パナソニック ホールディングス株式会社マニュファクチャリングイノベーション本部(以下、パナソニック ホールディングス)は、製造工程で排出される工場端材を「データ活用」「二次利用エコシステム」「クリエイターとの協業」という3つのアプローチによって、事業性のある端材としての活用を推進するプロジェクトを開始しました。
パナソニックグループは、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向けて、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を掲げ、CO2自社排出の実質ゼロに加え、お客様や社会のCO2削減に貢献する活動や、社会のエネルギー変革に貢献する活動、サーキュラーエコノミーの取り組みなどを進めています。
「リサイクルデータブック2022」(※1)によると、日本全体で排出される産業廃棄物は年間約4億トンであり、1.7億トンが減量化、2億トンは再生利用されているものの、900万トンは最終処分されています。多くの工場をグループに持つ当社は、そこで発生している工場端材に着目し、新しいライフサイクルを創出することを目指し、端材活用エコシステムを構築するプロジェクト活動を開始しました。
工場端材の活用を広げるには、端材の活用を進めるための設計支援環境の構築や、活用したプロダクトを生み出すクリエイターの存在が不可欠です。そこで、設計支援のための「データ活用」、「二次利用エコシステム」の環境構築を行うとともに、「クリエイターとの協業」を進めることで、端材活用を広げることを目指しています。
1. データ活用
端材の形状を図面化し、材料を扱えるデータベース上で活用できる環境を開発。多くのクリエイターが扱いやすい環境を提供。
2. 二次利用エコシステム
データ化された端材を、人が頭で考えることの制約を越えて、データとして「限りなく無駄なく使う」ことを促す設計支援環境を開発。
3. クリエイターとの協業
一点物 (カスタム、パーソナライゼーション) から量産品(マスカスタマイゼーション)まで、サステナビリティに貢献するモノづくりに熱意のあるクリエイターや有識者との協業。
この3つのアプローチを検証するため、キッチンカウンターなどの製造(※2)で使用する「人造大理石」の工場端材を活用し、その機能性や大理石調の意匠性、高い硬度で安定して使い続けられる特徴を生かし、テーブルやスツールといった4点のプロトタイプを、クリエイター(※3)とともに制作しました。2022年7月には、本プロジェクトに賛同いただいた株式会社ロフトワークと共に、プロトタイプや材料サンプルを紹介する展示会を東京で実施し、様々なビジネスパートナーとの連携の可能性がありました。
今後も、パナソニック ホールディングスは、工場端材活用の可能性を広げるエコシステムの構築に向けて、「データ活用」や「二次利用」のシステム開発を進めるとともに、本プロジェクトのコンセプトに共感頂ける様々なビジネスパートナーやクリエイターとの連携を広げていきます。
そして、パナソニックグループで発生する工場端材の活用にとどまらず、社内外に広く展開していくことで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
<協力>
パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社
パナソニック住宅設備株式会社
<問い合わせ先>
パナソニック ホールディングス株式会社マニュファクチャリングイノベーション本部 企画部
E-mail:midpress@ml.jp.panasonic.com
<関連情報>端材活用エコシステム開発プロジェクト展示会を開催
株式会社ロフトワーク:https://loftwork.com/jp/project/panasonic-waste-material-circular-design
株式会社船場:https://www.semba1008.co.jp/ja/release/news/news-20220810.html
有限会社バッタネイション:https://battanation.com/work/algorithmic-design-table/
※1:「リサイクルデータブック2022」 https://www.cjc.or.jp/data/databook.html
※2:パナソニック住宅設備株式会社が製造
※3:設計・製造:株式会社船場、岩沢兄弟×堀川淳一郎