7月19日は、75年前に世界初の「ユネスコ協力会」が日本で誕生した日

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1947年7月19日、世界で最初の民間ユネスコ団体・仙台ユネスコ協力会(現・公益社団法人仙台ユネスコ協会)が誕生しました。

日本ユネスコ協会連盟では、毎年7月19日 を「民間ユネスコ運動の日」と定めて、草の根のユネスコ活動を展開しています。

■UNESCO ~平和を求めて~
UNESCO(国際連合教育科学文化機関)は、第二次世界大戦の悲劇を二度と繰り返さないために、教育と科学と文化の分野で国際協力を進め、相互のコミュニケーションを図って世界平和と人類共通の福祉を実現しようと1946年に設立された国連の専門機関です。
国連機関のUNESCOは加盟国で構成される政府間機関ですが、平和な世界を実現するには各国政府だけでなく、世界の人びとの参加と協力が必要だとUNESCO憲章(※)は謳っています。

■世界に先駆けて日本で始まった民間ユネスコ運動
民間ユネスコ運動は、UNESCO憲章の理念に賛同し、その理念を社会に広めるため、草の根の人びとが取り組んでいる平和運動です。戦後76年を経て、今では78の国と地域で約4200の民間ユネスコ協会やユネスクラブが世界で活動を続けています。その最初の灯をともしたのは日本人でした。1947年7月19日に、仙台ユネスコ協力会(現・公益社団法人仙台ユネスコ協会)が世界で最初に産声をあげました。

■7月19日は「民間ユネスコ運動の日」
日本ユネスコ協会連盟では、2006年に毎年7月19日 を「民間ユネスコ運動の日」と定め、草の根のユネスコ活動を展開しています。日本各地のユネスコ協会・クラブでは、7月19日の前後の期間に、平和を願うUNESCOの理念の普及とユネスコ活動への協力を呼びかけるためのさまざまなイベントや行事を実施しています。

■民間ユネスコ運動と日本のUNESCO加盟
1951年に日本は60番目の加盟国として国連機関のUNESCOへの加盟が認められました。
サンフランシスコ平和条約締結の3か月前、当時の日本はまだ連合国による占領下にあった中で日本のUNESCO加盟が実現した背景には、日本からUNESCO本部があるパリに送られた1通の手紙がありました。1947年7月19日に世界で最初のユネスコ協力会としてスタートした仙台ユネスコ協力会は、その発表式を終えるとすぐ、UNESCOのジュリアン・ハッククスレー事務局長にあてて手紙を出しました。「戦争を拒絶し、平和をもりたてる運動は、国家の指導者や少数の人びとに委ねることなく、心に平和のとりでをかためた人びとによって広く進められるべきだという」発表式での声明をふまえたメッセージを送りました。
この手紙の反響は世界を駆け巡りました。この年の11月、第2回UNESCO総会で日本の民間ユネスコ運動の動きが紹介され、南アフリカ連邦(当時)、インド、中国の代表は一日も早く日本をUNESCOの仲間に迎えようと提案しました。
仙台に端を発したユネスコ協力運動は、1947年11月に東京の日比谷公会堂で第1回ユネスコ運動全国大会を実施したのをきっかけに、京都をはじめユネスコ協力運動を進めていた全国のユネスコ協力会(現・ユネスコ協会)の力を集結することになり、また、政府や国会にも波及し、日本のUNESCO加盟促進は国民運動となりました。
このような活動が評価され、1951年に日本のUNESCO加盟実現へとつながりました。

日本ユネスコ協会連盟は、仙台ユネスコ協会をはじめ、日本各地で草の根の活動を行う274のユネスコ協会・クラブの連盟体として、民間ユネスコ運動の普及発展に努め、平和で持続可能な社会の実現にむけた取り組みを行っています。

公益社団法人日本ユネスコ協会連盟
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-3-1 朝日生命恵比寿ビル12階
電話:03-5424-1121
メール:kikaku@unesco.or.jp
ウェブサイト:https://www.unesco.or.jp/

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※『UNESCO憲章』(UNESCO創設の前年1945年の11月16日に採択)
(前文より抜粋)
戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。
相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信をおこした共通の原因であり、この疑惑と不信のために、諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった。
ここに終りを告げた恐るべき大戦争は、人間の尊厳・平等・相互の尊重という民主主義の原理を否認し、これらの原理の代りに、無知と偏見を通じて人間と人種の不平等という教義をひろめることによって可能にされた戦争であった。
文化の広い普及と正義・自由・平和のための人類の教育とは、人間の尊厳に欠くことのできないものであり、且つすべての国民が相互の援助及び相互の関心の精神をもって果さなければならない神聖な義務である。
政府の政治的及び経済的取極のみに基づく平和は、世界の諸人民の、一致した、しかも永続する誠実な支持を確保できる平和ではない。よって平和は、失われないためには、人類の知的及び精神的連帯の上に築かなければならない。

■民間ユネスコ運動のあゆみ
詳しくはこちら▶ https://www.unesco.or.jp/aboutus/ayumi/

■UNESCO(国際連合教育科学文化機関)について
UNESCO(国際連合教育科学文化機関:United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)は、1946年に創設された国際連合の専門機関です。諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と人類の福祉の促進を目的とした国連機関(政府間組織)です。
・本部:フランス・パリ
・事務局長:オドレー・アズレー氏(Ms. AUDREY AZOULAY)
・ウェブサイト :https://www.unesco.org/en
・加盟国数 193か国【2021年6月現在】
・UNESCO憲章採択 1945年11月16日
・UNESCO創設 1946年11月4日
・日本ユネスコ国内委員会(文部科学省内):日本政府としてのUNESCO窓口
   https://www.mext.go.jp/unesco/index.htm

■公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟について
公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟は、UNESCO憲章の理念にもとづき、民間ユネスコ運動を推進することを目的に創設された民間ユネスコ組織(NGO)です。世界に先駆けて仙台で始められた民間ユネスコ活動を続ける全国約270のユネスコ協会・クラブの連合体的組織です。国内外での教育の普及・実践や、地域の自然や文化を保全・継承する未来遺産運動・世界遺産活動、青少年育成活動など、戦後70年以上にわたり、草の根レベルでさまざまな活動を実施しています。
日本ユネスコ協会連盟は、国連機関のUNESCOの理念を共有し、連携・協力して活動していますが、UNESCOの下部組織(日本支部)ではなく、活動・財政を含めて独立した民間団体です。(なお、UNESCOの日本政府の窓口として、文部科学省内に日本ユネスコ国内委員会があります。)
・日本ユネスコ協会連盟創設:1948 年 5 月 1 日
・会 長:佐藤 美樹(さとう よしき)
・所在地:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿 1-3-1 朝日生命恵比寿ビル 12 階
・電 話:03-5424-1121 
・ウェブサイト:https://www.unesco.or.jp/
 

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