.jp/activities/project/6864
GLOCOMは国際大学付属の研究所として1991年に設立され、学際的日本研究や情報通信技術の発展・普及に根ざした情報社会の研究と実践を活動の中心におき、産官学民の結節の場として、常に新しい社会動向に関する先端研究所であることを目指す研究所です。当ラボは、持続可能な社会や街づくりを目指し、地域課題の解決策の実践や、レジリエントでスマートな街づくりのデザインについて、デジタル活用の観点から研究しています。

研究代表者:櫻井美穂子
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授/レジリエントシティ研究ラボ代表
ノルウェーにあるUniversity of AgderのDepartment of Information Systems准教授を経て2018年より現職。専門は経営情報システム学。スマートシティ、DX、レジリエンス、サスティナビリティなどをキーワードに自治体や地域コミュニティにおけるデジタル活用について研究している。Hawaii International Conference on System Sciences (2016)およびITU Kaleidoscope academic conference (2013)にて最優秀論文賞受賞。実践研究活動として、ヨーロッパ7か国の大学や自治体が参加するEU Horizon2020「Smart Mature Resilience」プロジェクトに参画。日本では、自治体や企業との協働による「災害時コミュニケーションを促進するICT利活用に関する首長研究会」や「DX街づくり/ビジネスデザイン勉強会」を主宰。

・株式会社サイバーエージェント デジタルガバメント推進室
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=24592
官公庁・自治体向けに、行政の推進するデジタル化支援全般を行う専門組織です。

調査概要
◆インターネットパネル調査
・調査主体:株式会社サイバーエージェント、株式会社セールスフォース・ジャパン、国際大学GLOCOM
・調査委託先:株式会社マクロミル
・調査時期:2022年6月24日~6月27日
・調査方法:インターネットリサーチ
・調査対象:全国15歳~89歳 4,128人(マクロミルのパネル30,875人を対象として、全国15歳~89歳の4,128人を人口構成比に基づく割当法により抽出。)

※以下内訳
15-19才:220人
20代    :466人
30代    :537人
40代    :700人
50代    :636人
60代    :598人
70代    :621人
80代    :350人

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