Google Playでポストコロナ時代初めての大きな落ち込み
2020年の新型コロナウイルス発生からアメリカのモバイルゲーム収益は高い水準を維持してきましたが、2022年上半期には大きな変動を見せました。全体的な収益が前年同期比で9.6%減となり、これはGoogle Playでの不振が主な要因とみられます。
2022年上半期のGoogle Playでのモバイルゲーム収益は46億ドル、前年同期比で20.2%も落ち込みました。これに対してiOSのユーザー支出は68億ドルで2021年の同じ時期と同じ水準です。 『キャンディークラッシュ(Candy Crush Saga)』、『コインマスター(Coin Master)』など長らく上位を占めてきた多くのタイトルの収益が低迷し、各地域のモバイルゲーム収益減の主な要因となっています。
2022年上半期アメリカのモバイルゲームは24億ダウンロードを記録し、前年同期比で2.5%減となりました。このうち、Google PlayとApp Storeでのダウンロード数シェア率はそれぞれ49.3%と50.7%です。アメリカはモバイルゲームの世界ダウンロード数のうち8.7%を占めており、依然としてインドの次に高い割合です。
アメリカのモバイルゲームユーザー支出はパズル、ボード、ストラテジーゲームに集中
2022年上半期のパズル、ボード、ストラテジーゲームは、アメリカのiOSユーザーによる課金額が最も多く、平均10億ドルを上回りました。中でもストラテジーゲームは『エボニー – 王の帰還(Evony)』、『ステート・オブ・サバイバル(State of Survival)』など多くの4Xストラテジー製品による持続的な収益により、7.1%の収益増を達成しました。その他で増加幅が大きいゲームジャンルは、アーケード(25%増)とボードゲーム(9.7%増)です。
スポーツ、シューティングとストラテジーが10%以上増加し、スポーツジャンルでは『MLB Tap Sports Baseball 2022』と『Mini Basketball』の2つの新作リリースによってダウンロード数が大幅に上昇しましました。シューティングでは『Apex Legends Mobile』の反響が大きく、リリースから2ヵ月足らずで400万ダウンロードを記録しています。注目すべきはAppLovinがワードパズルの『Wordle!』をリリースし、再び全米を揺るがした点です。半年足らずでiOSマーケットで1,200万ダウンロードを達成、iPhoneの無料ゲームランキングでは数ヵ月にわたり1位を獲得、パズルジャンルにおける前年同期比では4.9%も成長させたことになります。
Appleマーケットと比べ、アメリカのAndroidマーケットの成長がやや低迷しています。ダウンロード数ではアクションのみが6.3%増、収益ではアーケードのみが落ち込むことなく同水準を維持しています。
Androidマーケットではボード、ストラテジー、パズルが依然として収益の最も高いカテゴリーとなっており、そのシェア率は順に19.8%、19.7%、19.6%です。
2022年上半期アメリカのハイパーカジュアルモバイルゲームのダウンロード数が前年同期比4.8%減にもかかわらず、依然として3億4,000万件という驚異的な数字を維持しています。これはゲームダウンロード数全体の実に36.2%を占める値です。サブカテゴリーではサンドボックスと音楽ゲームの成長が著しく、その代表作には『ロブロックス(Roblox)』と『ビートスター(Beatstar)』があります。
きわだつストラテジーゲームの収益成長実績
2022年上半期アメリカのゲームダウンロード数ランキングTop10は依然としてカジュアルゲームが主流で、中でもハイパーカジュアルゲームが4タイトルランクインしています。ウェブ版の同名タイトルである『Wordle!』がその人気を受け、モバイル版でもリリースされました。有名カジュアルゲームのパブリッシャーであるAppLovinは、2022年早々にパブリッシング権利を獲得し、広告を利用してアメリカでダウンロード数ランキング1位を獲得しました。そして2022年6月までに累計1,400万ダウンロードを記録し、パルクールゲームの『Subway Surfers』とシミュレーション サンドボックスゲームの『ロブロックス(Roblox)』が、それぞれ2位と3位を占めました。
収益ランキングの上位2タイトルは、依然として『キャンディークラッシュ(Candy Crush Saga)』と『ロブロックス(Roblox)』です。TOP GAMESからリリースされている4Xストラテジーゲームの『エボニー – 王の帰還(Evony)』は、V4.0の大規模アップデート後に収益が増加し4位に急浮上しました。他に収益が急増したゲームには、Dream Gamesのマッチ3ゲームモバイルゲームである『ロイヤルマッチ(Royal Match)』があります。
2022年上半期アメリカのモバイルゲームダウンロード数の増加ランキングで上位Top10のうち、5つがハイパーカジュアルゲームで大きな反響を呼んでいます。同時に競争も激化しており、ランキング内の別のタイトルには、パズル(『Wordle!』、『フィッシュダム(Fishdom)』)、アーケード(『Subway Surfers』)、シューティング(『Apex Legends Mobile』)、RPG (『ディアブロ イモータル(Diablo Immortal)』)があります。『Apex Legends Mobile』と『ディアブロ イモータル(Diablo Immortal)』は、いずれもPCゲームからIPをモバイルへ移植したことが話題となり、これはPCゲーム企業によるモバイルゲーム市場での競争が起こるであろうことを示唆しています。
収益増の面では、『エボニー – 王の帰還(Evony)』と『King’s Choice』を含む4つのストラテジーゲームがランキングTop10入りを果たしています。またパズルカテゴリーの成績も注目すべき点で、合計3つのタイトルがランクインしました。
詳細情報は弊社ウェブサイトに記載しています:
https://sensortower.com/ja/blog/state-of-us-mobile-games-2022-h1-report-JP
https://go.sensortower.com/us-games-2022h1-report-japan.html
——————————
Sensor Towerの紹介
Sensor Towerは2013年にサンフランシスコで設立された、Twitter、Unity、Tencent、HBOなどのグローバルデジタル企業から信頼されている、データや分析環境を提供する企業です。
Sensor Towerは、Pocket Gamer Mobile Games Awards 2022において、Best Analytics / Data Tool賞を受賞しました。
現在、Sensor Towerには、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、ソウル、北京など、世界中にオフィスが点在しています。 弊社日本オフィスは東京都渋谷区にかまえられ、チームメンバーは日本のモバイルパブリッシャーをサポートすることに専念しています。ハイパーカジュアルゲームのリーダーとして認知されている面白法人カヤックや、ライブ配信アプリ運営も行っている株式会社ディー・エヌ・エーなどとのパートナーシップを次々と実現しています。日本オフィスは2021年春より本格的に始動したばかりですが、パートナー企業様が急増しております。弊社スタッフも増員しながらお客様のサポートを強化していく所存です。
Sensor Tower 日本オフィス代表
谷内 照吾
Shogo Yachi
Sensor Towerについての詳細情報は弊社ウェブサイトに掲載されております:
https://sensortower.com/ja