ベルシステム24、日本マイクロソフトとGoogle Cloudの生成AIを活用したコンタクトセンター業務の実証実験を完了、事業化へ

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 全国でコンタクトセンターアウトソーシング事業を展開する株式会社ベルシステム24(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:野田 俊介、以下:当社)は、コンタクトセンタービジネスの変革に向け、日本マイクロソフト株式会社とGoogle Cloudの生成AIを活用した、コンタクトセンター業務の実証実験を各企業と共同で実施し完了しました。この実証実験での実績を基に、当社が目指す「ヒト」と「AI」の連携による「ほぼ自動化」を実現するハイブリッド型のコンタクトセンターオートメーションの構築を推進します。生成AIを活用した新たなビジネスモデルによる業務効率化を目指しており、これを実現することで、今後見込まれる労働人口の減少による新たなアウトソーシングニーズを吸収するといった社会課題の解決に向けた事業の実現を進めていきます。

 今回の実証実験には、日本マイクロソフトが提供する「Azure OpenAI Service」上の「GPT-3.5」「GPT-4」と、Google Cloudの「Vertex AI」の「PaLM2」といった生成AIを活用しました。実証実験において、特に高い精度で実証された、コンタクトセンターでの対話データの要約機能を活用し、その対話データを整形した形でAIへ取り込むといった循環スキームを構築することで、コンタクトセンターオートメーションの実現を目指します。

  • 取り組み背景

 日本国内では、2030年に約350万人の労働人材不足が発生するとの試算*1もあり、企業では、今後さらに働き手の確保が課題となるとされているため、コア業務への人材の割り振り、働き方改革による労働時間の短縮等によるアウトソーシングニーズの拡大が見込まれています。また昨今、生成AIの登場などテクノロジーの進化により、急速にコンタクトセンターのハイブリッド化・自動化が進むことが予想されています。そのような背景の下、当社では、生成AIのコンタクトセンター業務での実証実験を実施しました。

*1出典:リクルートワークス研究所「Works 179 労働力不足社会vol.3 リスキリング先進国 そのビジョンと現在地労働市場の未来推計2030」より

 

 当社では、これまで、AIの活用によるコンタクトセンターの高度化を目的に、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所と共同でイノベーション&コミュニケーションサイエンス研究所(以下:ICSL)を設立しています。ICSLでは、メール業務削減を支援するAI検索エンジン「Mopas®」やFAQなどの現場でのナレッジメンテナンスを可能とする「Knowledge Creator®」を独自開発するなど、長年蓄積したコンタクトセンター現場での運用ノウハウと、AI・自然言語処理・アナリティクス・ビッグデータなど新たな技術領域を組み合わせた次世代コンタクトセンターの構築に向けた、AIエンジンの共同研究開発を進めてきました。また、コンタクトセンター自動化AIチャットボット・AIボイスボット 「ekubot®」を既に業務に活用する等、コンタクトセンターにおけるAIの活用を推進してきました。今回、生成AIにおける社内横断プロジェクトを設置するなど、新たなコンタクトセンタービジネスの創出に向け、生成AIを活用したコンタクトセンターオートメーションを目指し、効率化とセキュリティを担保する新たなサービスの開発に向け様々な研究を行っています。

 

  • 実証実験および今後の事業化へのプロセス

 今回の実証実験では、匿名化された実際の通話を使った対話データをもとに、対話データの要約やFAQ作成、VOC発掘といった生成AIの強みを活かした検証を進めました。その結果、対話データの高い精度での要約かつ、応対1件あたりにかかる処理時間の大幅な削減といったオペレーターの負担軽減への効果が実証できました。

 今後の事業化については、今回のナレッジやノウハウを基に、一般的な問い合わせから業界・業種に特化した問い合わせまでの対話データを要約し、AIのチューニングを行いながら、ベースとなるナレッジを蓄積していきます。このナレッジをベースに、それぞれの業界に特化したAIの育成を進め、コンタクトセンターのオートメーション化を推進します。さらに、クライアント企業ごとにカスタマイズされたAI応対を担う「AIアプリ開発」や、AIを継続的に学習させていく「AIナレッジ基盤」の開発を目指します。日本マイクロソフトとGoogle Cloudの支援のもと、要件収集や業務設計、適切な技術の選定、プロトタイプの開発・運用といった一定のプロセスを経て進めていく予定です。

 このような事業化を進めていく中で、オペレーションの業務運用スキルと、適切にデータを扱うための ITスキル の双方を持った人材の育成を進め、データ収集や活用に向けた「データマネジメント」のノウハウ・知見を蓄積し、その先のビジネスも目指していきます。

 

 当社は今後も、技術に対する正しい理解、安全面・倫理面、個人情報へ配慮し、社会インフラのひとつとして、AIほか新たなテクノロジーを活用したサービスを通じて、社会課題の解決に努めていきます。

■「Azure OpenAI Service」について

日本マイクロソフトが開発する「Azure OpenAI Service」は、AIの開発を行うOpenAI社の技術を、マイクロソフトが企業向けに提供する生成AIサービスの1つです。GPT-3.5やGPT-4モデルなどの大規模な言語モデルをマイクロソフトのクラウドプラットフォームMicrosoft Azure上で利用できます。Microsoft Azureのセキュリティとコンプライアンス基準に準拠し、データの暗号化、アクセス制御、監査ログなどのセキュリティ機能が提供されます。

Azure OpenAI Service – 高度な言語モデル | Microsoft Azure
Azure OpenAI Service は、さまざまなユース ケースに応じた特定のニーズに合わせて微調整できる、業界をリードするコーディングおよび言語 AI モデルを提供します。

 

■「Vertex AI」の「PaLM2」について

 Google Cloud の機械学習プラットフォーム「Vertex AI」で利用可能な「PaLM2」は、多言語、推論、およびコーディング機能が向上した最先端の大規模言語モデルです。「PaLM2」は、自然言語処理のタスクにおいて高い性能を発揮し、言語の意味や文脈を理解する能力を持ちます。また、高速な推論処理により、大量のテキストデータを効率的に解析することができ、テキストデータの解析や意味理解において優れたパフォーマンスを提供します。

PaLM 2 のご紹介
過去 10 年間の AI における最大の進化を振り返ると、Google はその多くの場面で先頭に立ってきました。私たちの基盤モデルにおける画期的な研究は、この業界と何十億人もの人々が毎日使用している AI を活用した製品の基礎になっています。

本文中に記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

【本件に関するお問い合わせ】

株式会社ベルシステム24ホールディングス 広報IR室

 E-mail:pr@bell24.co.jp / TEL:03-6896-6199

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