今回の調達を受けてThinkerでは、半導体向けシリコンウエハーの搬送装置や透明部材のピッキングなどの用途でのロボットハンドへの実装を想定し、近接覚センサーの量産化を推進いたします。加えて、今後予定しているサンプルの提供を通じて、さらなる用途開発に取り組み、より多くの作業現場への近接覚センサーの導入、普及に取り組んでまいります。
投資家からのコメント
《OUVC 代表取締役社長 清水速水氏》
OUVCでは約2年前から、近接覚センサーを開発された小山佳祐先生(大阪大学大学院基礎工学研究科助教、現Thinker取締役)とともに起業・ベンチャー化に向けて取り組んできており、ここに投資実行まで至れたことを大変嬉しく思っています。距離・角度を同時計測できるセンサーはこれまでにない独自技術で、さまざまな可能性を秘めていると感じています。すでにプロトタイプによって複数の用途開発が進んできており、藤本CEOをはじめとするロボット業界での豊富な経験を持つ経営チームのもと、量産型のセンサー開発によって早期に産業用ロボットへ実装されることを期待しています。
Thinker代表からのコメント
《Thinker代表取締役兼CEO 藤本弘道》
もし人間が新たな感覚器を得て、“独自に思考する手”を持ったとしたら、世の中の営みに革新が起こるはずです。近接覚センサーを備えたロボットハンドは、まさにそんな存在です。自ら考え、判断するロボットハンドは、さまざまな分野に大きな変化を起こすものと私たちは確信しています。そんな私たちのチームのビジョンに可能性を感じ、投資いただいた大阪大学ベンチャーキャピタルの皆さまに心から感謝申し上げます。これからも「真のロボットの生体化」を実現すべく、邁進してまいります。
■近接覚センサーの概要
「近接覚」は、視覚とも触覚とも異なるモノの認知方法で、見たり、触ったりせずに認知することから「人間にはない感覚」とされています。大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻小山佳祐助教の技術シーズを基にしたThinkerの近接覚センサーは、対象物との距離と傾きを同時に計測する独自のセンシング技術により、死角部分を含めたモノの形状や鏡面・透明物質の認知を可能にしました。独自の高速・高精度AI技術と組み合わせることで、従来の産業用ロボットでは難しいとされていた現場に応じた臨機応変なピックアップが可能となるほか、ティーチング負担の軽減も促進します。
〇動く対象物をセンシングすることで把持部が追従する動画(YouTube):
https://www.youtube.com/watch?v=MtwL4D1kWuU
■OUVC2号ファンドの概要
ファンド名称 : OUVC2号投資事業有限責任組合(OUVC2号ファンド)
ファンド規模 : 106.5億円
運用期間 : 2021年1月1日~2032年12月31日(最大3年の延長可)
投資対象 : 大阪大学並びに他の国立大学の研究成果を活用したベンチャー企業
有限責任組合員: 大阪大学、国内金融機関・事業会社
無限責任組合員: 大阪大学ベンチャーキャピタル
■会社概要
名称 : 株式会社Thinker
住所 : 〒541-0053 大阪府大阪市中央区本町4丁目2−12 野村不動産御堂筋本町ビル 8F
billage OSAKA内
代表者 : 代表取締役兼CEO 藤本 弘道
設立 : 2022年8月12日
企業説明: 当社取締役であり、大阪大学大学院基礎工学研究科助教でもある小山佳祐が開発した「近接覚センサー」を活用したソリューション提案を行っています。当社の近接覚センサーは、距離と角度の同時計測を高度におこない、ガラスも鏡も認識するまでに進化し、器用なロボットハンドを実現してヒトと一緒に働く協働ロボットに革新を起こします。
備考 : 社名のThinkerには「考え抜く集団」「考えるロボット」「ロボットの進化(シンカ)を加速させる」といった思いを込めています。
■関連リンク
・動作時の死角を補う第六感センサー、独自のハードとAIで透明物体も逃さない
(日経クロステック 2022年9月13日)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02183/00002/
・ロボットの視覚・触覚を補う“第六感”、阪大小山助教が開発「近接覚センサー」
(日経クロステック 2022年2月28日)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/nmc/18/00011/00158/
・小山佳祐公式サイト
https://kk-hs-sa.website/
■株式会社Thinkerへのお問い合わせ
Eメール:info-web[at]thinker-robotics.co.jp
※[at]を@に変えて入力ください。