iTrust リモート署名サービスによるクラウド上での安全なeシール※1 付与とスカイコムのPDFに関する技術力により、企業や組織が発行する各種電子文書の真正性確保と発行元証明と改ざん防止を実現します。
企業や組織の電子取引において、従来は発行元証明や改ざんやねつ造防止などの措置を講じずに取引が行われていました。改正電子帳簿保存法やインボイス制度の施行によって、今後ますます受発注情報である、見積書、注文書、請求書や受領書などの取引文書が電子化されていくことになります。電子取引もしくは文書を電子化した場合に、その電子文書の真正性と発行元証明、改ざんされていないことを確保することが重要となります。また、製造業、流通業や販売業などのさまざまな業界・業種をまたぐ取引において、信頼性のあるデータ流通を実現することが必要です。
発行元のなりすましや電子データの改ざん、ねつ造などを防止するため、電子データの発行元組織を明示し電子データの改ざんを検知する仕組みである e シール の導入が求められています。 一般社団法人デジタルトラスト協議会(JDTF)は、総務省が公表している「e シールに係る指針」※2 を参考に、特に公開鍵基盤に基づく e シールを実用化し、より広範に活用するために必要となるさまざまな事項について、技術的・運用上の観点から幅広く検討した結果を「e シール解説 ~実用化に向けて~」※3 としてまとめています。この解説の中で、e シールの適用先として考えられる例として、組織間取引で交換される文書類(例:受発注情報、請求書、受領書)などを挙げています。
電子文書の長期間に渡る真正性を確保するため、長期署名に対応した「iTrust リモート署名サービス」と「SkyPDF® Tools SDK Ⅲ」がサービス連携することにより、企業や組織が発行する各種電子文書にeシールを付与し、真正性ならびに発行元証明が可能で、電子取引や文書電子化における電子データの改ざん、ねつ造などの防止と電子文書の長期保存を支援します。
「iTrust リモート署名サービス」は、企業・組織などの利用者の署名鍵 ※4 をサイバートラストが運用する電子認証センター設備内のHSM ※5 で安全に保護され、厳格なアクセス管理により登録されている担当者のみが電子文書へeシールを付与可能なため、お客様はHSMの運用負荷なく安心して利用することができます。また、「iTrust リモート署名サービス」は、JIPDEC ※6 の厳格な基準に基づく審査が実施され、厳格な規程をもって運用されているサービス として、国内で初めて「JIPDEC トラステッド・サービス登録 ※7(リモート署名/電子契約) 」を取得しており、より安心なリモート署名を可能にします。「iTrust 電子署名用証明書」は、国際的な電子認証局の監査規格である WebTrust for CA 監査 ※8 に合格し、アドビシステムズ株式会社の認定するルート証明書リスト(AATL ※9 )に対応しているため、企業・組織が発行する電子文書において、Adobe Acrobat や Acrobat Reader などで「有効な電子署名」として信頼性を視覚的に確認可能になります。また、eシールに係る認証局の登録基準を満たした「JIPDEC トラステッド・サービス登録(認証局)」を取得した認証局より発行するeシール用証明書を電子文書に付与することで、発行元の組織から発行されたことの証明と真正性の確保が可能になり、安心・安全なデジタル社会の実現を支援します。
「SkyPDFⓇ Tools SDK Ⅲ」は、スカイコムが長年にわたって開発提供してきたPDF技術(PDFファイルの表示・編集・印刷等の機能)を取り入れて、独自のシステムやアプリケーションに組み込むことができるソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)です。
スカイコムの「SkyPDFⓇ」は、PDFファイルの長期保存を目的としたISO規格であるPDF/Aの、最新規格「PDF/A-4」に対応した「SkyPDFⓇ シリーズ」を提供しています。PDF/A※10はPDFファイル(電子文書)の長期保存を目的とした国際標準規格(ISO19005)で、日本国内で PDF/A-4に対応しているのは「SkyPDFⓇ シリーズ」のみ(2023年8月現在)となっています。
サイバートラストとスカイコムは、両社が持つ電子認証サービス、電子文書の安全・安心な長期保存を可能にする長年の運用実績と技術力を活かし、企業や組織が発行する各種電子文書の真正性と発行元証明、改ざん防止を支援します。
このたびのサイバートラストとスカイコムのサービス連携にあたり、日本電気株式会社は以下のようにコメントしています。
日本電気株式会社 サイバーセキュリティ戦略統括部 統括部長 兼 NECセキュリティ株式会社 取締役 淵上 真一 ,CISSP 様
政府が進めている信頼性のある自由なデータ流通(Data Free Flow with Trust : DFFT)の実現に向けて、両社の連携によりeシールの実用化が加速することを歓迎いたします。NECは、「Truly Open, Truly Trusted」をメッセージとして掲げ、デジタルトラスト協議会等の関連団体とも連携し安全・安心な社会の実現を目指しています。両社サービスとの連携や当社のセキュアな製品・システム・サービスの提供を通して、デジタルトラストの実現に貢献していきます。
※1 e シールとは:電子文書等の発行元の組織等を示す目的で行われる暗号化等の措置であり、当該措置が行われて以降当該文書等が改ざんされていないことを確認する仕組みです。
※2 「e シールに係る指針 」(総務省)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000756907.pdf
※3 「e シール解説 ~実用化に向けて~」 (デジタルトラスト協議会)
※4 署名鍵とは:電子証明書に紐づく秘密鍵をデジタル署名で使用する場合に署名鍵と表現しています。
※5 HSM とは:Hardware Security Module という安全な機器で、秘密鍵を HSM に保管し不正に外部にコピーされない対策を行ったうえで、電子証明書を契約者本人以外が利用できないような厳格な認証を行い、クラウド上で電子署名することができます。
※6 JIPDEC とは:安心安全な情報利活用環境の構築を目的に、プライバシーマーク制度の運営、電子証明書を発行する認証局等の信頼性を評価するトラストサービス評価事業、情報の保護と活用に関する調査研究・政策提言、電子署名法に基づく特定認証業務の調査、ISMS等情報マネジメントシステムの普及啓発等を行う団体。
※7 JIPDEC トラステッド・サービス登録とは:インターネット上のサービスを第三者機関である JIPDEC が安全なサービスであることを確認し、信頼性(トラスト)を担保する仕組み。
※8 WebTrust for CA 監査とは:国公認会計士協会(AICPA)とカナダ勅許会計士協会(CICA)が定めた、電子認証局の証明書発行審査基準および運用基準などを定めた国際規格。
※9 AATL とは:「Adobe Approved Trust List」として、Adobe 社が求める要件をクリアした電子認証局のリスト。AATL に登録された電子認証局から発行される PDF 文書署名用電子証明書により、法人(組織)名、住所、署名者の肩書(または所属部署)、署名者の氏名について PDF 上で簡単に電子署名の有効性を検証でき、 署名者本人が押印したものであることの確認が可能。
※10 PDF/Aとは:PDF/AはPDFファイル(電子文書)の長期保存を目的とした国際標準規格(ISO19005)です。PDF/A規格で変換・保存することで、長期保存でも環境に依存せず常に正しい表示になるよう、フォントの埋め込みや暗号化の禁止など、必須・制限・禁止する項目を定めています。なお、PDF/Aには複数の規格(PDF/A-1、PDF/A-2、PDF/A-3、PDF/A-4)が存在し、最新の規格であるPDF/A-4に対応しているのは日本国内では「SkyPDF」だけ(2023年8月現在)です。
■関連 Web サイト
「SkyPDF® Tools SDK ⅢWebサイト: https://www.skycom.jp/product/skypdf/tools_sdk3/
「iTrust リモート署名サービス」Webサイト:https://www.cybertrust.co.jp/remote-signing/
「iTrust 電子署名用証明書」Webサイト:https://www.cybertrust.co.jp/signature-certificate/
株式会社スカイコムプレスリリース: https://www.skycom.jp/news/release/2023/00230/
■サイバートラスト株式会社について
サイバートラストは、日本初の商用電子認証局として 20 年以上にわたり提供している認証・セキュリティサービスと、ミラクル・リナックスのカーネル技術やオープンソースソフトウェア(OSS)の知見を応用したオンプレミス、クラウド、組込み領域向けの Linux/OSS サービスを展開しています。また、これらの技術や実績を組み合わせ、IoT をはじめとする先端分野に向けて、「ヒト・モノ・コト」の正しさを証明し、お客様のサービスの信頼性を支えるサービスを推進しています。
「すべてのヒト、モノ、コトに信頼を」。サイバートラストは、IT インフラに関わる専門性・中立性の高い技術で、安心・安全な社会を実現します。
■株式会社スカイコムについて
選ばれるPDFメーカー、 スカイコム。 『安全・安心な電子文書化社会の実現に貢献』をスローガンに掲げ、電子文書の世界標準フォーマットである「PDFをコアに据えたPDFソフトウェアプロダクト(ペーパーレス、業務改革推進のための製品・ソリューション)を提供しています。 PDF技術を自社内で開発する専門性と技術力で強みを発揮し、日本国内のみならず海外においても高い評価を得ています。 国際的なPDF関連ベンダーの業界団体であるPDFアソシエーションメンバーとして、これまで数多くの一般企業、金融機関、官公庁・自治体が利用するシステムやアプリケーションに当社のPDFテクノロジーを提供し、豊富な実績を築いています。
■本リリースのURL
https://www.cybertrust.co.jp/pressrelease/2023/0905-skycom-itrust.html
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