■背景と目的
今月5日、静岡県牧之原市の認定こども園で、3歳の女児が送迎バス内に置き去りにされ、熱中症で亡くなる事故が発生しました。今回の事故を受けて政府主導で、再発防止に向けたマニュアル策定などを検討する方針が固まりつつあります。一方でただでさえコロナ対策などで施設の従業員の負荷が高まっている中、人の注意力のみを頼りに事故を防止するには限界があります。実際に、昨年7月の福岡での同様の置き去り事故後も自治体から、送迎バスの安全管理の徹底を求める連絡が各施設に出ていましたが、再び今月事故が起きています。
そういった背景からテクノロジーを活用し、幼稚園などの施設の実態に寄り添いつつ子供の安全を守る仕組みが重要となっています。すでにバスの利用が多いアメリカや韓国では、人だけに頼らないテクノロジーを活用した防止策が活用されています。
同様の事件を今後起こさないために、これまで飲食店やトイレ、投票所、観光地などあらゆる場所の満空状況を検知/配信してきた弊社の独自技術を活用し、バス置き去り防止支援サービス「VACAN PatoKids(β版)(以下、PatoKids)」(https://corp.vacan.com/column/patokids.html)を開発しました。
■バス置き去り防止支援サービス「VACAN PatoKids」について
「PatoKids」は複雑な配線やセンサーの設置などせずにタブレットを後付で設置するだけで、ドライバーの置き去り防止をサポートするサービスです。
バスの車内に設置したタブレットとAIを用いた画像解析を組み合わせることで、人の注意力に依存せずに置き去りを未然に防ぎます。これにより、日常業務に極力負担をかけずに、テクノロジーを用いて子供の安全をサポートすることを目指します。
(サービスの仕組み)
エンジンが切れ、一定時間が経過すると設置したタブレットからアラートが鳴り、バスの後部に付けられたQRコードをドライバーがスマホで読み取るまで止まらない仕組みとなっています。
またアラームを止めた後もタブレットを活用し車内の画像を解析し続け、一定時間経過後にも人が確認された場合は管理者に通知が届くようになっています。これにより人の目とテクノロジー(AIやカメラ)のダブルチェックが実現でき、置き去りリスクのさらなる低減が期待できます。またドライバーだけでなく園内の管理者なども車内の映像を確認できるようになっているため、個人に依存せず組織の力で置き去りの抑制を目指します。
(PatoKidsの特徴)
・簡単な設置
⇒センサーや複雑な配線などをする必要がなく、後付でタブレットを設置するだけでサービスの導入が可能です
・リスクを低減するダブルチェックの仕組み
⇒AIを活用した画像解析を併用することで、人の目だけでなくテクノロジーを活用したダブルチェックが可能となります。これにより万が一の人の目による見逃しが起きても、その後発見しやすい体制が実現できます。
・組織全体で事故を未然に防ぎやすい機能
⇒車内を撮影した画像はドライバーだけでなく園内の管理者なども確認することができるため、ドライバーだけの問題にせず組織として事故を防ぎやすくなります
なお今回はあらゆるセンサーやカメラなどのデバイスデータを、分かりやすい空き/混雑情報へと変換するバカンの独自技術である「vCore」を活用することで、素早い開発が可能となっています。今後の展開として、実証実験を通して得られた知見を活かし自社だけでなく他企業や団体とも協力し、子どもの安全を守る機能や仕組みの継続的な改善・実装を進めていきます。
■株式会社バカンについて
会社名:株式会社バカン
代表者:河野剛進
所在地:東京都千代田区永田町2−17−3 住友不動産永田町ビル2階
設立:2016年6月
URL:https://corp.vacan.com/
バカンは経済産業省が選定する官民による支援プログラムJ-Startup 2019選定企業です。IoT、AIを活用してレストラン街やカフェ、トイレ、観光地、避難所、投票所などあらゆる場所の空き状況を検知し、デジタルサイネージやスマートフォンに配信しています。また空き状況可視化だけでなく、混雑の抑制・管理などもおこなっており、空き/混雑情報を起点とした「待ちをなくす」DXサービスを幅広く提供しています。