近代いちじくの発祥の地と言われている兵庫県川西市で、「朝採り」で「完熟」のいちじくの収穫が最盛期を迎えている。川西市は県内2位のいちじく収穫量を誇る。川西産いちじくの愛称は「朝採りの恵み」。
川西産いちじくは、大阪や神戸など大都市に近い立地条件と、温暖な気候に恵まれた風土を生かした近郊農業として市南部の久代、加茂、栄根地区を中心に約100戸余りの農家が約12ヘクタールの畑で生産。京阪神を中心に年間約400トンが出荷されている。
川西産いちじく「朝採りの恵み」の品種である「桝井ドーフィン」は、90年以上前に日本で初めて川西市で栽培され、その後、全国に広まったと言われている。川西のいちじくは完熟のものを朝採りするのが特徴で、太陽がまだ昇らない早朝から、完熟した実を丁寧に収穫する。朝早くから集荷場に集められたいちじくは、その日のうちに店頭に並び、新鮮な状態で消費者の食卓へと届けられる。
東久代2丁目でいちじくを栽培している農家の西田穫美さん(にしだ えみ)は約60アールの畑で、約6,000本のいちじくの木を栽培する市内最大のいちじく農家である。朝の4時頃から家族、知人たち約10人で収穫作業を続けている。
西田さんは「今年は雨が少ないので、全体として少し小ぶりだが、その分甘さが凝縮しており、例年並みの品質のいちじくができました。ぜひ、皆さんに美味しいいちじくを食べてもらいたい。」などと話していた。