■調査結果トピックス <インボイス制度について> ・適格請求書発行事業者に登録している法人は約6割、登録予定は約3割 ・請求書の受領・発行両方で、インボイス制度対応を行っている法人は約半数 ・インボイス制度対応が大変だと感じている法人は約9割 ・インボイス制度対応で大変だと感じることの1位は「取引先や従業員への周知」 ・インボイス制度開始直前で不安に感じていることの1位は「担当者や従業員の制度理解の不足・周知」 ・適格請求書発行事業者に登録しない取引先への対応として、約4割が「適格請求書発行事業者登録を働きかける」と回答、約3割が「取引を継続する」 ・適格請求書発行事業者登録を働きかけられた際、法人の約半数、個人事業主の約3割が「登録を行う」 <請求書の対応方法について> ・請求書の受領方法として、紙と電子両方で受領する法人が約半数 ・請求書の発行方法として、紙と電子両方で発行する法人が約半数 ・紙で受領した請求書は、7割超が「電子で保管する」 ・紙で発行した請求書の控えは、7割超が「電子で保管する」 |
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<インボイス制度について>
◾️インボイス制度の適格請求書発行事業者の登録状況
・適格請求書発行事業者に登録している法人は約6割、登録予定は約3割
課税事業者のうち、インボイス制度対応に必要な適格請求書発行事業者にすでに「登録している」と回答した法人は58.6%、「登録する予定」と回答したのは27.8%で、合わせて86.4%が登録する意向があることがわかりました。一方で、課税事業者であっても、登録していない事業者が5.6%います。アンケート結果から、一定数の登録しない法人もいることが読み取れます。
◾️インボイス制度の対応準備の状況
・請求書の受領・発行両方で、インボイス制度対応を行っている法人は約半数
インボイス制度の適格請求書発行事業者に「登録している」「登録する予定」と回答した法人のうち、49.3%が「発行・受領共に対応できている」と回答、「受領のみ対応できている」は25.4%、「発行のみ対応できている」が10.9%で、これらを合わせると対応が進んでいる法人は85.6%という結果になりました。一方で、11.8%は「まだ対応できていない」と回答し、対応ができていないままの状態でインボイス制度の施行を迎えてしまう法人がいることがわかりました。
◾️インボイス制度対応の大変さ、開始直前で不安に思うこと
・インボイス制度対応が大変だと感じている法人は約9割
インボイス制度の適格請求書発行事業者に「登録している」「登録する予定」と回答した法人のうち、インボイス制度対応について、44.6%が「大変だと思う」、42.1%が「少し大変だと思う」と回答し、合わせて86.7%の法人がインボイス制度対応を大変に感じていることがわかりました。
・インボイス制度対応で大変だと感じることの1位は「取引先や従業員への周知」
インボイス制度対応が「大変だと思う」「少し大変だと思う」と回答した法人に対し、インボイス制度対応で大変なことを尋ねたところ、1位は「取引先や従業員への周知」、2位は「経理処理の煩雑化による対応フローの変更」、3位は「システム導入、利用中システムの対応」という結果になりました。
・インボイス制度開始直前で不安に感じていることの1位は「担当者や従業員の制度理解の不足・周知」
開始直前で不安に感じていることについても尋ねたところ、1位は「担当者や従業員の制度理解の不足・周知」、2位は「システムの不具合の発生や対応遅延」、3位は「請求業務の負担拡大」と、実際の業務負荷よりも周知や制度理解への不安が多いことがわかりました。
◾️インボイス制度対応で具体的に困っていること
インボイス制度対応における具体的に困っている事柄については、請求業務の「煩雑な処理」や「事業者への対応」に加えて、「適格請求書発行事業者番号の確認」、残業増による「人件費の増加」などの自由記述の回答がありました。
◾️インボイス制度に対応しない取引先への対応
・適格請求書発行事業者に登録しない取引先への対応として、約4割が「適格請求書発行事業者登録を働きかける」と回答、約3割が「取引を継続する」
インボイス制度の適格請求書発行事業者に登録しない取引先への対応について、「適格請求書発行事業者登録を働きかける」が最多の38.0%で、「取引を継続する」は31.7%が回答。15.2%が「取引金額の変更などを交渉・検討する」、3.4%が「取引中止を検討する」と回答し、仕入税額控除によるコスト増に対し、取引先に対する具体的な対応を行うことがわかりました。
◾️適格請求書発行事業者登録を働きかけられた場合の対応
・適格請求書発行事業者登録を働きかけられた際、法人の約半数、個人事業主の約3割が「登録を行う」
「免税事業者」と回答、または適格請求書発行事業者に「登録していない」と回答した法人および個人事業主に、取引先から適格請求書発行事業者登録を働きかけられた場合の対応方針を尋ねたところ、適格請求書発行事業者の「登録を行う」と回答したのは法人で48.6%、個人事業主で28.5%、「登録を行わない」と回答したのは、法人で40.6%、個人事業主で39.7%という結果になりました。個人事業主に比べて法人の方が、適格請求書発行事業者登録の要請に応じる意向が高いことがわかりました。個人事業主は、「わからない」の回答も31.8%と、検討できていない状況であることが考えられます。
◾請求書の対応方法
・請求書の受領方法として、紙と電子両方で受領する法人が約半数
請求書の受領方法について、37.8%が「なるべく電子で受領する(電子での発行を依頼する)」と回答、「すべて紙で受領する(紙での発行を依頼する)」と回答したのは5.9%に留まり、電子化する傾向が高いことがわかりました。一方で、「紙と電子の両方で受領する(取引先に合わせる)」と回答したのが47.9%と最多で、取引先に合わせて、紙と電子両方での対応が発生することが予想されます。
・請求書の発行方法として、紙と電子両方で発行する法人が約半数
請求書の発行方法について、30.6%が「すべて電子で発行する」と回答、一方、「すべて紙で発行する」の回答は11.5%に留まり、発行においても電子化する傾向が高いことがわかりました。「電子と紙の両方で発行する」の回答が49.3%と最多で、請求書の受領方法と同様の結果となりました。請求書の受領・発行方法については、取引先に合わせて柔軟に対応していくケースが多いことが推察できます。
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<請求書の対応方法について>
◾紙で受領・発行した請求書(請求書の控え)の保管方法について
・紙で受領した請求書は、7割超が「電子で保管する」と回答
紙で受領した請求書の保管方法について、73.9%がスキャンや請求書受領サービスなどを通じて「電子で保管する」と回答しました。一方で、18.3%は「紙のまま保管する」と回答しており、紙のままで対応するケースも一定数残ることがわかりました。
・紙で発行した請求書の控えは、7割超が「電子で保管する」と回答
紙で発行した請求書の控えの保管方法について、74.9%がスキャンや請求書発行サービスなどを通じて「電子で保管する」と回答しました。14.9%が「紙のまま保管する」と回答しており、受領と同様に紙のまま対応するケースも一定数残ることがわかりました。
受領側と発行側での電子と紙の保管方法の割合について大きな割合の変化はなく、紙の請求書を電子化する傾向がある法人の割合は7割超、紙のまま対応を続ける法人も1〜2割程度残ることが推察できます。
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調査総括(マネーフォワードビジネスカンパニーCSO 山田一也)
インボイス制度の施行開始まで1ヶ月となり、調査結果を経て、インボイス制度の適格請求書発行事業者の登録を済ませた法人や登録を進める予定の法人が、多くの割合を占めてきていることがわかりました。一方で、事務処理や業務フローの策定などの対応準備ができている企業は未だ半数程度であるため、当社サービス等を通じて対応サポートをしていく必要性があることを実感しました。
これまでもインボイス制度対応による業務負荷については多くの事業者の皆さまよりお声を頂戴しており、今回の調査からも大半の法人が負担を感じていることが明らかになりました。また、インボイス制度施行開始直前になったことで、担当者や従業員への周知や、開始後に利用するシステムに対する不安が高まっていることがわかりました。本調査を通じて、サービスでのインボイス制度対応を迅速に進めていくとともに、インボイス制度対応機能に関する情報発信、制度理解や周知をしていくためのサポートにも注力してまいります。
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調査概要
調査テーマ :インボイス制度に関するアンケート
調査実施 :株式会社マネーフォワード
調査対象 :法人事業者1100名、個人事業主550名
調査実施期間:(法人)2023年8月18日~8月23日
(個人事業主)2023年8月18日~8月23日
調査方法 :Fastaskを用いたインターネットリサーチ
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インボイス制度の特設サイトについて
インボイス制度についての基本情報や、インボイス制度に対応するうえでのお役立ち情報、『マネーフォワード クラウド』での対応機能について紹介しています。
URL:https://biz.moneyforward.com/invoice-about/solution-erp/
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インボイス制度・電子帳簿保存法の対応ガイド
インボイス制度や、電子帳簿保存法の具体的な対応方法についてお悩みの方向けに、制度施行後の経理財務業務の変化や、制度の対応方法について紹介しています。
URL:https://biz.moneyforward.com/library/19797/
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株式会社マネーフォワードについて
名称 :株式会社マネーフォワード
所在地 :東京都港区芝浦 3-1-21 msb Tamachi 田町ステーションタワーS 21F
代表者 :代表取締役社長CEO 辻庸介
設立 :2012年5月
事業内容:PFMサービスおよびクラウドサービスの開発・提供
URL :https://corp.moneyforward.com/
主要サービス:
お金の見える化サービス『マネーフォワード ME』 https://moneyforward.com/
バックオフィスSaaS『マネーフォワード クラウド』 https://biz.moneyforward.com/
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