NHK出版から『はがきの名文コンクール 第7回優秀作品集』が7月14日に発売。コロナ禍に負けずに届いた2万5千余通のはがきから選ばれた129の名文を収録しています。

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  • はがきの名文コンクールとは?

「一言の願いであればなんでも叶えてくれる」と信じられている、奈良県御所(ごせ)市の一言主(ひとことぬし)神社。そのそばに佇む 「郵便名柄館(ながらかん)」に、『一言の願い』がつづられたはがきが全国から届きます。

届いた膨大なはがきから、胸を打つ「名文」を選んで表彰するのが「はがきの名文コンクール」です。20字以上200字以内で願い事を書いたはがきを投函するだけでご応募できます。

昨年はコロナ禍に負けず、全国から約2万5千通の願いが届きました。『はがきの名文コンクール第7回優秀作品集』(NHK出版)はコンクール第7回優秀作品のアンソロジー。受賞作31作と最終候補作98作を収載しています。

本書から大賞の作品をご紹介しましょう。
 

  • 第7回 大賞作品  出山月惠さん(73歳・広島県)

 

私の姑は99才です
介護を受けながら一人住まいです
「ヤス子さーん 今日も頑張れますか」というと「頑張りますゾ」という
台所へ行く時は 姑を真中に「イチニ」「イチニ」とまるで軍団の声かけです
食後には食卓がピアノがわりに君が代独唱
ある日「私一人が死んでいても誰も悪うないけんね」と、ぽつんと言った
私は年齢を重ねた姑への寂しさや切なさを感じた
姑様 あなたの人生が幸せだったと言える様願っています
さあ!! 軍団も頑張るゾ

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出山月恵さんは、第5回コンクールにも応募されたのだそうです。受賞とはならず、作品集を読んで研究したとおっしゃいます。そんなひたむきさは、お姑さんへの真心にも通じているように感じます。賞金でお姑さんの冷蔵庫を新調したとか。ご家族一丸となった軍団の頼もしさに、心弾む作品です。
 

  • 選考委員からのメッセージ

五木寛之さん
「コロナの前と後とでは、はがき作品も変わりました。以前は子どもの作品がフレッシュで生き生きとしていましたが、今回はがらりと変わって高齢者の問題がせりあがってきた。表現の巧さよりも、素朴な生活の実感がごろっと転がっているような作品が多くあって、深刻な状況下にも、雑草のようなたくましさで生きる姿が見えました。」

村山由佳さん 
「はがきは、思いを込めて流す笹舟のようです。小さい紙片にずっしりと思いが乗せられています。」

齋藤孝さん 
「今回も質の高い作品が多く、はがきに綴られた思いの強さに心を動かされました。短い文章に心が持って行かれるのです。」

◆『はがきの名文コンクール第7回優秀作品集』(NHK出版)が7月14日に発売
 本書には、奈良県御所市の郵便名柄館に届いた約2万5千通の応募作のなかから選ばれた、大賞作品とその他の受賞作品、最終選考に残った作品を含め全129の名文を収載しています。大賞受賞者のコメントや、受賞はがきの実物の画像と書き手の横顔、ついはがきを書きたくなるコラムなども紹介。あなたの心に響くはがきときっと出会えます。また、第8回のコンクールに応募したいと思う方にもぜひご一読いただきたい一冊です。

◆第8回テーマ「一言の願い」で作品募集中。大賞賞金100万円!!
 今年の募集テーマも「一言の願い」。大賞賞金はなんと100万円です! このコンクールへの入場券は一枚の「はがき」のみ。ぜひ、あなたの願いをつづって参加してみてはいかがでしょう。募集の詳細は、本書または、「はがきの名文コンクール実行委員会」のホームページ、郵便局の案内ポスターなどでご確認ください(2022年8月31日締切)。SNSやメールだけでは伝えきれない想いを言葉に変えて、はがきに託してみませんか。
詳細はこちらから ⇒ https://www.hagaki-meibun.or.jp/
 

  • 著者情報

書名:はがきの名文コンクール第7回優秀作品集
出版社:NHK出版
発売日:2022年7月14日
定価:1,100円(税込)
判型:四六判並製
ページ数:160ページ
ISBN:978-4-14-005727-8
◆URL:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000057272022.html 
◆Amazon商品ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/4140057270/

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