パナソニック インダストリー株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役 社長執行役員・CEO:坂本真治)は、「スペースデリバリープロジェクト~RETURN to EARTH~」[1](Space BD株式会社主導)に参画し、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」の船外実験プラットフォーム[2]上で当社の電子材料製品の宇宙曝露[3]実験を実施しました。2023年3月から約3ヵ月間の宇宙滞在(宇宙曝露実験期間:2カ月)を経て宇宙より帰還した材料の性能評価を行いましたが、重要3項目(詳細は一次評価内容参照)において、大きな性能変化は検出されず、過酷な宇宙環境にも耐えうる品質であることが確認されました。
宇宙空間は微小重力・高真空・宇宙放射線・低温~高温の大きな温度変化などの現象が同時に起こる、非常に過酷な環境であり、地上での再現実験が困難です。そのため、今回の実験では、当社が開発した電子材料製品を実際に宇宙空間に曝露させ、その影響を確認することが目的です。
今回の評価結果から、当社電子材料の高い品質と優れた耐久性が実証された結果となりました。引き続き、詳細な材料特性評価を進めて参ります。
当社は、これまで長年培ってきた技術開発力に、今回の宇宙曝露実験を通して得られた知見を活かすことで、「業界最高の低伝送損失」を誇る電子材料のさらなる技術進化を図ってまいります。これにより、地上における高速通信ネットワークの技術革新にとどまらず、今後さらに宇宙開発をはじめ、第6世代移動通信システム(6G)の実現を支える空飛ぶ基地局(HAPS[4])など過酷な環境対応が求められる非地上系ネットワーク機器の技術開発を下支えすることで、より良い未来と豊かな社会の実現に貢献しつづけてまいります。
【用語説明】
[1]スペースデリバリープロジェクト
Space BD株式会社が主導。ISS「きぼう」日本実験棟にある中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)に搭載する小型簡易曝露実験装置(ExBAS/JAXAと共同開発)を活用したプロジェクト。対象品の選定・打上げ・地上回収までの様々なサポートを実施。
[2]国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォーム
地上から約400 km上空に位置する国際宇宙ステーション内「きぼう」日本実験棟の船外にある、宇宙空間にさらされた実験スペース。科学観測、地球観測、通信、理工学実験および科学実験等が可能。
[3]宇宙曝露
微小重力、宇宙放射線、高真空など宇宙環境特有の空間にさらすこと。地上ではこれらの環境を同時に再現することは難しい。
[4]HAPS
High-Altitude Platform Station:高高度プラットフォームの略。上空約20 kmの成層圏に飛行させた無人航空機にLTEや5G等の通信基地局を搭載し、広域エリアに通信サービスを提供するシステムの総称。災害にも強く、上空を含む3次元空間エリアへの通信サービスの提供を実現できる点から山岳部や離島など通信ネットワークが未整備の場所や地域を広くカバーし、情報格差解消の一助となることが期待されている。
全文は以下プレスリリースをご覧ください。
▼[プレスリリース]過酷な宇宙環境での曝露実験において当社電子材料の耐久性を実証(2023年10月12日)
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