【2023年8月15日 ニューヨーク/ジュネーブ/ローマ発】
スーダンにおける武力衝突が始まってから4 カ月が経つことを受け、ユニセフ(国連児童基金)事務局長のキャサリン・ラッセルなど機関間常設委員会(IASC)に参加する人道支援機関の長たちは、この悲劇を終わらせるための行動を呼びかける声明を発表しました。
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スーダンの人々は、4カ月もの間、生活と祖国を破壊し、基本的人権を侵害する紛争に巻き込まれてきました。
人々は愛する人が銃殺されるのを目撃してきました。
女性や女の子は性的暴行を受けました。
家族は自分たちの財産が略奪され、自宅が焼き払われるのを見てきました。
保健医療サービスが利用できず、医薬品も手に入らず、人々は命を落としています。
そして今、戦いにより食べ物や栄養が不足し、スーダンの子どもたちはやせ細り、衰弱しています。
戦闘が続くたびに、スーダンの人々は、彼らが大切にしている平和、彼らにあるべき生活、そして彼らにふさわしい未来を奪われています。
もうたくさんです。
スーダンで人道支援活動を続ける国際機関の長である我々は、恐ろしい紛争が4カ月も続いていることを受け、次の3つのメッセージを発信します。
スーダンの人々へ――。国際人道支援コミュニティは危機が始まって以来、食料、農作物の種子、水、シェルター、保健、栄養、教育、医療、保護を提供し続けてきました。それらを最前線で届けてきた現地の支援従事者の活動を通じて、今後も支援に全力を尽くします。我々は、スーダンのすべての地域で、すべての人々に人道支援物資と必要不可欠なサービスを届けることができるよう、引き続き人道的アクセスを働きかけていきます。
紛争当事者へ――。戦闘をやめ、民間人を守るように。安全で妨げの無い人道的アクセスを認め、官僚的な障害を取り除くように。スーダンにおいて報告されている、民間人への攻撃、人道支援物資の略奪、支援従事者の標的化、民間の資産と保健所や病院を含むインフラの標的化、および人道支援活動の妨害は、すべて、国際人道法と国際人権法において禁止されています。これらの行為は戦争犯罪や人道に対する罪に相当する可能性があります。
国際社会へ――。待つことに対する言い訳は存在しません。600万人以上のスーダンの人々が、飢饉の一歩手前の状態にいます。1,400万人以上の子どもたちが、人道支援を必要としています。400万人以上の人々が戦闘から逃れるため、国内避難民としてスーダン全土で、また難民として国外のより広い地域で避難を続けざるを得ません。農民たちに、自分たちや近隣住民の食料となる作物の植え付けができる時間はあまり残されていません。医療物資も不足しています。状況は制御不能に陥っています。我々の人道支援計画は、スーダンと近隣諸国の約1,900万人を支援することができます。しかしこの2つの計画の要請額に対して、27%以下の資金しか集まっていません。どうかこの状況を変えてください。
今こそ、状況を正常に戻す時です。我々は敵対行為の即時停止を要求します。スーダンの人々は、平和と人道支援への公平なアクセスを必要としています。そして今日、国際社会は立ち上がり、あらゆるレベルで関与し、スーダンの情勢を軌道に戻し、紛争を終わらせるために行動しなければなりません。
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■ 本声明は、ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルなど20の人道支援機関の長たちによって署名されています。
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/