このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
-
イベント概要
・開催概要:福島県沖の海は、南からの<黒潮>と北からの<親潮>がぶつかりあう好漁場で「潮目の海」と呼ばれます。四季を通して、約200種類にもおよぶ豊富な魚介類が水揚げされます。福島沖で水揚げされた魚介類は「常磐もの」と呼ばれ、ブランド魚として知られています。 近年は、海水温上昇(平均水温1℃以上)による海自体の変化により、漁獲量に変化が生じている課題があります。今回のイベントでは、その「漁獲量」にスポットを当て、減少の「カツオ」、増加の「トラフグ」を中心に、福島県の海がどのような変化をしているのかを学ぶ事と、同時に、「海」と「味」を実体験することで「常磐もの」へ関心を深め、広める機会にしました。
・日程:7月25日(火)
・開催場所:福島県いわき市
・参加人数:23名
・協力団体:福島県立小名浜海星高等学校、「環境水族館」アクアマリンふくしま
-
「福島丸」に乗船し、疑似カツオの一本釣り体験
炎天下の中、「ぶー」と大きな音が鳴り響きました。この音は、福島県立小名浜海星高校の練習船「福島丸」の汽笛です。練習船「福島丸」は、イベントに参加をした23名を乗せて、いわき小名浜の海を航海しました。今回の参加者23名は、漁獲量が減った「常磐もの」の「カツオ」を学びます。子供たちは、先にペットボトルが装着してあるオリジナルの竹竿を使用して、カツオの一本釣り体験を行いました。竿の引き上げは、タイミングを合わせて行う必要があり、子供たちも滅多にない経験をドキドキしながら体験しました。また、船内では福島県立小名浜海星高校の生徒が、クイズ形式で「カツオ」を紹介。クイズの景品は、福島県立小名浜海星高校の生徒が手作りで制作してくれた、オリジナルのキーホルダー。参加した子供たちは、楽しみながら「カツオの漁」を学びました。
-
「環境水族館」アクアマリンふくしまで、カツオの生態学習
続いては、「環境水族館」アクアマリンふくしまに移動し、「カツオ」が泳ぐ黒潮大水槽、サンゴ礁の海の飼育を担当しているスタッフの森さんから、「カツオ」の生態と身体の特徴に関してを学習しました。参加者の目の前に現れた3.9kgのカツオを、実際に触りながら、「ヒレ」や「背びれ」など身体構造の特徴に関して理解を深めました。また、福島県沖の特徴である「潮目」を表現した大水槽に移動をしてからは、黒潮、親潮のプランクトンの違いや、「マグロ」と「カツオ」の色見の違いなどを水槽を見ながら、説明を受けました。最後の質問コーナーでは、「なぜカツオの口が空いているの?」などの質問があがりました。参加した子供たちは、「カツオ」の身体構造の特徴や、福島県の海の特徴などを実際に触って、見て学びました。
-
「カツオの肉巻き」料理に挑戦!
続いては、「カツオ」の料理体験です。まずは小名浜海星高校の斎藤先生による、「カツオ」の解体ショーが行われ、「カツオ」をさばく手順や、さばく上での注意点を教えてもらいました。その後は、小名浜海星高校の水産クラブ調理チームの方に協力してもらいながら、「カツオの肉巻き」を調理しました。こちらの料理は株式会社マルト商事と福島県立小名浜海星高校水産クラブ調理チームのコラボプロジェクトが、今回のイベントの為に、考えたオリジナルメニューになります。参加した子供たちは、本イベントの最終日では、マルトで販売される際のパッケージデザインを考える予定です。
-
あら汁を食べながら、最後の「海の授業」!
最後は、「海の授業」です。小名浜海星高校の手代森先生が、「常磐もの」の説明から、気候変動により海の環境が変化していることを教えてくれました。また、「カツオ」も黒潮の流れの変化などにより、少しずつ獲るのが難しくなっている状況を教えてくれました。講義は、小名浜海星高校の斎藤先生が、「カツオ」の普段は捨てられてしまう部位を使用して調理した「あら汁」を食べながら、おこなわれました。実際に味わう事で、海の資源を無駄なく、有効活用する事の大切さを教わりました。本イベントは、次回10月8日(日)に、相馬で「トラフグ」を学ぶ予定です。
-
参加した子ども・保護者からの声
【参加した子供からの声】
①カツオとマグロの見分け方を学びました。料理が好きなので、今回学んだカツオの肉巻きは家でも作ってみたいです。
②魚が大好きなので参加しました。カツオのヒレが水の抵抗を受けにくい作りになっていることなど、知らないことがたくさんあり、とても面白かったです。
【保護者からの声】
家に戻ってきたら「楽しかった」と言っておりました。また色んな経験をした為、家に帰ったらすぐに寝ておりました。
<団体概要>
団体名称:一般社団法人 ふくしま海と緑のプロジェクト
URL:https://fukushima.uminohi.jp/
活動内容:福島県の海への理解を促進し、魅力ある福島の海を未来に残すため、イベントや情報発信を推進し、また、海洋ごみ削減のために多くの県民参加型の全県一斉ごみ拾い活動等、県民の意識や行動を変え、次世代を担う子どもたちに海を中心に福島の美しい自然を守り、大切にする心を育てる活動を行っています。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。