ハイパースペクトルカメラ向け高速・高ダイナミックレンジのエリアイメージセンサを開発

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当社は、インジウム(In)とガリウム(Ga)、ヒ素(As)を材料とする、近赤外光に感度を持つエリアイメージセンサに独自の回路設計技術を応用することで、ハイパースペクトルカメラ向けの従来製品と比べ読み出し速度とダイナミックレンジを約2倍まで高めた「G16564-0808T」を開発しました。
本製品は、従来製品と比較しダイナミックレンジを高め、信号を読み出す波長の選択を可能とすることで、プラスチックのリサイクルや、代替植物を含む食品・薬の品質管理など、成分や大きさなどが異なる対象物に広く応用することができます。当社は、脱炭素や人口増加に伴う食料難の対策に必要なツールとして本製品を拡販することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
本製品は11月1日(水)より、国内外の産業用カメラメーカーに向け販売を開始します。また、11月16日(木)から3日間、当社がアクトシティ浜松(浜松市中区)で5年ぶりに開催する光の総合展示会「フォトンフェア2023」に出展します。

ハイパースペクトルカメラによる測定イメージハイパースペクトルカメラによる測定イメージ

<製品の概要>

本製品は、高速読み出しが可能で高ダイナミックレンジ(※1)のハイパースペクトルカメラ(※2)向けエリアイメージセンサです。

当社は、難燃性樹脂が含まれるプラスチックと一般的なプラスチックを鮮明な画像で選別できるハイパースペクトルカメラに向け、InGaAsを材料とするエリアイメージセンサとしては世界最長となる波長2.55マイクロメートル(以下μm、μは100万分の1)の近赤外光まで検出するイメージセンサを開発・製造・販売しています。

※1 ダイナミックレンジ:識別できる光の強さの最小値と最大値の比率。比率が大きいほど、より強い光とより弱い光の量を同時に正しく計測できる。

※2 ハイパースペクトルカメラ:対象物からの反射光の強さを波長ごとに細かく分けて撮影できるカメラで、通常のカメラでは分からない対象物の材質や成分の違いを画像化することができる。

ハイパースペクトルカメラによる測定結果ハイパースペクトルカメラによる測定結果

市場からは、プラスチックのリサイクルのみならず、果物の水腐れをはじめとする食品選別や薬の成分分析などに向け、従来製品とは形状が異なり、さらなる高速読み出しが可能でダイナミックレンジの高いエリアイメージセンサが求められていました。

今回、イメージセンサの読み出し回路の設計を見直し電気信号を並列で処理することで、信号の読み出し速度を約2倍まで高めました。同時に、対象物に応じ特定の波長の光による信号だけを読み出す機能を加えることで、さらなる高速化を可能としています。また、信号処理回路の工夫により信号電流を流れやすくし、ダイナミックレンジを約2倍まで高めたことで、これまでは検出できなかった対象物の情報を利用することができます。

高速、高ダイナミックレンジの本製品をプラスチックリサイクルや食品選別、薬の成分分析用途向けハイパースペクトルカメラに組み込むことで、プラスチックリサイクルでは従来と同じ時間で大量の選別が可能になるとともに、選別の精度を高めることができると期待できます。また、食品・薬をはじめコンクリートや住宅建材の劣化、紙のリサイクルなど、より広い分野での応用が期待されます。当社は、脱炭素や人口増加に伴う食料難の対策に必要なツールとして本製品を拡販することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

今後、本製品と駆動回路を一体化したカメラモジュールや、0.95~2.55μmまでと感度波長範囲がより広いエリアイメージセンサの開発を進めます。

<製品の主な特長>

1.読み出し速度とダイナミックレンジを約2倍まで向上

読み出し回路にデコーダ回路を採用することで、電気信号の読み出し速度を約2倍まで高めました。また、信号処理回路をディプレッション型とし閾値電圧を下げ電流を流れやすくすることで、ダイナミックレンジを約2倍まで向上させました。

  

2.マルチライン読み出し可能

回路設計を工夫し、特定の波長の光による信号だけを読み出すマルチライン読み出し機能を加えました。選別対象が反射しやすい波長の近赤外光だけを読み出すことで、読み出し速度を高めることができます。

主な仕様主な仕様

●発売日:2023年11月1日(水)

●製品価格(税込):InGaAsエリアイメージセンサ「G16564-0808T」 2,585,000円

●販売目標台数:初年度50台/年、3年後300台/年

InGaAsエリアイメージセンサ「G16564-0808T」InGaAsエリアイメージセンサ「G16564-0808T」

<この件に関するお問い合わせ先>

■報道関係の方 浜松ホトニクス株式会社 コーポレートコミュニケーション部 野末迪隆

〒430-8587 浜松市中区砂山町325-6 日本生命浜松駅前ビル

TEL053-452-2141 FAX053-456-7888 E-mail: nozue-m@hq.hpk.co.jp

時間外は、携帯電話080-8262-0374へお願いします

■一般の方 浜松ホトニクス株式会社 固体事業部固体営業推進部 渥美利久

〒435-8558 静岡県浜松市東区市野町1126-1

TEL053-434-3311 FAX053-434-5184 E-mail: toshi-a@ssd.hpk.co.jp

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