アストロスケール、英国の軌道上衛星2機の除去に向けて英国宇宙庁より開発費用として170万ポンドを調達

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持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、創業者兼CEO 岡田 光信、以下「アストロスケール」)の100%英国子会社であるAstroscale Ltd. (以下「アストロスケール英国」)は、地球低軌道から役目を終えた衛星を除去する技術の開発を続けるための追加資金170 万ポンドを、英国宇宙庁(UKSA)から受け取りました。このデブリ除去研究プログラム「COSMIC(コズミック、Cleaning Outer Space Mission through Innovative Captureの略)」の最新フェーズでは、アストロスケールのRPO*1(ランデブ・近傍運用)や捕獲機能を活用し、現在地球を周回している、役目を終えた英国の衛星2機を2026 年までに除去します。
英国宇宙庁CEOのポール・ベイト氏は、以下のように述べています。
「宇宙技術への依存が急速に高まり、英国が衛星の設計、製造、打ち上げの世界的なハブになるにつれて、私たちは宇宙をより持続可能なものにするための取り組みを主導しようとしています。昨年だけで 1,700 機の人工衛星が打ち上げられており、地球上すべての人とって宇宙環境を保護する必要性がこれまで以上に差し迫っています。投資の促進や革新的な新技術の支援によってデブリを除去するという国家的ミッションを支援することで、将来の世代のために宇宙環境を保ち、今では生活に必要不可欠な衛星サービスを守ることができるのです。」

アストロスケールは、現在混雑した軌道にある英国の衛星の中から複数の衛星を除去対象候補として選定しており、その内2機が最終的な除去対象としてこのCOSMICミッションのフェーズBにて決定されます。この最終決定には、さらなる宇宙状況把握データが活用されます。

アストロスケール英国社長のニック・シェーブは、以下のように述べています。
「英国で軌道上サービス経済を構築できることを嬉しく思います。これは、私たちの社会に不可欠な多くのサービスを支える持続可能な宇宙環境を開発するという英国政府の野心的な計画の実現に貢献するものです。COSMIC英国既存デブリ除去ミッションのフェーズBでは、低軌道にある役目を終えた英国の衛星2機を安全に除去するための捕獲機能を定義します。当社の実証を通じて得られた知見と英国全体にわたる強力な産業パートナーシップにより、2030 年までに、軌道上サービスを日常的な基盤インフラサービスにすることができるでしょう。」

COSMICミッションは、MDA英国、Thales Alenia Space英国、Nammo、GMV-NSL、NORSS、Goonhilly、Satellite Applications Catapult、Willis Towers Watson等を含む、イングランド、スコットランド、北アイルランドの英国を拠点とする 10 社のパートナー企業と協力して開発されます。

アストロスケールで欧州における将来の事業計画策定の責任者であるジェイソン・フォーショーは、以下のように述べています。
「COSMIC ミッションを通じて商用サービスの開発を継続できることを嬉しく思います。私たちが新しい機能を生み出し、開発コストを最小限に抑えることで、英国宇宙庁と納税者は費用対効果の恩恵を得られます。COSMICでは、英国全土に広がるELSA-Mのサプライチェーンを活用し、レベルアップのアジェンダをサポートします。ミッション技術、ペイロード開発、専門的なサポートの世界的リーダーである10社のパートナー、アドバイザー、そしてサプライヤーと協力できることを楽しみにしています。」

アストロスケールには、広範なシステムエンジニアリング、航法誘導制御(GNC)、ミッション管制、そして地上セグメントの専門知識があります。また、ロボット工学および衛星システムのパイオニアとして知られる、MDA社と提携しており、同社の知見も活用します。

MDA英国社長のアニタ・バーニー氏は、以下のように述べています。
「宇宙環境を保護および維持するためのソリューションを評価、研究し、最終的に開発するというこの重要なプロジェクトで、アストロスケールおよび英国宇宙庁と協力できることを誇りに思います。これまで以上に宇宙を探索し活動範囲も拡大するにつれて、私たち全員が、その安全性と持続可能性を確保する上で果たすべき役割と責任を負っているのです。」

英国で推進系の分野でリーダーとして知られるThales Alenia Space社は、本ミッション研究において、燃料補給など、軌道上での改修面や推進系システムに注力するほか、捕獲機の組立・試験・検証等も支援します。

Thales Alenia Space英国のアンドリュー・スタニランドCEOは、以下のように述べています。
「当社は、この重要な英国主導のミッションに貢献し、より責任ある宇宙利用に向けて取り組むことを誇りに思います。」

アストロスケールは、2021年から2022年にかけて実施したデブリ除去技術実証衛星ELSA-d(エルサ・ディー、End-of-Life Services by Astroscale – demonstrationの略)」のミッションにて、捕獲機能やRPO技術などを実証しました。このミッションにおいて、同社はセンサを搭載した捕獲機で複雑なマヌーバを行い、模擬デブリの再捕獲、絶対航法の技術(GPSと地上観測)を活用したサービサーの誘導航法、および絶対航法から相対航法への切替えなどに成功しました。

またアストロスケールは、欧州宇宙機関(ESA)、英国宇宙庁、そしてグローバルに衛星通信サービスを提供するOneWeb社とのパートナーシップで進めるSunrise(サンライズ)」プログラムにて、軌道上ミッションで役目を終えた複数の人工衛星を除去する衛星「ELSA-M(エルサ・エム、End-of-Life Services by Astroscale – Multi clientの略)」の開発を進めています。COSMICにおけるデブリ捕獲機は、このELSA-Mを進化させるものです。最初のELSA-M衛星は、英国のデブリ除去ミッションに先立ち2024年に打上げを予定しています。

アストロスケール創業者兼CEOの岡田光信は、以下のように述べています。
「この英国デブリ除去ミッションにおいて、当社の技術革新、急速に拡大する英国の能力、そして世界クラスのデブリ除去サービスを開発するという揺るぎないコミットメントを示していきます。」

アストロスケール について
アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へ持続可能な軌道を継承する為、全軌道における軌道上サービスに専業で取り組む世界初の民間企業です。 2013年の創業以来、軌道上で増加し続けるデブリの低減・除去策として、衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去(EOL*2)、既存デブリの除去(ADR*3)、故障機や物体の観測・点検(ISSA*4)、寿命延長(LEX*5)など軌道上サービスの実現を目指し技術開発を進めてきました。また、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指す為、技術開発に加え、ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、宇宙政策やベストプラクティスの策定に努めています。 
本社・R&D 拠点の日本をはじめ、シンガポール、英国、米国、イスラエルとグローバルに事業を展開しています。 
アストロスケール本社ウェブサイトはこちら:https://astroscale.com/ja/
※1 RPO:Rendezvous and Proximity Operations Technologiesの略称 、ランデブ・近傍運用
※2 EOL:End-of-Lifeの略称 
※3 ADR:Active Debris Removalの略称 
※4 ISSA:In-Situ Space Situational Awarenessの略称 
※5 LEX:Life Extensionの略称 

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