リモートドラレコを手掛けるVTeacherが車内置き去り防止アプリを開発、AIを用いてアプリだけでエンジン停止後にブザー

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・リモートドラレコを手掛けるVTeacherが、車内置き去り防止用のブザーアプリ『Buzzer on VTeacher』を開発。
・別途センサーなどの購入は不要。AIを用いてスマホだけでエンジンの停止を検知し、ブザーが鳴ります。
・VTeacherアプリを併用することで、車内の様子を遠隔視聴できます。
リモートドラレコを手掛けるVTeacher(鈴木ソフトラボラトリー合同会社 代表:鈴木正樹、事業責任:鈴木聡美)が、車内置き去り防止用のブザーアプリ『Buzzer on VTeacher』を開発しました。環境問題の観点から、古いスマホにも対応(2015年発売のiPhone 6s以降)。自宅に眠っているスマホを再利用してブザーアプリにしてみましょう。別途センサーなどの購入は不要。AIを用いてスマホだけでエンジンの停止を検知し、ブザーを鳴らします。

VTeacherアプリを併用することで、車内の様子を遠隔視聴できます(乗降時、運転手と職員のダブルチェックだけでなく、保護者などによるトリプルチェックを可能にします)。
※VTeacherアプリを併用する場合、モバイル通信または Wi-Fi環境が必要です。
※『Buzzer on VTeacher』はVTeacher事業のひとつです。
 

 

  • ブザーアプリの機能

1. 車のエンジンが停止すると、ブザーアプリのAIがエンジンの停止を検知し、ブザーを鳴らし始める。
2. 運転手は座席最後部にあるスマホ(ブザーアプリ)のスイッチをオフにしてブザーを停止する。

スマホ(ブザーアプリ)は座席最後部付近に置きます。
運転手がブザーを停止するにはバスの後方に移動する必要があり、車内にいる子どもの見落としを自然と防げる仕組みです。

※VTeacherアプリを併用することで、トリプルチェックの体制が可能になります(遠隔視聴、通話等)。
 

以下、本製品開発者(鈴木)へのインタビューです。

この仕組みは海外の事例を参考にしているそうです。
 

  • アメリカの事例を参考に開発

本製品を開発した動機を教えてください。

鈴木「安全装置の義務化検討中との報道を見てから、アメリカなどのスクールバスに搭載されている安全装置を参考に、警報ブザーアプリの開発を進めていました。昨日、『小倉こども政策担当相から、置き去り防止のための安全装置の設置を全通園バスに義務化するよう指示』との報道を見ました。政府は再発防止に向けた緊急対策を10月中にとりまとめるとのことです」

アメリカの事例(置き去りを検知するセンサー)
 

鈴木「アメリカでは毎年平均30人の子どもが車内熱中症で死亡、国を挙げて対策に乗り出しています。アメリカの通学バスは、エンジンを切るとアラーム音が鳴り響く仕組みで、バス後方のボタンを押さない限り警告音は消えません。さらに進化したものも開発されており、天井の複数のセンサーが置き去りを検知、登録したスマートフォンにメッセージが通知される仕組みもあります。置き去り防止センサーの設置費用はバス1台で数十万円するそうです」

本製品との違いは?

鈴木「弊社が開発したブザーアプリは、特別なセンサーなどのハードウェアは必要なく、スマートフォンだけあれば、バスのエンジン停止をAIが感知し、ブザーが鳴り続けます。ブザーを停止するためにはバスの後方へ移動する必要があり、車内にいる子どもの見落としを防ぐ仕組みです。この仕組みは海外の事例と同じです。

リモートドラレコを手掛ける弊社なので、VTeacherアプリとの併用で、バス内の様子をスマートフォンで視聴できるようになる点が強みです。保護者も映像を確認することができます」
 

  海外事例 本製品
車内設備 センサー スマートフォンのアプリ
システム エンジン停止後に鳴り出すブザーを停止するため、運転手がブザーが設置されている座席最後部まで移動するので、子どもの置き去りを車内前部〜後部を自然とチェックできる仕組み。 基本システムは海外事例と同じ。VTeacherアプリを併用することで、トリプルチェック体制の設定が可能。遠隔視聴により保護者や外部機関などによる車内チェックができ、子どもの置き去り防止を行う仕組み。
販売価格 比較的高価 比較的安価
(無料トライアルあり)

 

  • 本製品を車に設置して実験

実験の様子を撮影してきました。

◆実験の手順

1. 座席最後部付近にスマートフォンを設置。
(スマートフォン用のフォルダーは100円均一ショップでも売っています)
2. エンジンの停止音を判断できるようにするため、最初にアプリのAIに学習させる。
(画面の指示に従います。これは最初だけ設定します。2回目以降はスキップできます)
3. エンジンをかける。
4. エンジンを停止する。停止後、アラームが鳴ることを確認する。

(停止するまで少しずつ大きくなります)
5. VTeacherアプリを併用することで下記の機能を使うことができる。
 ・保護者や外部機関によるチェック(車内の様子を遠隔視聴可能)

◆実験の様子

エンジンを切った直後からブザー音が鳴り始め、しばらく経つと、かなり大きな音になります。その後、運転手が座席最後部に移動して、アプリのスイッチをオフにしました。

初期設定として、設置する車のエンジンの停止音をアプリのAIに学習させる必要があります(この設定は最初だけで良いそうです)。トヨタ、ホンダ、ダイハツの車で試してみましたが、エンジン停止を正確に判断していました。精度はかなり高いと感じました。
 

 

  • VTeacherアプリの併用について(トリプルチェック向け)

必須ではありませんが、VTeacherアプリを併用することで、保護者が車内の様子を遠隔視聴できるようになります。これにより堅牢なチェック体制が築けるでしょう。運転手と保育士のダブルチェックだけでなく、3人目のチェックにより、怠惰な管理体制下で発生しやすい「車内確認の前にブザー音を消していた」「ブザーアプリをインストールしたスマホのバッテリーが切れていた(または電源を切っていた)」などのヒューマンエラーを減らせることが期待できます。

実際に、実験中の車内の様子は離れた場所にいるスタッフもスマートフォンで確認できました。
※VTeacherアプリを併用する場合、モバイル通信または Wi-Fi環境が必要です。
 

遠隔視聴中の画面:車内の前・後カメラ同時撮影と音声、車の位置が地図で表示されている。

 

  • 今後の展望

鈴木「VTeacherアプリを併用することで、3人目によるチェック(トリプルチェック)を可能としました。この『3人目』は保護者の方々が担当していただくことが理想ですが、弊社にて担当者を手配する仕組みも検討しています。過去に父が経営する会社で静岡県内のシルバー人材センターのシステムに携わったことがありますので、シルバー人材センターとの連携も視野に入れています。

将来的には4人目のチェックとして、AIによる監視システムを開発中です。エンジン停止後、動く物体があれば警告通知を関係者に送信する仕組みです。すでに試作品は完成しています。

あと、現在はiPhone/iPadのみしか対応していないので、Androidに対応する予定です。

外注できることは他者に任せ、園の先生方が本来担当すべき業務や子どもたちに集中できる環境作りが必要だと思っています。今年度、VTeacher事業は浜松市のトライアル発注事業に認定されたので、本製品で行政を動かしたいと思っています」
 

  • 利用料金等

対応機種:本製品はiPhoneのみに対応です(iPhone 6s以降、iOS 13以降の機種。一部機種は未対応)。Android版は開発中です。VTeacherはiOS 11.0以降が必要です。詳しくはお問合せください。
利用料金:お問合せください。

法人向けとなります。登録者にお試し版を無料トライアルとして配布中です。お問い合わせください。
浜松市トライアル発注認定事業の対象であれば、無料で導入できます。

お気軽にお問い合わせください。
【会社名】 鈴木ソフトラボラトリー合同会社
【URL】 https://softlab.mszk.biz

※ VTeacherは鈴木ソフトラボラトリー合同会社の商標です(商標登録番号:第6134790号)。
※ iPhone、iPadはApple inc.の登録商標です。
※ iPhone商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
 

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