200mm SiCエピウェハーのサンプル出荷を開始

この記事は約4分で読めます。
昭和電工株式会社(社長:髙橋 秀仁)は、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体に使用されるSiCエピタキ
シャルウェハー(以下、SiCエピウェハー)*1について、国内メーカーとして初の200mm(8インチ)サイズのサンプル出荷を開始しました。本製品には、当社製のSiC単結晶基板(以下、SiCウェハー)を用いています。

SiCパワー半導体は、従来のシリコンウェハーを用いたパワー半導体に比べ、電力損失や熱の発生が少なく、省エネルギーに貢献するデバイスとして、電気自動車や再生可能エネルギー向けに市場が急拡大しています。SiCパワー半導体の性能に大きく関係するSiCエピウェハーには、低欠陥で安定した品質が必要です。現在、SiCパワー半導体は主に150mm(6インチ)のSiCエピウェハーを用いて生産されています。SiCエピウェハーは大口径化することで一枚のウェハーからとれるチップ数が多くなるため、デバイスメーカーでの生産性改善や、それを通じたコスト低減が期待されています。

こうした市場ニーズを背景に、当社は2021年より200mm化の開発を本格化させ、このたび、自社製の200mm SiCウェハーを用いたSiCエピウェハーのサンプル出荷を開始しました。当社はすでにSiCエピウェハーで外販メーカートップの世界シェア*2を有しています。今回、パートナー各社からのSiCウェハーの調達に加え、自社製のウェハーを用いた製品開発にも取り組むことで、200mm SiCエピウェハーの生産拡大や安定供給体制の構築、品質のさらなる改善を目指します。

また、 当社は2030年までにSiCエピウェハーとその原材料であるSiCウェハーを200mmかつ欠陥密度を1桁以上低減することを目標に、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のグリーンイノベーション基金事業 次世代デジタルインフラの構築プロジェクト*3の研究開発項目の一つである「次世代パワー半導体に用いるウェハ技術開発」において、「次世代グリーンパワー半導体に用いるSiCウェハ技術開発」として研究開発を実施*4しています。本プレスリリースに至る大口径化に関する知見及び成果を、「次世代グリーンパワー半導体に用いるSiCウェハ技術開発」の目標実現につなげてまいります。

昭和電工グループは「共創型化学会社」として、グローバル社会の持続可能な発展への貢献を目指し、エネルギー効率化を実現するSiCエピウェハーを次世代事業と位置付けて注力しています。今後も、“ベスト・イン・クラス”をモットーに、高性能で高い信頼性の製品を供給することで、SiCパワー半導体の普及に貢献します。

*1 SiCウェハーの表面上にエピタキシャル薄膜を成長させた半導体材料
*2 当社推定
*3 次世代デジタルインフラの構築プロジェクトhttps://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101513.html
*4 2022年5月23日発表「次世代グリーンパワー半導体用8インチSiCウェハー開発計画がNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択」

 

 

SiCエピタキシャルウェハー(左が150mm、右が200mm)SiCエピタキシャルウェハー(左が150mm、右が200mm)

【昭和電工グループについて】
昭和電工グループは、半導体材料において世界トップシェアの製品を数多く持ち、半導体・電子材料の売上高は、全体の3割にあたる約4,000億円に上ります。
2023年1月には昭和電工マテリアルズ株式会社(旧日立化成株式会社)との完全統合、Resonacへの社名変更*を予定しており、半導体分野で高純度ガスからパッケージ材料まで幅広い製品を手掛けています。さらに、国内の半導体材料・装置メーカー各社との共創プラットフォームを生かし、技術革新を加速させます。今後も事業活動を通じてパーパス「化学の力で社会を変える」を実現していきます。詳しくは各社ウェブサイトをご覧ください。

昭和電工株式会社 https://www.sdk.co.jp/
昭和電工マテリアルズ株式会社 https://www.mc.showadenko.com
* 2022年9月下旬に開催予定の臨時株主総会にて承認された場合

タイトルとURLをコピーしました